本との出会い | WITH HOPE!!

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在英14年目、イギリスの生活を愛し、楽しんでいるMiyukiです。
イギリスで細々と演奏活動をしているので、クラシック音楽の話題、日常、イギリスの姿をお伝えしたいと思います。
バレエが好きで、ロイヤルバレエの公演を主に観ているので、その感想も。

 大した量ではないですが、3日連続で雪。 今日は夕方からまた降りました。 積もっているところは(車の上とか)5cmほどのところもありますが。



 さて、学校の勉強の為に文献を読む必要がなくなった修士号修了後、自分が興味がある文献を心置きなく読むことを楽しみにしていました。

 昨年は、ちょうど今頃4月のバレエの発表会のことを依頼され、音探し、楽譜編集で、全くそんな時間はとれず。


 昨日、2ヶ月前に切れたままになっていたブリティッシュ・ライブラリーのメンバーシップをやっと更新。 ブリティッシュライブラリーは登録無料ですが、誰でも簡単に、という図書館ではありません。

 私は学生時代にメンバーになっておいたので、昨年は、その研究の続行、今年もその続行、ということで登録。 

多分、私はプライベートの研究者、ということを続けていくと思うので。


 ブリティッシュ・ライブラリーというのは、棚に本がたくさんあるわけではなくて、コンピューターで本をリクエストして出してもらうシステム。 月曜日から金曜日は夜8時まで開いているのですが、本のリクエストは午後4時まで。

 遅すぎたので、明日また行くように明日用の本をリクエストして、それから、私が学校を卒業してから無くて不便をしていたものがみられることがわかったので、それを2時間ちょっと読んでいました。

 学術雑誌のウェブ版。 これ、素晴らしいのです。

 このメンバーシップの為にはどこかに所属していないといけない。 年間費も必要。 年間費だけなら、どうにか捻出しよう、とも思うけれど、個人ではとにかく難しい。 でも、ブリティッシュ・ライブラリーでこの閲覧が可能なことがわかったので、とにかく読むのみ。

 この学術雑誌、買おうか、とも思ったのですが、定期購読のみ。 しかも、さすがに専門書ですから、年間2回の発行で4万円。 さすがに今の私にこれは無理。 ということで、ブリティッシュライブラリーまで交通さえよければ30分ちょっとでいくことができるので、頻繁に通うことにします。



WITH HOPE!!-091218 balanchine


 『Balanchine's Festival of Ballet』、これ、先月左側のピンクの字の本を、チャリティーショップで購入。 とにかくむさぼるようにして読んでいます。 これは、簡単に言うと、バレエ作品辞典。 振付師のバランシンが404のバレエについて、書いた本。 1984年発行。 先月買った物は、AからMで始まる作品が収められていたので、から Zの作品を知るために、アマゾンで買って(しかも、本体は1.5円ほど!)、今日届いたのが右側の本。

私はこの本にチャリティーショップで出会わなかったらこの本の存在を知らなかったので、こうして出会えたことに感謝。


 これよりも前に、こういう本をバランシンは書いていたようですが、どんどん数が増えていった結果が404。 ここに書かれている作品のほとんどはアメリカで上演された物。 だから、404のバレエについて書かれていることは素晴らしいけれど、私がロイヤルバレエで観る、アシュトン、マクミランの小さめのバレエは抜けています。 しかも、これは既に25年前に発行された物。 その後に創られた作品を考えると、一体いくつのバレエ作品があるのか!!と思ってしまいます。


 普通のバレエ作品辞典よりも、もっと色々と詳しく、評論家ではなくて、バレエを実際に踊り、振付けた人の目線から書かれているのが魅力的。 しかも、バランシンはサンクト・ペテルブルグにいた頃、ピアノをサンクト・ペテルブルグ音楽院で勉強した、音楽にも非常に詳しい人。 使用楽曲についても詳しく書いてあり、もちろん、ここに書かれている作品のほとんどを観たことがありませんが、使われている曲を読むと、観てみたくなる物がたくさん。


 そして、何よりも感激した物。 私は、みんな違う意見を持っていて良い、そうでなくてはつまらない。 という考え方の人ですが、それでも、この今日届いた本に収録されてあったバランシンの、『How to Enjoy Ballet』という10ページ近くにわたる文章、私がこの数ヶ月、母や友達に話していたことが全て書かれていました。 決して私の考えがおかしいわけではない。


 私が同じことを言っても理解されがたい。 でも、バランシン、という偉大な振付師がこれを言っているのなら・・・・ 私、もしかしたら人生を踏み出すことができるかも。

 

 12年まえ、初めてイギリスでロイヤルバレエの公演を観た時には、まだまだ衣装デザインを勉強する気でいたし、10年前、マンチェスターの音大に入学した時には、まさか修士号まで行って、こうしてバレエを観る生活をするなんて、全く考えてもいませんでした。 大体、10年前の今頃は、バレエなんてどうでもよい、とあれだけ好きだったバレエを放り出した時。 


 修士号を終わって1年半。 ピアノを弾いて教える、というだけではない人生、やっと見えてきました。 まだまだ私の中でだけだけれど、でも、今はおもしろいほど色々なことが湧き上がってくる。 


 今年もあと2週間。 来年から色々とやる為に、どうせクリスマスも一人だし、構想を練ることにします。