教えの後、久々にお天気もよく、肌寒くもなかったので、リージェント・パークへ、バラを見に行くことに。
ちょうど、着いたのが7時半。 そういえば! と思って、ローズ・ガーデンを通り抜けて、野外劇場へ。
リージェント・パーク内の、Open Air Theatreです。
いつか、ここの野外劇場で観劇したい、とは思っていましたが、この時期寒かったり、雨が多いので、なかなかチケットを買う気にはなりませんでした。
行ってみたら、ちょうど、今夜は、観たかった、『真夏の夜の夢』
野外劇場で、『真夏』とは、ぴったりです。
オペラハウスの値段に慣れている私には、ちょっと高めですが、折角なので。
一番後ろから、こんな感じです。
舞台を観て、ちょっとイメージと違う。
Matthew Dunsterという方がダイレクター。
もちろん、シェイクスピアのものを元にしています。
森に囲まれていて、『真夏』にぴったりの雰囲気なのですが、非常に現代演出でした。
これは、あくまでも私個人の意見として読んで頂きたいですが、私は、オペラでも、演劇でも、どちらかというと、時代的演出の方が好みです。
バレエで、マシュー・ボーンのように、あそこまで変えて行うのであれば、問題ないのですが、たとえば、ロイヤル・オペラで上演する『コシ・ファン・トゥッテ』のように、あそこまで現代演出なのは、好みません。
こういう部分は、非常に保守的です。
そういう意味で、今回の舞台、最初は、いったい何が起きているのかわからなかったし、言葉も、下級階層のアクセントにしている為、非常に聞き取り難かったです。
が、だんだんと、デミトリゥス、ライサンダー、ハーミア、ヘレナのやり取りあたりから、言葉はわかったり、わからなかったり、相変わらずだけれど、物語がつかめてきました。
そして、おもしろくなってきました。
ティターニアとオーベロンは、シュレックのような感じの妖精? ティターニアのおつきの4人の妖精は、男性により、演じられました。
前半の途中から、妖精の世界での舞台演出が非常に興味深いものでした。
個人的には、ボトムを演じた人が一番私好みの声でしたし、惹きつけられる演技。
最後、結婚式の場面が、私にはちょっとはちゃめちゃ。
6人の労働者たちによって、『オズの魔法使い』を元にした笑える劇、そして、様々なスタイルのダンス。
笑わせてもらいました。
私の勝手な、想像とは違いましたが、ちょうど9時過ぎ、ティターニアが目覚めて、最初に目に入った、ロバの頭をかぶったボトムに恋をするあたりから、次第に暗くはじめてきたので、自然な演出が見事。
私は思いつきで行ったので、半そでに薄いカーディガン、一応持っていたウールのショールでどうにか寒さをしのぎましたが、最初から行く予定であれば、ひざ掛けをお持ちすることをお勧めします。
たまーに、演劇もこうして観ますが、やはり、言葉があるものを観た後、言葉がなくても物語を伝えていくバレエって凄いな、と思ってしまうのです。
そして、バレエ以上にジェスチャーがない、音楽で物語を伝えていくのは、もっと魅力的だな、と結局は、ここに落ち着きます。
『真夏』、ロイヤルバレエで今年1月から3月まで何度も観ましたが、正直、私にはバレエの方がわかりやすかったかもしれません。
この野外劇場で行われているものは、一応、11歳以上、となっています。
昔、ウェールズの友人の家に遊びに行ったとき連れて行って頂いた、壊れた古城で、夏は『ロミオとジュリエット』が上演される、と聞いたことがあります。
短い夏の野外劇場、本当は、もっと観に行ってみたいです。
そして、今回の舞台の演出のおもしろさ、イギリスだな、と思うのです。
現在、私の友人が、ステージ・マネージャーになる為に、演劇科の大学に通っていますが、彼女の話を聞くと、奥が深く、おもしろい世界だな、と思います。
この夏は、グローブ座にも行きたいとは思っていますが、とにかく天候が読めないので、願いがかなうのだろうか・・・