西国巡礼紀行 -岡寺- & 飛鳥路を行く
当たり前のことなのに、すっかり忘れていたこと。
京都より奈良のほうが古い歴史があるわけです。
平安京は「ナクヨうぐいす」で794年。
平城京は「ナント大きな」で710年。
そして「無事故(ムジコ)の世作り・大化の改新」で、
飛鳥の里の周辺は645年前後と、もっともっと古いのです。
先日、飛鳥周辺をレンタサイクルでプチ旅行してきました。
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飛鳥寺は日本で最も古い本格的な寺だそうで、
創建は蘇我馬子によるものだそう。
しかも、この大仏さまは今年1401歳を迎えたとのこと。
この場所から一歩も動かず、
1400年間も日本の歴史を見続けてきた有難い仏様なのです!
長くてめちゃめちゃ急な勾配を登りきったところにあります。
厄除けのお寺として有名だそうで、
書かれていた男性の厄年…、あ、僕もそうだったんだ。
(もう8か月も過ぎてしまった…!)
聖徳太子誕生の地とも伝えられる、橘寺にも行きました。
フヨウの花が鮮やかに開いてて、
雲と空とのコントラストが本当にきれいでした。
岡寺は比較的新しいですが、
飛鳥寺や橘寺は飛鳥時代の創建だけに、
当時の伽藍があまり残ってはいないようです。
でもそんななかにも当時を思わせる仏像や建造物があり、
はるか1400年前に遡る日本文化の原点を垣間見た気がします。
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飛鳥といえば、さまざまな古墳や遺跡も見どころのひとつです。
最近の研究で、大化の改新の少しあとのころ、
女帝・斉明天皇が祭祀を行った場ではないか、と考えられているそうです。
飛鳥寺から自転車でものの数分。
飛鳥宮の北東側に位置する場所で、とても重要な場所だったようです。
どうも、ここで禊(みそぎ)をして、山に入り御祈祷をする、という場所らしい。
今でもこんこんと水が湧き出していて、
「六甲のおいしい水」と成分的にはひけをとらないくらいとのこと。
暑い中で手にすくって飲んだ冷たい水は、本当においしかったです。
蘇我馬子の墓とも伝えられる「石舞台古墳」。
よくもまぁこんな大きな岩を運んで積み重ねたと思うほど。
さながら「和製・ストーンヘンジ」です。
かつてはしっかり盛り土がされていたはずですが、
今では石が露出してしまっているらしいです。
田んぼの向かいにさりげなく置かれている大きな石造物です。
かつて大和の国と当麻の国との境界(?)に置かれていた、とか。
古代の建造物には、今では目的がよくわからないものが多いのも、
なんだかロマンというか、好奇心をくすぐられますよね…。
石室内の壁画で有名な「高松塚古墳」は修復工事中でした。
展示館の壁画のレプリカはまさに圧巻。
朱雀・白虎・青龍・玄武といった四神(各方角を守護)や
星宿(中国の星座)、飛鳥時代の衣装を身にまとった人たち…。
盗掘やいろんな影響で漆喰が剥がれている部分があるのは本当に残念ですが、
ありきたりな言葉ですが「飛鳥美人」の絵を前に、
教科書で習った「歴史」と、僕たちが生活している「今」との距離が
急激に縮まったなぁ、つながってるんだなぁ、なんて感じました。
まさにここで、1400年も前には政治が行われて、日本の原型を形作った。
そう考えると、なんだか急に、聖徳太子さんが身近な存在にさえ思えてきます。
(……僕の記憶には、一万円札は「福沢諭吉」しか覚えていないのでなおのこと…)