スーパーに買い物に行く。


娘がリクエストした春巻きを買おうと、

惣菜コーナーへ。


すると、初老のおじさんが、ウロウロしてた。


ピンと来た。

彼も揚げ物の単品を買おうとしてるが、

入れ物が見当らないのだろう。


このスーパーの惣菜コーナーは

使い捨ての薄いプラ容器ではなく、

紙と透明のプラシートを貼り合わせた袋が

用意されている。


この袋が、実はパッと見では

何かわからないので、

困っているのだろうなあと推測した。


私はおじさんの横に立って、

立てて置いてある袋の束から

一枚を引き抜いた。

行動で示そうと思ったからだ。


おじさんは、

「ああ、それに入れるのかね~」

と声を上げた。


私は、自分に何かを言ってくるとは

まったく想定してなかったので、

すっかりドギマギしてしまって、

うつむいたまま、「そうそう・・・」と

消え入るような声で返事するのが精一杯。


自分の買うものをトングで袋に入れたあと、

私は逃げるように、そそくさと立ち去った。


頭の中で

「おじさんに失礼じゃなかったか?

 せめて目線を合わせて、ほほえむか、

 うなづくくらい、できたらよかったのに。」

と、ぐるぐる反省した。


次は、話しかけられる可能性もあることを

想定しておこう・・・。


それにしても、理想は遠いなぁ。