数学小ネタその9~三角関数の積分 | メイブレラン潟さんのブログ

数学小ネタその9~三角関数の積分

空いちゃいましたが、数学小ネタです~~
いや~みなさんにリミットのパズルを堪能してもらいたくて~(殴
今回から話は変わります。リミットは前回までです。

今回は三角関数の積分の話です。
微分の時に三角関数やりましたよね~w
積分は微分の逆です。つまり微分したものを積分すれば元に戻ります。
数学Ⅱやった人は分かると思いますが、積分はx軸に下ろした垂線を足したものです(全部x軸より上に関数があれば面積)

え…三角関数だけ?指数関数や対数関数はやらないの?
こんな声がありそうですね~
いやwやってもいいんですが…
指数関数つまらないよ…(ぇ
だって練習問題にあったけどexを微分してもexやんww
だったらexの積分はexになりますwはい終わり。つまんないでしょ?
対数関数は今度は複雑になります。
だって微分してlogxになる関数って思いつかないでしょ~?
もうこの時点で複雑orz


さて、三角関数の微分だが…
その前に積分の公式を2つ…

微分の時に合成関数の微分の公式やりましたよね~
y=h(x)
y=f(t)
t=g(x)
としたら
h'(x)=f'(t)g'(x)
ってやつですよねww
これを逆に利用して積分の式を考えます。

さっき積分は微分の逆だと言いましたので
h(x)=∫h'(x)dx
とかけます。

あw積分の記号についてですが…
∫とdxで1セットです。
これで微分の逆の積分を表します。
実は積分にはもう1つありまして…
abf(x)dx
とかいてaからbまで積分するという意味になり、積分した後の関数にbを代入したものからaを代入したものを引き算します。
記事ではズレてますが、実際はaとbの横の位置はほぼ同じです。
2つの関数で挟まれた部分の面積を出す時などによく使います。上にある関数からx軸までの面積から下にある関数からx軸までの面積を引く。という感じですねw
aとかbとかついている方を定積分といい、ついていない方を不定積分といいます。
定数を微分すると何でも0になってしまうので積分した式には何か定数をつけるのが決まりです。
普通は+Cを積分した式につけて積分定数と呼んだりします。
ただし定積分の場合は引き算してしまうのでCはつけなくて良いです。
だから不定積分なんですね~

ここで戻ると
h(x)=∫h'(x)dx
だからこのh'(x)にh'(x)=f'(t)g'(x)を代入します。
h(x)=∫f'(t)g'(x)dx
しかしf'(t)はtの関数ですね~
いやwこれはh'(x)の部分をf'(t)にした。つまりxの関数だったものをtと置き換えた。ということになります。
だからg'(x)dxの部分をg'(x)dtとしてtで積分する…ってやれば計算ができます。むろんこんな置き換えしても元に戻れるから一緒です。

あと注意したいのはxで積分→tで積分となったので定積分で代入する値もtの値じゃないとおかしくなります。ここら辺は微分と同じですが念のため^^

以上まとめると…
y=h(x)
y=f(t)
t=g(x)
として…
h(x)=∫h'(x)dx=∫f'(t)g'(x)dx=∫f'(t)g'(x)dt
つまり、なんか積分する形の一部分(もしくは全部)をt=f(x)で置いて、完全にtの式にしたらおいたtの式をxで微分してf'(x)を求めてそれを逆数にしてあとはtで積分。ってことですねw(逆数にするのは上の式のg'(x)をtで表すため)
逆数にしたf'(x)をtで表して一緒に積分することをお忘れなく^^

あるいは逆にt=f(x)をxについて解いてtで微分して元の式にかける。というのでもいいですね~
割り算より掛け算の方が楽だからこっちの方が良いかな?w

教科書ではいっぺんに書いてあるから何かごちゃごちゃして複雑そうでこんな式覚えて使うの大変そう~だと思っただろうと思いますが、書いてみるとただ置き換えをしているだけなので簡単ですね?

これを置換積分の式といいます。式を覚えるんじゃなくてやり方を覚えてください。

次はまた別の積分の式を…
今度は積の微分の式を使います。
積の微分の式は…
(f(x)g(x))'=f(x)g'(x)+g(x)f'(x)
でしたよね~
これをf(x)g'(x)について解きます。
f(x)g'(x)=(f(x)g(x))'-g(x)f'(x)
両辺をxで積分します。
∫f(x)g'(x)dx=∫(f(x)g(x))'dx-∫g(x)f'(x)dx
積分は微分の逆ですから足し算はバラせますw
そして∫f'(x)dx=f(x)ですから…
∫f(x)g'(x)dx=f(x)g(x)-∫g(x)f'(x)dx
となります。
これを部分積分の形といいます。
使い道としては何か掛け算の形になった関数を積分する時に片方を部分的に微分してもう片方を部分的に積分した掛け算の関数が積分しやすい形になる時に使います。
つまり∫g(x)f'(x)dxが計算しやすければ使ってお得。ってわけですなww

実はlogxの積分もこれを使ってやりますw
え?logxって掛け算になってないじゃん?
まあそうですが…
なんと無理矢理logxを1とlogxの積になっている。なーんてみるんですね~w
1を積分するとxでlogxを微分すると1/xだから掛け算すると1になって積分しやすいんですよね~w
もちろん三角関数の微分にも使います。

さて、長い長い前置きはここで終わっていよいよ三角関数を積分したいと思います。
三角関数と書きましたが、厳密には三角関数のn乗です。

まあまずは簡単な1乗からwそれそのものですねww

三角関数の微分のところで次の式出しましたよね?
(sinx)'=cosx
(cosx)'=-sinx
これを逆に利用してサインやコサインの積分を求めます。
まずはサインから。
∫sinxdxですね?
(cosx)'=-sinxだから…
∫sinxdx=∫-(cosx)'dx
積分して微分しているので積分記号と微分記号が外れて…
∫sinxdx=-cosx
っと…
おっとw不定積分だから+C忘れないように…
∫sinxdx=-cosx+C

これで完成。たいしたことないですね?w
コサインも同じようにやればいいですw

ではタンジェントは…?
これは置換積分を使います。
h(x)=∫f'(t)g'(x)dx=∫f'(t)dt
でしたよねw

tanx=sinx/cosxだからt=g(x)=cosxと置きます。
するとうまいことg'(x)=-sinxとなって、これは分子にマイナスをつけただけになってますw
よってtで置き換えると…
∫tanxdx=∫(-1/t)dt
微分して1/xの形になるものといえば、さっきやりましたよねw
logxですねw
よって(logx)'=1/xを代入して…
∫tanxdx=∫-(logt)'dt
これで出せますねw
∫tanxdx=-logt
tを戻すのをお忘れなく^^
∫tanxdx=-log|cosx|
logxは真数条件がついているのでお忘れなく^^
これでサインコサインタンジェントの積分が出せましたww

次はそれらの2乗やってみましょうかw
積分は足し算は得意だけど掛け算が苦手です。なのでなるべく掛け算を避けるように変形したいものです。

ここで復習。
三角関数の半角の公式って覚えているかな…?
忘れた人は加法定理でコサインの2倍角の公式を出して、それをsin2x+cos 2x=1を使ってsin2xだけの式、cos2xだけの式に変形してそれぞれsin2x、cos2xについて解いてください。解いた結果が半角の公式です。

ここでは結果だけ…

sin2x=(1-cos2x)/2
cos2x=(1+cos2x)/2
これらを使ってサインやコサインの2乗の積分の公式を出します。

まずはサイン
∫sin2xdx=∫{(1-cos2x)/2}dx
大丈夫ですね?公式代入しただけです。
ここでt=g(x)=2xとおけばg'(x)=2で定数だし解けそうですねw
練習問題にしますので各自でやってみてください(笑)

さらにコサインの2乗の方も全く同じ方法でできますのでそれも各自で(殴

いや~やらないと忘れますってwマジだよww
漢字と同じ。書かないと忘れる。
まあ数学はどうやって出すかが大事だけどねw

んじゃタンジェントは?
いやwタンジェントは…
高校1年生の時にタンジェントの2乗出てくる式習ったよね…?
tan2x+1=1/cos2x
コレ…w
あとはコレを使って積分…と言いたいところだが。
微分したら1/cos2xになる関数知ってる?
なんとtanxです。えぇ~!!と思った人、tanxを微分してください。
というわけで(tanx)'=1/cos2xを使ってタンジェント2乗の積分を出してみましょ~~w(また練習問題に回します)

次は3乗~~~
ちょっと大変だけどがんばりましょ~~~
3乗にもなると今度は置換積分の公式を使います。
まずはサイン。
∫sin3xdx
もう見ただけでやりたくないですね~(ぇ
でもあきらめずにやりましょう。すぐにあきらめないことが成功の秘訣ですw
まずはサインの2乗と1乗に分けて2乗の方をsin2x+cos2x=1を使ってコサインに変えます。
∫(1-cos2x)sinxdx
みんなが気になるのはおそらくcos2xsinxの方だと思います。sinxは積分すると-cosxなので…
t=g(x)=cosxとおきます。するとg'(x)=-sinxとなってうまく積分できますね?w(てかタンジェントでやったのより楽)

コサイン3乗も同様。

タンジェント3乗は…
めんどくさいけどやる~?(すぐにあきらめないことが成功の秘訣って書いたの誰だ)
2乗の時と同じようにtan2x+1=1/cos2xを使います。
∫tan3xdx=∫{(1/cos2x)-1}tanxdx
サインの時と同じです。目がいくのは(1/cos2x)tanxの方。tanxの積分はもうやりましたからww
(1/cos2x)tanx=tanx/cos2xですね~
tanx=sinx/cosxだからとりあえずバラしてみると…
sinx/cos3x

なんかニヤリとしたくなる形ですね~(ぇ
t=g(x)=cosxとおくと…
もう分かったかな?
分かったら後は自力でやる!
ちなみに(1/x2)'=-2/x3ですw

次は4乗…の前に
マイナス1乗。つまり逆数ですねwこっちを先にやっちゃいましょうw
まずは簡単なタンジェントのマイナス1乗から。
tanx=sinx/cosxだから1/tanx=cosx/sinxですねw何も問題無いですね?
タンジェントの時と同様にt=g(x)=sinxとおきます。するとg'(x)=cosxですから∫(1/tanx)dx=log|sinx|+Cと出てきます。

次はサイン。
∫(1/sinx)dx
cosxを出すために分母分子にsinxをかけます。
∫(sinx/sin2x)dx
sin2x+cos2x=1なので
∫{sinx/(1-cos2x)}dx
ここでt=cosxとおきます。するとうまいこと・・・てか最初からこうなることを狙ったので当たり前といえば当たり前ですが
∫{-1/(1-t2)}dt
分母を部分分数分解して後は分母をまたsとか置いて積分して終わりです。各自やっておいてください。

次はコサイン。これはひらめきが必要。
∫(1/cosx)dx
なんと分母分子に(tanx+1/cosx)をかけます。
1/cosxをかけるのはtanxの微分なのでなんとなく分かりますが・・・tanxは?
tanx=sinx/cosxなのでtanx/cosx=sinx/cos2xです。
おやwどこかで見たような形ですねwwt=g(x)=cosxとおくと・・・(ぁ
実はこれは1/cosxの微分となっています。だからうまくかみあうんですねww
∫{(tanx+1/cosx)/cosx(tanx+1/cosx)}dx
ちょっと書き直しますかw
∫{(tanx+1/cosx)/cosx(tanx+1/cosx)}dx=∫[{(tanx/cosx)+(1/cos2x)}/(tanx+1/cosx)]dx=∫{(tanx+1/cosx)'/(tanx+1/cosx)}dx
分かりにくい時はtanx+1/cosx=tと置いて考えてください。後は簡単なので各自ww

さて、次はマイナス2乗もやりますかw
てかコサインのマイナス2乗はもうやりましたね?w(ぇ
(tanx)'=1/cos2xでしたから・・・
∫(1/cos2x)dx=tanx+C
ですねw
サインのマイナス2乗はどうでしょうか・・・?
∫(1/sin2x)dx
分母分子コサイン2乗で割りますwタンジェントの加法定理を出す時と同じですねw
∫{(1/cos2x)/(sin2x/cos2x)}dx
tanx=sinx/cosx・・・ってもう常識か(笑)
∫{(1/cos2x)/tan2x}dx
分子はtanxの微分ですねwということはt=tanxとおいて・・・(あとは自分でやれよ)

サインとコサインができたのでタンジェントもやりますかw
∫(1/tan2x)dx
tanx=sinx/cosx♪
∫(cos2x/sin2x)dx
=∫{(1-sin2x)/sin2x}dx
=∫(1/sin2x-1)dx
あとはサインの積分を代入すればいいだけですね(ぁw

次はマイナス3乗・・・ですが
ただでさえ長い文章になっているのでさすがに3つやるのは・・・(ぁぁ
というわけでコサインだけやります(ぇ
∫(1/cos3x)dx
これは部分積分を使います
∫(1/cos3x)dx=∫(tanx)'(1/cosx)dx
まあいいですねw例の公式ですw
ここで部分積分を使います。
部分積分は・・・
∫f(x)g'(x)dx=f(x)g(x)-∫g(x)f'(x)dx
でしたね?w
f(x)=cosx、g(x)=tanxとおけば公式通りw
∫(1/cos3x)dx=tanx/cosx-∫(tan2x/cosx)dx
省略しましたが、1/cosxの微分はtanx/cosxとなります。各自で計算しておいてください。(てか前に問題出した気がするが)
tan2x+1=1/cos2xより
∫(tan2x/cosx)dx=∫(1/cos3x-1/cosx)dx
おや・・・?また∫(1/cos3x)dxが出てきちゃってますね;;
I=∫(1/cos3x)dxと置きますかw
すると元の式は・・・
I=tanx/cosx-∫(tan2x/cosx)dx=tanx/cosx-∫(1/cos3x-1/cosx)dx=tanx/cosx+∫(1/cosx)dx-I
つまり
2I=tanx/cosx+∫(1/cosx)dx
ですねw
あとはこれを計算してIを求めるだけです。∫(1/cosx)dxはさっき求めましたよね?w
サイン・タンジェントについても同様にやれば良いです。

長くなりましたが今回は少し難しめの練習問題をつけておきます。
ここがどーしても分からんから解説お願いしますm(__)mというコメント歓迎ですので挑戦してみてくださいw
[演習問題]
fn(x)=∫sinnxdx、gn(x)=∫cosnxdx、hn(x)=∫tannxdxとする
(1)f-1(x)、g-1(x)、h-1(x)を求めよ
(2)f2(x)、g2(x)、h2(x)を求めよ
(3)f3(x)、g3(x)、h3(x)を求めよ
(4)f-2(x)、g-2(x)、h-2(x)を求めよ
(5)fn(x)とgn(x)についてn>0としてそれぞれnについての漸化式を作れ(北海道大学の過去の入試問題にあります)
(6)fn(x)gm(x)をn>0、m>0でnとmとxの式で表せ
(7)q(x)=logxとする。∫q(x)dxを求めよ