どうにも書きにくいので自分の得意分野で書き進めます。
近頃、マンション強度の偽装問題が表に出てきていますね。
本当はソースを提示するべきなのでしょうが、ニュース等はリンク切れになってしまいますので自分なりに探してみてください。と言っても最近では毎日報道されていますが。
マスコミ等は盛んに保障はどうする、今後はどうなると言っていますが私はあえて工学的観点から見ていきます。その方が書きやすいので。
まず、耐久の問題ですが、ニュースでは震度5強程度の地震で崩壊するとの報道がされていました。これは一般的な方の見方としてはどうなんでしょう?なんというかとんでもない設計数値なんですよねぇ。知らない人のために説明いたしますと建物や橋等を作る時は設計前に当然計算します。例えば橋を例に取るならば、橋の自重、橋全体に自動車が載った場合の予想重量に絶えられる柱を立てなければなりません。それに加え日本は困ったことに台風、地震、火山大国です。事前に地域の気象条件を想定して、それにも耐えられる設計をします。しかし、それだけでは当然不十分です。さらに老朽化の問題を考えなければなりません。建築物によって耐久年数は様々ですが、一般的建築物は30年を目安としています。つまり、その建築物が30年後も同様の条件に耐えられる状況でなければならない訳です。橋の建て方にも前後しますが、単純な重量が耐えられる10倍から20倍の設計数値になることもざらです。ちなみに想定される数値全てを掛け合わせた数値だけでは十分ではありません。建築物のみならず、機械、おもちゃ全ての製作物には安全係数といった値が掛けられます。建築物の場合は5か6程度です。(飛行機などの事故=死などの環境では10~20もありうる。)
しかし、実際には上げれば良いと言うのも間違いです。例えば柱の直径寸法が予想の倍などになったらコストは4~5倍は掛かると見て間違いありません。材料費、生産コスト、人件費全てに影響を及ぼすからです。そのため企業は安くて強力な製品を作るために日夜努力をしているわけです。自動車などの独特のフィルムもそういった努力の現われです。
そこで本題に戻りますと、建築基準では震度7程度の地震まではどの建築物でも耐えれるような設計にしてあるはずです。これは全くの無傷というわけでなく、建築物自体にそれなりの被害は出るが、内部にいる人々は無事ってレベルです。例えば、一階部分が潰れたとかはNGです。良質の建造物は震度8ですら、機能を失うことはないと言われています。(例えば原子力発電所は震度8どころかミサイルを打ち込まれても大丈夫なように一応作られている。)もっとも震度8レベルの地震のエネルギーの凄まじさは人間には想像しがたく、100年レベルでの災害なので、そこまで考慮しろと言うのは酷な話です。また、話がそれました。
しかしですね、現状で震度5程度の地震で倒壊すると言われる建築物を作るのは論外です。正直な話、建築物ならではって感じです。まず、災害が起きないと問題が出にくい。更に素人が見ても分からないってところがポイントです。たとえ専門家でもコンクリートで固められた表面を見ただけで分かる人などいません。
問題なのは中身です。まさにハリボテの建造物ですね。
最後に忠告しましょう。
こんなものは氷山の一角に過ぎません。実に様々なところで似たような事が起きていると思って間違いありません。特に個人住宅には注意が必要です。もし心配ならば市や県に建築関係の監察官などがいるはずですから、聞いてみると良いと思います。問題が浮き彫りになってますからそういった機関の活動も活発なはずです。
うむ、やはり自分よりの記事は書きやすい。