ああ、コバ… | 柏 英樹のハーフタイム

ああ、コバ…

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ブログご無沙汰致しました。先週のラジオゲストはラグビー、サントリーサンゴリアスの佐々木隆道主将、そして本日は巨人の代打の切り札、大道典嘉選手。
二人については後日じっくり触れるとして、まずショックなニュースから。

巨人、阪神でエースとして活躍した小林繁さんが昨17日心不全で急逝された。まだ57歳の若さで…

小林さんとは巨人にいたころから仲が良く今年も年賀状をやりとりしたばかり。

日本ハムの一軍投手コーチに就任し「気持ちの入ったピッチャーを作ります」「期待してるよ」といったやりとりを交わしていた。

小林、いやコバを悼んで報知新聞に寄稿したものをここに掲載します。

ー — ー — ー ONが男性ファンの心をとらえたスーパースターなら小林繁は女性を野球に引き付けた投手だった。細身の体に甘いマスクはそのままモデルにしてもおかしくなかった。
実際、当時の「月刊ジャイアンツ」の表紙やグラビアでの扱いは一番多く、高田繁と合わせ「二人の繁」という連載を書かされた記憶がある。
実力も一級品。全身バネのかたまりといった感じで躍る姿は「細腕繁盛記」と称された。79年春、前年優勝を逃した巨人・長嶋監督は自主トレでの小林を見て「今年はコバで日本一を味わえるぞ」と言ったものだ。
ところが,江川問題の余波をもろにかぶり、キャンプ直前に阪神へトレード。荷物だけが宮崎に届く残酷なドラマにも「俺が阪神に行けば騒ぎは納まるんでしょ」とグチひとつこぼさず去っていった。

そしてその年、巨人に8連勝したのをはじめ22勝(9敗)をあげ、意地をみせる。不言実行。外見からは想像できない骨っぽい男だった。
この頑張りがたたったか、翌年ヒジを壊す。それを聞いた長嶋監督が「かわいそうに。コバのヒジを治してやれ」と巨人時代のトレーナーを内緒で派遣。「嬉しかった。巨人への恨みつらみは一気に消えた」と小林が感激して言ったのが昨日のことのようだ。

打者の構えを見てバスター攻撃を見抜くなど、技術解説も鋭かった。そんなすべてに強い男が、こんなにあっけなく…。
コバ、どうしちゃったんだ!
(写真は77年宮崎キャンプの休日に王さんと小生と小林さん=左から=でパチリ)