43・44冊目です。
夏真っ盛りの43・44冊目は
吉村昭 さんの「長英逃亡 上」と 「下」 です。
内容・・・・・・
放火・脱獄という前代未聞の大罪を犯した高野長英に、幕府は全国に人相書と手配書をくまなく送り大捜査網をしく。その中を門人や牢内で面倒をみた侠客らに助けられ、長英は陸奥水沢に住む母との再会を果たす。その後、念願であった兵書の翻訳をしながら、米沢・伊予字和島・広島・名古屋と転々とし、硝石精で顔を焼いて江戸に潜伏中を逮捕されるまで、6年4か月を緊迫の筆に描く大作。
・・・・・・・
今回も入念な材料収集からくる一冊。読み応え大であった!
すべてのエネルギーを賭けて生き抜いた男の生涯を、作者の推理・人間考察からの判断なよって書かれていて、胸打つ読後感だった。
江戸時代の平安と秩序が、一方では厳しい監視と取締りや刑罰の賜物だったことは理解していたが、そんな状況下にあっても、人は法を超える、本来の人としての生き方を求めることが、強く感じられた。6年有余の逃亡生活を支えた多くの人々の、長英に託すそれぞれの思いが、作者のもっとも語りたかった部分ではないかと思う。どんな風に生きても、高野長英は時代に少し嫌われてしまった人ではなかっただろうか。その意味でも、完全燃焼の人生で救われる思いがした。
最終試験前、しっかりと読了。いや満足満足!!
吉村昭 さんの「長英逃亡 上」と 「下」 です。
内容・・・・・・
放火・脱獄という前代未聞の大罪を犯した高野長英に、幕府は全国に人相書と手配書をくまなく送り大捜査網をしく。その中を門人や牢内で面倒をみた侠客らに助けられ、長英は陸奥水沢に住む母との再会を果たす。その後、念願であった兵書の翻訳をしながら、米沢・伊予字和島・広島・名古屋と転々とし、硝石精で顔を焼いて江戸に潜伏中を逮捕されるまで、6年4か月を緊迫の筆に描く大作。
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今回も入念な材料収集からくる一冊。読み応え大であった!
すべてのエネルギーを賭けて生き抜いた男の生涯を、作者の推理・人間考察からの判断なよって書かれていて、胸打つ読後感だった。
江戸時代の平安と秩序が、一方では厳しい監視と取締りや刑罰の賜物だったことは理解していたが、そんな状況下にあっても、人は法を超える、本来の人としての生き方を求めることが、強く感じられた。6年有余の逃亡生活を支えた多くの人々の、長英に託すそれぞれの思いが、作者のもっとも語りたかった部分ではないかと思う。どんな風に生きても、高野長英は時代に少し嫌われてしまった人ではなかっただろうか。その意味でも、完全燃焼の人生で救われる思いがした。
最終試験前、しっかりと読了。いや満足満足!!