生前退位報道の目的は | 朝倉新哉の研究室

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やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

昨日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
天皇陛下が、退位するというのです。

報道を私なりに分析した結果、
このような結論に至りました。

これは、憲法改正を阻止するための謀略である。

そのように思った根拠を述べていきます。

NHKオンラインにあった生前退位関連のニュースをあげていきます。

天皇陛下 「生前退位」の意向示される
7月13日 19時00分


天皇陛下 象徴の務め果たせるものが天皇位にあるべき
7月13日 20時15分


宮内庁 これまで退位制度設けないと説明
7月13日 20時28分


「生前退位」意向示されたのは5年ほど前 【解説】
7月13日 20時33分


「生前退位」巡る政界の反応
7月13日 21時29分


「生前退位」のご意向 作家の半藤さん「正直驚いた」
7月13日 22時01分


「生前退位」のご意向 古川教授「議論深める必要」
7月13日 22時07分


「生前退位」のご意向 国民的な議論につながるか
7月14日 5時11分


「生前退位」のご意向 政府は慎重に対応検討か
7月14日 5時14分


「生前退位」のご意向 所名誉教授「重大な問題を提起」
7月14日 5時20分


首相 生前退位「コメントは控えたい」
7月14日 11時31分


このように、矢継ぎ早に、報道され、
天皇陛下が退位されることが、
既定の事実のように、
というより、既定の事実として、報じられています。

では、陛下はほんとうに退位するのか、
天皇陛下ご自身が、言われた言葉を載せた部分を拾ってみます。

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平成元年の即位にあたっての記者会見では、
「憲法に定められた天皇の在り方を念頭に置き、天皇の務めを果たしていきたい」
としたうえで、
「現代にふさわしい皇室の在り方を求めていきたい」
と述べられました。

天皇陛下は、
平成11年、即位10年に際しての記者会見で、
「障害者や高齢者、災害を受けた人々、
 あるいは社会や人々のために尽くしている人々に心を寄せていくことは、
 私どもの大切な務めである」
と述べられました。
そして、のちに、
「天皇の務めには
 日本国憲法によって定められた国事行為のほかに、
 天皇の象徴という立場から見て、
 公的に関わることがふさわしいと考えられる
 象徴的な行為という務めがあると考えられます」
と話されました。

こうした務めについて、天皇陛下は、
「戦後に始められたものが多く、
 平成になってから始められたものも少なくありません。
 社会が変化している今日、
 新たな社会の要請に応えていくことは大切なことと考えています」
と述べられていました。
天皇陛下は、
「昔に比べ、公務の量が非常に増加していることは事実です」
としながらも、
「国と国民のために尽くすことが天皇の務めである」
として、数多くの公務を一つ一つ大切に務められてきました。

79歳の誕生日を前にした記者会見では、負担の軽減について尋ねられ、
「公的行事の場合、公平の原則を踏まえてしなければならないので、
 十分に考えてしなくてはいけません。
 今のところしばらくはこのままでいきたい」
と述べられました。

去年暮れの記者会見で、天皇陛下は、
「年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました」
と率直に老いや間違いを認め、
「少しでもそのようなことのないようにしていくつもりです」
と述べられました。
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天皇陛下 「生前退位」の意向示されるより

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去年、82歳の誕生日を前に、記者会見で、
「年齢というものを感じることも多くなっている」
と述べられた天皇陛下。
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「生前退位」意向示されたのは5年ほど前 【解説】より

少なくとも、今までの公の場では、
退位の意向があるなどとは、一言も言っていません。

では、「宮内庁は」云々 と言っている部分を見てみます。

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平成21年1月、宮内庁は、
前の月に75歳になられた天皇陛下の負担軽減策を発表しました。
心身のストレスによる胃や十二指腸の炎症が見られたためで、
天皇陛下は、式典での「おことば」の多くを取り止め、宮中祭祀も減らされるなどしました。

宮内庁は、
天皇陛下が高齢であることや、
前立腺がんの手術後、注射を続けている治療薬の副作用など、
不安材料を挙げたうえで、さらなる負担軽減の必要性を強調しました。

宮内庁は、ことし5月には、
天皇皇后両陛下の年齢にふさわしい公務の在り方を考え、
両陛下の公務の一部を取りやめると発表しました。
公務の全体的な見直しが行われたのは7年ぶりでしたが、
関係者によりますと、
当初、宮内庁が示した大幅な削減案に
天皇陛下が難色を示され、見直しはごく小規模なものにとどまったということです。
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天皇陛下 「生前退位」の意向示されるより

陛下の負担軽減策を発表したり、
公務の見直しはしていますが、
皇室典範を改正して、生前退位を可能にすることで、負担の軽減を、
とは、言っていません。
陛下は、
宮内庁の負担軽減案に対して難色を示しており、
「高齢だから退位を」
というよりは、自分の身を捨ててでも、国のために尽くしたい、
というお気持ちなのではないか?
という気さえします。

「関係者は」 「関係者によりますと」 という部分を見てみましょう。

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関係者によりますと、
天皇陛下が「生前退位」の意向を示されたのは、今から5年ほど前だということです。
以来、天皇陛下は、
「象徴としての務めを果たせるものが天皇の位にあるべきで、
 十分に務めが果たせなくなれば譲位すべきだ」
という考えを一貫して示されてきたということです。

関係者の1人は、
「口には出されないが、負担感はかなり増しているのではないか。
 普通のお年寄りのように引退して
 好きな趣味などをゆっくり楽しまれたいはずのお年なのに、
 記者会見であのように話されたのが大変お気の毒で申し訳なく感じた」
と話しています。
また、別の関係者は、
「ご自身が考える象徴としてのあるべき姿が
 近い将来体現できなくなる
 という焦燥感やストレスで悩まれているように感じる。
 公務の多さもされど、象徴であること自体が
 最大の負担になっているように見える。
 譲位でしか解決は難しいと思う」
と話しています。
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天皇陛下 象徴の務め果たせるものが天皇位にあるべきより

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宮内庁の関係者によりますと、
天皇陛下は、
数年内に、天皇の位を皇太子さまに譲りたいと考えられている
ということです。

今後、年を重ね、ご自身の考える
天皇としてのあるべき姿が体現できなくなる前に
天皇の位を次の世代に譲られたい
ということだと思います。
天皇陛下がこうした考えを示されたのは、5年ほど前のことで、
以来、この考えを一貫して示されてきたということです。
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「生前退位」意向示されたのは5年ほど前 【解説】より

”宮内庁の関係者”と書いてあるのは、1ヶ所だけで、
あとは、単に”関係者”としか書いていません。
どこの関係者かわかりませんね。
どこの関係者かわからないような人間が言ったことを根拠に、
”陛下は生前退位の意向を示している”
”数年内の譲位を望まれている”
”陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています”
などと言っているわけです。

負担軽減のための公務の削減に難色を示したり、
公式には、退位について一言も言わないのは、
言わばタテマエであって、
ホンネは、
年を取って、天皇としての務めを十分には果たせないから、
皇太子に位を譲りたい、
と思っているのかもしれませんが、
そういうお気持ちであるのが、事実なら、
それを宮内庁の関係者が、外部に漏らしている、ということになりますよね。
守秘義務違反じゃないですか?
(全ての公務員には守秘義務が課せられています。特定秘密保護法とは別に。)

陛下の本心が、退位であるなら、
宮内庁関係者など一切の関係者は、
口を閉ざし、水面下で、皇室典範改正の検討を行うのが、あるべき姿だと思いますがね。
もっとも、そうしている最中で、マスコミに情報が漏れてしまった、
ということなのかもしれませんが…。
それはそれで、宮内庁関係者、何やってんだよ!
という話です。

テレビのニュースでは、
「天皇陛下、生前退位の意向!」
などと、ぶちかまして、視聴者にショックを与え、
街頭インタビューの、
「年齢とか体の負担を考えたら、しょうがないんじゃないか」
という声を放送し、さらに、
どこかの大学教授のような”識者”を登場させて、
「退位もやむなし」
という意見を述べさせ、
(NHKオンラインの報道にもありますが)
生前退位する天皇が珍しくなかったことや、
最近、ローマ法王や外国元首が退位していることを取り上げて、
退位は、別に特別なことではない、
という”空気”をつくろうとしています。

陛下が高齢であり、なんとかして負担を軽減すべきであるのは当然のことです。
その方法として、退位することが唯一の方法なのか、というと全然違います。

ずらっと並べたNHKオンラインの記事の
上から3番目に、”答え”が出ています。

>>>
宮内庁 これまで退位制度設けないと説明

7月13日 20時28分

「生前退位」について、
宮内庁は、これまで、制度を設ける考えはないとしてきました。

平成13年には、参議院の調査会で、
当時の宮内庁次長が答弁に立ち、
天皇の「生前退位」が認められていない理由について、
さまざまな政治的思惑の中で、歴史上見られたような
上皇や法皇の存在が弊害を生むおそれがあることと、
天皇の自由な意思に基づかない退位の強制があり得ることを挙げました。
さらに、天皇が恣意的(しいてき)に退位する懸念もあるとして、
天皇の地位を安定させるのが望ましいという観点から、
退位は認められていないと説明しました。
宮内庁は、これまで、
国会の委員会や調査会などの場で
同様の説明を繰り返し、
天皇に心身の疾患や事故がある場合には、
「国事行為の臨時代行」や「摂政」の制度があるとして、
退位の制度を設ける考えはないとしてきました。

国事行為の臨時代行とは

天皇は、
病気や事故などの際に
国事行為を皇族に委任して臨時に代行させることができる
と法律で定められています。
委任されるのは、摂政となる順位にあたる皇族で、
今の皇室ですと、皇太子さまが対象となり、
皇太子さまが代行できない場合には、秋篠宮さまが対象となります。
最近では、ことし1月の天皇皇后両陛下のフィリピン訪問の際、
皇太子さまが天皇陛下の国事行為を代行されています。

摂政とは

「摂政」は、
天皇が成年に満たない時や重い病気や重大な事故で
長期にわたり国事行為を行えない場合に
天皇の代役として置かれるもので、成年の皇族が務めます。
皇室典範によって定められ、就任の順序も決まっていて、
今の皇室では、まず皇太子さまが対象となり、次いで秋篠宮さまが対象になります。
旧皇室典範のもと、昭和天皇が、
大正天皇の晩年に務めたのが最後で、
今の皇室典範のもとで「摂政」が置かれた例はありません。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160713/k10010594401000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_017
から引用。

陛下の負担軽減を図るなら、
摂政を置けばよいのです。
退位するとなると、
退位したあと、なんとお呼びすればいいのか、
上皇という呼び方を復活させるのか、
御身分はどうなるのか、
皇族なのか、
生活費はどうするのか、
そういうことが、皇室典範では決まっていないのです。
これからそういうことを決めるとなると、
時間がかかり、決まるまでの間は、
陛下のご負担は(基本的には)そのままということになります。
摂政ならば、上述したような問題は起こりません。
今の皇太子が摂政となり、
全てのご公務、祭祀を行うようにすれば、
陛下のご負担はなくなりますし、
天皇のままですから、呼び方の問題も生じませんし、
生活費の問題も生じません。
皇室典範ならびに関係法令の改正という
大掛かりなことにならずに、
事実上、退位したのと同じ効果を生むことができるわけです。

皇室典範
第十六条  
天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
第2項  
天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、
国事に関する行為をみずからすることができないときは、
皇室会議の議により、摂政を置く。

この条文だと、格別の病気もないのに、高齢だから摂政を置く、
ということはできなさそうです。
しかし、この16条、とりわけ16条第2項だけを

天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、
または高齢などにより、
国事に関する行為をみずからすることができないときは、
皇室会議の議により、摂政を置く。

などと改正すれば、それだけですむのです。

だからこそ、菅官房長官もこう言っているのだと思います。

>>>
官房長官 生前退位に向けた皇室典範改正考えてない

7月14日 12時21分

菅官房長官は午前の記者会見で、
天皇陛下が数年内に天皇の位を皇太子さまに譲る
「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示され、
天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表す方向で
調整が進められていることについて、
政府としてコメントは控えるとしたうえで、
現段階で生前退位に向けた皇室典範の改正などは考えていないと述べました。

天皇陛下は、
数年内に天皇の位を皇太子さまに譲る
「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示され、
天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表す方向で調整が進められています。

これについて、菅官房長官は午前の記者会見で、
「報道は承知しているが、政府としてコメントすることは控えたい」
と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が
「天皇陛下の意向を事前に把握していたのか」
と質問したのに対し、
「全く承知していない」
と述べたほか、
事実関係を宮内庁に確認する考えはないという認識を示しました。

さらに、菅官房長官は、
記者団が生前退位に向けた皇室典範の改正などを
政府内で検討しているのか質問したのに対し、
皇族の減少の問題にどう対応するか、
杉田官房副長官の下に設けた
内閣官房皇室典範改正準備室を中心に検討を行っているものの、
現段階で生前退位に向けた皇室典範の改正などは、考えていないと述べました。
>>>

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160714/k10010595181000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_007
から引用。

>天皇陛下が数年内に天皇の位を皇太子さまに譲る
>「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示され、
>天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表す方向で
>調整が進められている

などと、既定の事実のように言っていますが、
これの根拠となっているのは、
どこの馬の骨とも知れない”関係者”と称する人間が言った言葉なのです。


http://www.toshinorikondo.com/nhk%E6%99%82%E4%BB%A3%E5%8A%87%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%8C%E7%A7%98%E5%A4%AA%E5%88%80%E9%A6%AC%E3%81%AE%E9%AA%A8%E3%80%8Dbs%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0/より転載
(写真と本文は関係ありません)

皇族の減少の問題にどう対応するか、
については、検討しているとは、言っていますが、
生前退位に向けた皇室典範の改正などは、考えていない、
ということは、
負担軽減するなら、摂政で、
と考えているのではないでしょうか。


退位報道が、憲法改正阻止のためにやっているのではないか、
と考えたのは、都知事選とのからみです。

鳥越俊太郎が、都知事選に出馬を決めた理由として、
参院選の結果、
衆参両院で改憲派が3分の2を占めたこと、をあげていました。
このままでは憲法が改正されてしまう!
という危機感をもったんでしょう。
都政と憲法問題は関係ないのに…。
憲法を改正させたくないんだったら、
3年後の参院選に出るか、
その前に衆議院の任期切れが来るので、
衆議院の総選挙に出ればいいだろ、
という話です。
しかし、待っていられなかったんでしょうね。
(憲法とは)関係ないのに、都知事選に出て、
少しでも憲法改正阻止に役立つことをしたい、
という気持ちなんでしょう。
憲法命、なんでしょうね、あの連中は。
同様の危機感は、NHK以下のマスコミも持っていると思います。
安倍総理は、テレビのインタビューで、
憲法を改正するかしないか、という段階ではなく、
どこを改正するか、どう改正するか、という段階に入った、
と言っていました。
このように言われて、
マスコミが黙っているわけはありません。
何かやってくるに違いない、
何をやってくるのか、
と思っていました。

なんで急に、生前退位なんて話が出てきたんだ、
と思っていましたが、
鳥越のコメントを思い出し、
NHKオンラインの記事を見ていった結果、
生前退位、皇室典範改正問題を浮上させることで、
そちらに手間暇をかけさせて、憲法改正に手が回らない状況にしてしまおう、
そういう意図なんじゃないか、という結論に至りました。

私の見立てが正しければ、
マスコミは、
天皇、皇室をダシに使ったということです。
実にけしからん話です。

マスコミは、
陛下のご健康を考えれば、生前退位もやむなし、
という世論を起こそうと画策しているのです。
それによって、
皇室典範、および関連法令の改正という
大ごとにもっていって、
憲法改正にまで手が回らない状況をつくろうとしているのです。

摂政を置くための条件をゆるめれば、
生前退位などしなくとも、陛下のご負担を減らすことはできるのです。

生前退位より摂政の条件緩和を!

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