タイトルはまだ決まっておりません(仮)

タイトルはまだ決まっておりません(仮)

クロさんのSS書き溜め小屋。
色々書いてます。

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Side Mariko


mariko
@kojiharu ニャーローっ ( *`ω´)八(бвб)

kojiharu
@mariko なにー?(бвб)

mariko
@kojiharu 大好きだ!君が大好きだーっ( *`ω´)八(бвб)


篠田は毎日のようにニャロと絡む。
篠田絡みのこと呟いてたら、何があってもすぐに返信するし
ニャロが振り向いてくれなければ何度もアタックするんだ。

ねえ、何でだかわかるかなぁ
篠田がニャロに執着するの。
こんなに人に執着したこと無いんだよ?篠田は。

それでもきっと君は笑ってこう言うんだ。
「ほんっとに、麻里ちゃんはこじぱのこと好きだよなー。」
たった、それだけで。

もっと、怒ってよ。
「陽菜は私のものだ、必要以上に絡むな」
って。
「Twitterであってもこれ以上絡んだら、どうなるかわかってる?」
「盛りのついた雌猫め」
そう罵ってよ。


ねえ、ゆっぴー。


篠田がプライベートで関わってもらえるなんて
それくらいしかないんだから。
だから篠田をもっとけなして。
かまってよ。
お願い、優子。
こんなに、人に執着したこと、ないんだよ。篠田は。




Side Haruna

陽菜ね、知ってるんだ。
麻里ちゃんが優ちゃんのこと、好きだって。
どんなに、陽菜にTwitterで好きって言ってくれても
それは全部優ちゃんのためだって。

だってね。
収録の時とか、控え室とか。
陽菜気づいてるよ?
麻里ちゃんの視線の先にはいっつも優ちゃんがいるって。
刺さるような視線で、優ちゃんを見つめてるって。

麻里ちゃんは悟られないようにしてるけど、
陽菜はそんなこともわからないほど、鈍くないもん。

でもね。
それでもいいの。
陽菜のこと少しでも「好き」って言ってくれるなら。
そのきれいな瞳に映るのは陽菜じゃなくても。

「大好き」

そのたったひとことのためなら
陽菜は恋人すら利用するよ。


陽菜、ほんと、わるいこ。


Fin
フジノ「ねー、みこのん身長何センチだっけ?」
ふと思い立って、身長を尋ねる。
みこの「え、157センチだけど。」
フジノ「・・・」
嘘だ。絶対。
みこの「なんで黙るんだよ」
フジノ「ないわー、絶対無いわ。156っしょ」
うん、絶対156センチ。何度も並んで歩いたことあるし、キスしててもそう感じるのだ。
みこの「157!」
フジノ「156でしょ。だって私がかがまないとキスとどかないじゃん」
からかうつもりなどなかったけど、ついついやってしまう。
だってムキになって反論するみこのんが可愛いから。
みこの「もういい。」
・・・・・・・
フジノ「ねぇ、みこのん」
みこの「・・・」
あれ、流石に怒ったのかな。
フジノ「みこのちゃーん」
みこの「・・・」
少し不安になる。
フジノ「みこの・・・?」

・・・ちゅ

みこの「ほら・・・届くじゃん」
フジノ「・・・バカ」

私たちの愛は、いともたやすく身長を飛び越える。
光が見える
栄光を掴み取った7人の少女たちが、ぼんやりと映る
その中心に立つ女神は・・・

そして私は・・・堕ちていく
深い深い闇に囚われ、どこまでも
抗っても、手を伸ばしても、光に触れることすら叶わずに
底へ底へと、沈んで・・・




ぐわぁっ、と意識が引き戻された。
部屋の時計は午前2時を回っていた。

・・・夢、か。

乱れた髪をかき上げると、頬を伝う涙に気づかされる。
本当に、夢で良かった。
私は、ひとつ深く、呼吸をついた。
夢とは言え、質感からなにから、リアルと全く同じように、感じられた。

次の総選挙は、AKB史上最大の規模になるだろう。
その時私は、今と同じ位置に留まって居られるのだろうか。
指原の勢いが凄まじいし、板野の返り咲きだって十分考えられる話だ。
それだけではない、SKEやチーム4の猛攻も。
私に、それが耐えられるのだろうか。
そして神7落ちしたその時、私にキャプテンの資格は、あるのだろうか。

そんなことを考えると、また涙がこぼれた。
情けない。
仮にもAKBをまとめるキャプテンなのだ、私が弱くてどうする。
そう言い聞かせても、塩辛い液体はとめどなく落ち続けた。

これ以上、離れたくない。
ふっとキャプテンのプライドとは、AKBとしての意識とは無関係な言葉が浮かぶ。
あの人に離されたくないの。

・・・優

えぐ、と嗚咽が漏れる。
私と違って、センターに限りなく近い所にいる彼女。
仕事だろうが、プライベートであろうが、
傍に居たい。
いつ何時であっても隣にいるのが自分でありたいと願うのは
私の我が侭なのだろうか。

その時、
耳が部屋のDVDプレイヤーが作動しはじめる音をとらえた。
あぁ、そういえば今日は彼女がテレビ番組にゲスト出演する日だったか。
止まらぬ涙をパジャマで拭いながら、私はテレビをつけた。
暗闇の中、テレビが私の事情など素知らぬ顔で楽しそうな様子をうつしだす。
夜のネオンのように、テレビ画面の明かりが目に痛く突き刺さる。

その中に、彼女はいた。
楽しそうに司会者の男と談笑している。
いつか私から離れてってしまうのだろうか
仕事だけでなく、プライベートでも。
AKBという恋愛における枷から解放された時
私の知らないところへと、羽ばたいてしまうのだろうか。

先の悪夢以上の、悪夢が私を襲った。
見知らぬ男と居る優
見知らぬ男と口づけを交わす優
見知らぬ男と・・・

吐き気がする。
それが普通で、当たり前だとわかっていても。
今の私には叫び出したいほど、辛く悲しい。
テレビの中ではあの人が八重歯を見せて笑う。
どうしてあの笑顔は私だけのものにならないのだろう。

「…すけて……」
優――



AKBという狭い狭い保護区がなければ
彼女と共には居られない自分が悔しくて
漏れ出る声を、枕で圧し殺して泣いた。


ガチャリ
ドアの開く音がした。
「鍵、あいてたぞ」
聞きなれた、声。
テレビの中で目を細めて笑うあの人の声が、重なって、消えた。
「しっかり防犯しろよー?仮にも芸能人なんだから。」

ああ、あの人だ。

少しずつ、でも着実に近づいてくる。私の居る部屋へ。
でも、どうして今ここに。
そう聞きたくても、嗚咽が漏れるばかりの私の口からは、まともな言葉も発されなかった。
そんな私の考えを読み取るかのように、あの人は言う。

「その番組、録画だからな。ていうか、恥ずかしいから消すよ?」
そう言うと、あの人はリモコンに手を伸ばす。
あの人以外の気配は、全て消えた。
そのせいか、全てが自分のことのように、感じられた。
ほんの微かな動きも、息づかいでさえも。

「…んで…来たの…?」
優――

上手く言葉にならない。
声が掠れてしまう。

「SOS、出したでしょ?」

そう言うと彼女は、不器用に私を抱きしめた。
「みな」
不意に名前を呼ばれる。
それだけで身体の芯から熱くなる。
「泣いていい。でも声あげて泣くのは、あたしの前だけにしな?」

優――
優――――
私は、まだ傍に居ても、良いのかな。

私の心に呼応するように、彼女は私を強く抱きしめた。

深夜であることも忘れ、私は大声で泣きじゃくった。



                              Fin