野外劇場で、『真夏の夜の夢』 | WITH HOPE!!

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在英14年目、イギリスの生活を愛し、楽しんでいるMiyukiです。
イギリスで細々と演奏活動をしているので、クラシック音楽の話題、日常、イギリスの姿をお伝えしたいと思います。
バレエが好きで、ロイヤルバレエの公演を主に観ているので、その感想も。


 教えの後、久々にお天気もよく、肌寒くもなかったので、リージェント・パークへ、バラを見に行くことに。

 ちょうど、着いたのが7時半。 そういえば! と思って、ローズ・ガーデンを通り抜けて、野外劇場へ。

 リージェント・パーク内の、Open Air Theatreです。


 いつか、ここの野外劇場で観劇したい、とは思っていましたが、この時期寒かったり、雨が多いので、なかなかチケットを買う気にはなりませんでした。

 

 行ってみたら、ちょうど、今夜は、観たかった、『真夏の夜の夢』

 野外劇場で、『真夏』とは、ぴったりです。

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 オペラハウスの値段に慣れている私には、ちょっと高めですが、折角なので。

 一番後ろから、こんな感じです。

 舞台を観て、ちょっとイメージと違う。


 Matthew Dunsterという方がダイレクター。

 もちろん、シェイクスピアのものを元にしています。


 森に囲まれていて、『真夏』にぴったりの雰囲気なのですが、非常に現代演出でした。

 これは、あくまでも私個人の意見として読んで頂きたいですが、私は、オペラでも、演劇でも、どちらかというと、時代的演出の方が好みです。

 バレエで、マシュー・ボーンのように、あそこまで変えて行うのであれば、問題ないのですが、たとえば、ロイヤル・オペラで上演する『コシ・ファン・トゥッテ』のように、あそこまで現代演出なのは、好みません。 

 

こういう部分は、非常に保守的です。


 そういう意味で、今回の舞台、最初は、いったい何が起きているのかわからなかったし、言葉も、下級階層のアクセントにしている為、非常に聞き取り難かったです。

 

 が、だんだんと、デミトリゥス、ライサンダー、ハーミア、ヘレナのやり取りあたりから、言葉はわかったり、わからなかったり、相変わらずだけれど、物語がつかめてきました。

 そして、おもしろくなってきました。

 

 ティターニアとオーベロンは、シュレックのような感じの妖精? ティターニアのおつきの4人の妖精は、男性により、演じられました。

 

 前半の途中から、妖精の世界での舞台演出が非常に興味深いものでした。

 

 個人的には、ボトムを演じた人が一番私好みの声でしたし、惹きつけられる演技。

 

 最後、結婚式の場面が、私にはちょっとはちゃめちゃ。

 6人の労働者たちによって、『オズの魔法使い』を元にした笑える劇、そして、様々なスタイルのダンス。

 笑わせてもらいました。

 

 私の勝手な、想像とは違いましたが、ちょうど9時過ぎ、ティターニアが目覚めて、最初に目に入った、ロバの頭をかぶったボトムに恋をするあたりから、次第に暗くはじめてきたので、自然な演出が見事。


 私は思いつきで行ったので、半そでに薄いカーディガン、一応持っていたウールのショールでどうにか寒さをしのぎましたが、最初から行く予定であれば、ひざ掛けをお持ちすることをお勧めします。

  

 たまーに、演劇もこうして観ますが、やはり、言葉があるものを観た後、言葉がなくても物語を伝えていくバレエって凄いな、と思ってしまうのです。

 そして、バレエ以上にジェスチャーがない、音楽で物語を伝えていくのは、もっと魅力的だな、と結局は、ここに落ち着きます。

 

『真夏』、ロイヤルバレエで今年1月から3月まで何度も観ましたが、正直、私にはバレエの方がわかりやすかったかもしれません。

 

 この野外劇場で行われているものは、一応、11歳以上、となっています。 

 

 昔、ウェールズの友人の家に遊びに行ったとき連れて行って頂いた、壊れた古城で、夏は『ロミオとジュリエット』が上演される、と聞いたことがあります。

 短い夏の野外劇場、本当は、もっと観に行ってみたいです。


 そして、今回の舞台の演出のおもしろさ、イギリスだな、と思うのです。

 現在、私の友人が、ステージ・マネージャーになる為に、演劇科の大学に通っていますが、彼女の話を聞くと、奥が深く、おもしろい世界だな、と思います。

 

 この夏は、グローブ座にも行きたいとは思っていますが、とにかく天候が読めないので、願いがかなうのだろうか・・・