観光立国をやめよ | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

安倍総理が、国連総会で、難民問題についてすばらしいことを言ってくれました。
  
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第70回国連総会における安倍内閣総理大臣一般討論演説

日本には、いろいろな場所で、国造りを支えた実績があります。
人材を育て、人道支援を惜しまず、女性の人権を守ろうと努めた経験があります。
その蓄積を、いまこそ惜しみなく提供したいと思っています。
日本は、シリア・イラクの難民・国内避難民に向けた支援を一層厚くします。
金額に換算すると、今年は約8.1億ドル。
昨年実績の3倍となるでしょう。
レバノンでは、200万ドルの支援を新たに実行します。
これをテコとして、人道援助機関と、開発援助機関の連携に、弾みをつけてまいります。
セルビア、マケドニアなど、EUの周辺にあって、
難民・移民の受け入れと格闘する諸国に対し、
新たに約250万ドルの人道支援を実行します。
これらはいずれも、日本がなし得る緊急対策です。
一方、私たちの変わらぬ原則とは、
いかなる時にも、問題の根元へ赴き、状況を良くしようとすることです。
イラクの民生に安定をもたらすには、
上下水道が信頼に足るものでなければなりません。
これを含め、中東とアフリカにまたがり、
平和を築き、確かなものとするため、日本は約7億5000万ドルの支援を準備しています。
難民たちの背後には、
難民となって逃れることのできない人々が
はるかに多くいるという現実を、直視したいと思います。
壊れてしまった国を建て直し、
再び人々に幸福の追求を許す場とするには、
人間一人、ひとりの力を育て、恐怖・欠乏と闘う能力を草の根から培うことが、
回り道のように見えて、実は近道です。
その信念が、
教育、保健医療の普及を重んじ、
とりわけ、あらゆる年齢層の女性に力をつけようとするわが国の政策になりました。
「人間の安全保障」を確かなものにしようとする政策です。
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首相官邸のHP
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0929enzetsu.html
から抜粋して引用。

各国が、難民を○○人受け入れる、などと表明するなか、
○人受け入れる、とは一言も言わず、
難民発生の根源を断つための施策を表明したのです。
これこそ正しい難民対策です。
(ただし後述しますが、穴があります。)
一方、こういう動きがあります。

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シリア難民 「日本も受け入れ表明を」

9月28日 21時11分

内戦が続く中東のシリアからの難民について、
現在開かれている国連総会の場で「日本も受け入れる」と表明するよう、
民間の支援団体が政府に申し入れました。
申し入れたのは14の民間の難民支援団体で、
28日、東京都内で記者会見して明らかにしました。
内戦が続く中東のシリアなどからは
大勢の難民などがヨーロッパに押し寄せ、各国が受け入れを表明しています。
このため支援団体は、
日本も積極的な役割を果たすべきだとして、28日、政府に対し連名で申し入れました。
支援団体は
ニューヨークで開かれている国連総会で
日本時間の30日に行われることになっている安倍総理大臣の一般討論演説の中で、
シリア難民の受け入れを表明するよう求めたということです。
申し入れを行った団体の1つ
「難民支援協会」の石川えり代表理事は、
「シリアからの難民は第2次世界大戦後では最も多くなっていて、
 欧米諸国の中には、すでに大勢受け入れている国もある。
 安倍総理大臣には受け入れを表明してもらい、
 国際社会での日本の役割を果たしてもらいたい」
と話していました。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150928/k10010251131000.htmlから引用。

絶対、こういう動きはあるだろうな、と思っていました。
で、この難民支援協会とやらのHPには、以下のようなことが書かれていました。

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常態化する「ホームレス難民」

「日本に逃れてきた難民をホームレスにしない」


難民支援協会(JAR)が長らく掲げていたスローガンです。
JARでは、
日本に逃れてきたものの頼る先がなく、
公的な支援も受けられていない難民申請者向けに
一時的な宿泊施設(シェルター)を手配し、緊急支援を行ってきました。
しかし、2011年の冬頃より、
私たちが支援できる人数を大幅に上回る方が相談に見えるようになり、
必要とする人全員に宿をあてがうことが叶わなくなりました。
「ホームレスにしない」というスローガンは
「凍死させない」に変えざるを得ず、
さらに最近では、季節を問わず、30人以上がシェルターの順番待つという状況が続いています。
日本に逃れてきた難民の困窮が常態化しています。

なぜ困窮するのか

ホームレスになるほど困窮する難民の多くは、来日して間もない人たちです。
成田空港から都内に出てくるまでの
電車代、数泊のホテル代を払えば、所持金はすぐに尽きてしまいます。
制度的には、
難民認定審査の結果を待つ間、
自力で生活することが困難な難民申請者に対する公的支援があります。
就労資格は、難民申請後半年間なく、公的支援なしでは生きる術がありません。
しかし、その支援を得るための審査も通常2~3ヶ月におよびます。
そのため、来日直後の難民は、
公的な支援が決まるまでの間、セーフティネットの大きな「穴」にはまり、
ホームレスに陥ってしまうのです。

*難民申請時に正規の在留資格がない場合は、
  難民申請から半年が経過しても就労は認められません。

それでも日本に逃れてくるのはなぜ?

これほど制度的に冷たい日本へ、なぜ逃れてくるのでしょうか。
多くの方は偶然に日本だったと答えます。
迫害から逃れる先を探すなかで、
アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、
さまざまな大使館にビザを申請した結果、
たまたま日本大使館からのビザが最初にでた、
といった理由からです。
ここ数年は、
日本政府が海外からの観光客誘致に力を入れているため、
観光ビザであれば比較的早く手に入る

という状況も影響していると考えられます
そのため、多くの方は
日本に知り合いが一人もいない状況で来日し、困窮しても頼る先がありません。
また、日本の厳しい現実を知って他の国に行きたいと考えたとしても、
ほとんどの場合、その選択肢はありません。
たどり着いた日本で何とか生き延びるしかない
のです。
JARでは困窮を極めた難民への緊急支援として、
シェルターの手配に加えて、
一人ひとりに寄り添ったカウンセリング、緊急支援金、食料、
生き延びるために必要な情報を集めた
「サバイバル・ハンドブック」を提供しています。
同時に、難民申請中の生活保障を確保すべきである
と制度改善に向けたアドボカシーにも力をいれています。
母国を逃れ救われた命が、やっと逃れてきた日本で失われることがあってはなりません。
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難民支援協会のHP
https://www.refugee.or.jp/jar/report/2015/08/03-0000.shtml
から引用。
(青字、赤字による強調はブログ主による)

安倍総理が、国連の場で、正しい難民対策を表明し、
法務省が難民認定の厳格化に動きつつあっても、
”観光立国”で外国人観光客を誘致しようとしているため、
簡単に観光ビザを与えてしまっているのです。
これでは、穴のあいたバケツに水を入れるようなものです。
このために、”ホームレス難民”の常態化という事態が生じているのです。

それから、気になるのは、

>日本の厳しい現実を知って他の国に行きたいと考えたとしても、
>ほとんどの場合、その選択肢はありません。
>たどり着いた日本で何とか生き延びるしかないのです。

という件です。
なんで他の国に行く選択肢がないの?
なんで日本で生き延びるしかないの?
その根拠が示されていません。
”難民受け入れありき”の姿勢が、ありありと見てとれます。

観光立国、外国人観光客誘致は、以前から、
”やるべきことではない”
と思っていました。
外国人観光客に頼ると、どこかに問題が出てくるんじゃないか、
と思っていましたが、やはりそうでした。

・法務省→難民認定を厳格化しようとしている。
・安倍総理→日本としての難民対策の方向性
 (難民は受け入れず問題の根源を解決するための支援をする)
 を示した。

この2つは、正しいのに、
外国人観光客誘致の方針があるために、
観光ビザを簡単に与えてしまい、
難民認定されるはずもない日本に渡航する難民を増やしてしまっているのです。
それが”ホームレス難民”という問題も生んでいるのです。

観光立国なんか今すぐやめろ!

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