英語圏以外のアーティストによる1位曲は? | KARL 南澤の「考えるSHIT!」

英語圏以外のアーティストによる1位曲は?

#204


 前回“ナンバー・ワン・ソングのカヴァー

(その9)”の中で、英語以外の言語で歌われた

1位曲としては、“Sukiyaki”が「Hot 100」史上

2曲目の快挙であると記しました。

ご存じの通り、ビルボードのチャートは

あくまでも米国内でのシーンの動向を

反映したものなので、英語で歌われた楽曲が

主にチャート・インしてくるのは当然でしょう。

もちろん非英語圏の楽曲でも、何かのきっかけで

大衆に支持されれば、チャート上にエントリーしてきて、

場合によってはトップまで登りつめることは可能です。

“Sukiyaki”みたいな例が典型的ですが、

ただしやはり非常に稀なケースであるのは

否定できません。

非英語圏のアーティストが自国語そのままで

ビルボードのナショナル・シングル・チャート

「Hot 100」のトップを獲得することは、

かなりな至難の業ということなのです。

ただし非英語圏のアーティストが

“英語”で歌った場合、あるいは“インストゥルメンタル”

の場合は、ヒットの確率がグッと上昇することは

言うまでもなく、そのような例は皆さんも

ひとつふたつは思い浮かべられるのではないでしょうか。

まあ、アメリカ進出に向けて、

延いては世界制覇に向かうに際して、

“英語”で歌うことが自国語で歌うことよりも

結構な近道であるのは自明の理ではありますが。

それでは、これも良い機会なので、

“非英語圏アーティストによるナンバー・ワン・ソング”の

歴代全てを紹介してましょう

(英語圏とは、米国はもちろん、

イギリス/アイルランド/カナダ/オーストラリア各国とします)。

自国語の場合はもちろん、英語・インストも含めて

紹介いたします。

筆者はこれを調べるにあたって、全楽曲1曲ずつ

見ていってますが、もし漏れがあるようでしたら、

ぜひとも一報いただけると嬉しいです!;


1.“Cherry Pink And Apple Blossom White”

   /Perez Prado(55年)

  ⇒キューバ/インスト

2.“Patricia”/Perez Prado(58年)

  ⇒キューバ/インスト

3.“Volare(Nel Blu Dipinto Di Blu)”

   /Domenico Modugno(58年)

  ⇒イタリア/イタリア語

4.“Wonderland By Night”/Bert Kaempfert(61年)

  ⇒ドイツ/インスト

5.“Calcutta”/Lawrence Welk(61年)

  ⇒ドイツ/インスト

6.“Sukiyaki”/Kyu Sakamoto(63年)

  ⇒日本/日本語

7.“Dominique”/Singing Nun(63年)

  ⇒ベルギー/フランス語

8.“Love Is Blue”/Paul Mauriat(68年)

  ⇒フランス/インスト

9.“Grazing In The Grass”/Hugh Masekela(68年)

  ⇒南アフリカ/インスト

10.“Venus”/Shocking Blue(70年)

  ⇒オランダ/英語

11.“Hooked On A Feeling”/Blue Swede(74年)

  ⇒スウェーデン/英語

12.“Kung Fu Fighting”/Carl Douglas(74年)

  ⇒ジャマイカ/英語

13.“Fly, Robin, Fly”/Silver Convention(76年)

  ⇒ドイツ/英語

14.“Dancing Queen”/Abba(77年)

  ⇒スウェーデン/英語

15.“Medley~”/Stars On 45(81年)

  ⇒イタリア/英語

16.“Chariots Of Fire”/Vangelis(82年)

  ⇒ギリシャ/インスト

17.“Take On Me”/A-Ha(85年)

  ⇒ノルウェイ/英語

18.“Miami Vice Theme”/Jan Hammer(85年)

  ⇒チェコスロヴァキア/インスト

19.“Rock Me Amadeus”/Falco(86年)

  ⇒オーストリア/英語

20.“La Bamba”/Los Lobos(87年)

  ⇒アメリカ(ヒスパニック)/スペイン語

21.“The Look”/Roxette(89年)

  ⇒スウェーデン/英語

22.“Baby Don't Forget My Number”

    /Milli Vanilli(89年)

  ⇒ドイツ/英語

23.“Girl I'm Gonna Miss You”/Milli Vanilli(89年)

  ⇒ドイツ/英語

24.“Listen To Your Heart”/Roxette(89年)

  ⇒スウェーデン/英語

25.“Blame It On The Rain”/Milli Vanilli(89年)

  ⇒ドイツ/英語

26.“It Must Have Been Love”/Roxette(90年)

  ⇒スウェーデン/英語

27.“Joyride”/Roxette(91年)

  ⇒スウェーデン/英語

28.“The Sign”/Ace Of Base(94年)

  ⇒スウェーデン/英語

29.“Here Comes The Hotstepper

  (From "Ready To Wear")”/Ini Kamoze(94年)

  ⇒ジャマイカ/英語

30.“Macarena(Bayside Boys Mix)”

    /Los Del Rio(96年)

  ⇒スペイン/スペイン語(一部英語)

31.“Livin' La Vida Loca”/Ricky Martin(99年)

  ⇒プエルトリコ/英語

32.“Bailamos”/Enrique Iglesias(99年)

  ⇒スペイン/英語

33.“Be With You”/Enrique Iglesias(00年)

  ⇒スペイン/英語

34.“Get Busy”/Sean Paul(03年)

  ⇒ジャマイカ/英語

35.“Temperature”/Sean Paul(06年)

  ⇒ジャマイカ/英語

36.“Hips Don't Lie”/Shakira feat. Wyclef Jean(06年)

  ⇒コロンビア/英語



<参考曲>

・“Before The Next Teardrop Falls”

   /Freddy Fender(75年)

  ⇒メキシコ系アメリカ/英語&一部スペイン語


以上の一覧を見ると、

英語以外の言語のみで歌われた1位曲は、

・“Volare(Nel Blu Dipinto Di Blu)”

   /Domenico Modugno(58年)

  ⇒イタリア/イタリア語

・“Sukiyaki”/Kyu Sakamoto(63年)

  ⇒日本/日本語

・“Dominique”/Singing Nun(63年)

  ⇒ベルギー/フランス語

・“La Bamba”/Los Lobos(87年)

  ⇒アメリカ(ヒスパニック)/スペイン語

これら4曲だけということになります。

イタリア語、日本語、フランス語、そして

スペイン語。見事に各言語にバラケていますが、

およそ55年のロック・エラで4曲・・・

10年に1曲も出現しないという頻度なので、

やはり至難の業ではありますねえ。

ただし“La Bamba”以来およそ24年の

長きにわたって生まれていないので、

そろそろ狙い目であることは確かでしょう!