Hytheでのリサイタル | WITH HOPE!!

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在英14年目、イギリスの生活を愛し、楽しんでいるMiyukiです。
イギリスで細々と演奏活動をしているので、クラシック音楽の話題、日常、イギリスの姿をお伝えしたいと思います。
バレエが好きで、ロイヤルバレエの公演を主に観ているので、その感想も。

今回は初めて訪れる場所、ケントのHytheにある、セント・レオナルド教会でのランチタイムリサイタル。

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 この教会では今までは土曜日の夜コンサートを行っていて、でもお年よりは冬の夜に高台にある教会まで来ることが大変なので、今回初めての試みで昼間のコンサートを行うことにしたそうです。 ランチタイムだけれど無料のコンサートではないし、チケットは当日、という売り方だったので、主催者の方もどれだけ人が集まるのか不安だったよう。 しかも、あいにくのお天気でしたし。

 

 こちらの予想を超える50人ちょっとの方がいらして下さいました。


 祭壇(でよいのかしら?)の階段部分に特設ステージを作って、ピアノはスタンウェイのBモデル。 これ以外にもベヒシュタインの古いグランドピアノも所有しています。 先週のケンブリッジの教会同様、ここの教会に通っていた方が亡くなる時に、教会にピアノを、ということで遺産を教会に託すことからこうしてよい状態のピアノがあるようです。


  今回のプログラムは


 ベートーヴェン: 6つのバガテル 作品126

 シベリウス: ワルツ

 ラフマニノフ: ワルツ

 チャイコフスキー: ロマンス ヘ長調

 ショパン: マズルカ (4つ)

 ショパン: 幻想ポロネーズ


 アンコールにリスト: 愛の賛歌


 というプログラムでした。 

 ベートーヴェンのバガテルはこの1年、抜粋では舞台に上げていたものの、6つとも全部弾くのは初めて。 どうしてこんな忙しくて、時間が無い時に限ってこのプログラムにしたのだろう? と思ったのですが、やっぱり弾いてよかった。 これはまだまだ改定の余地あり。


 今回は誰もが知られた名前の作曲家だけれど、あまり一般には馴染みがない曲が多かったので、トークを入れながらのコンサートでした。


 チャイコフスキーのロマンスは何度弾いても好きな曲。 いくらでもファンタジーが膨らみます。 いつかこの前の夏にかなえられなかった夢、叶えられるかしら?


 幻想ポロネーズが何故かまとまりのない演奏に。 初心に戻ります。


 アンコールは考えていなかったのですが、プログラムを弾きながら、きっとここの響きに合う、と思っていたリストの愛の賛歌を弾くことに。 1週間弾いていなかったので多少は不安でしたが・・・ それが、やっぱり1月から3回目? 久々に『愛の賛歌』である程度納得できる演奏になったよう。 終演後、この曲のタイトルを書いて欲しい(私はフランス語ができないので、タイトルはあいまいにしか発音できない)と言われたり、この曲に対するお客様からの評価が高かったよう。 弾いてよかった。


 終わった後は教会の片隅にテーブルが用意してあって、教会にはキッチンが無いから、冷たいサラダとチーズとパンのお昼。 教会の婦人会?の方々が用意してくださって、デザートにはあらかじめどなたかが作ってきて下さっていた、アップルクランブルとトライフル。 私はトライフルを頂きました。 イギリスのご婦人が作るデザートはとってもおいしいのです。


 主催者の方が、コンサートの始まる前に私を紹介する時、

「みゆきはヘッドコーンに住んで、メイドストーンのインヴィクタ・グラマー・スクールに通っていました」

なんて話して下さったので、お昼を食べている間、


「私はヘッドコーンの教会の牧師をしていたことがあるんだよ。 ヘッドコーンのどこに住んでいたの?」

とか色々と声をかけてくださり、私が住んでいた辺りはとりわけ美しいところだよ、と教えて頂いたりしたので、懐かしさ倍増。


 おじさんたちとおしゃべりするのも楽しく、なんと1時間半もおしゃべりしている有様。

 昔のあのシャイでどうにもならなかった私はどこへ行ってしまったのでしょう? 小学校の授業参観の時だって、間違えるのが恥ずかしいというよりも、とにかく人の前で答えるのが恥ずかしくて、答えがわかっていても手も挙げることができないような子供だったのに。


 おじさんたちに、『チャーミング・ヤング・レイディー』といわれたけれど、そろそろ、ヤング・レイディーから脱出したいな、と思ったりもしました。 私、イギリスへ来た当初からずっと『ヤング・レイディー』のまま。


 というわけで、やっぱり、演奏することはやめられない、と改めて思ったしだい。


 でも、これで来週のことに専念できます。