暴力団と警察とスパイ防止法 | 朝倉新哉の研究室

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やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

『余命3年時事日記』で、このところ、
集団通報というのが、度々登場しています。
詳しい説明は省きますが、
この集団通報が、暴力団に対してなされた場合について、
余命さんは、このように言っています。

>>>
在日暴力団、やくざについては、
従前から指摘しておりますように、
本名、通名、所属組織で通報できますので実に簡単です。
この場合の影響は、
すでに匿名複数サイトに情報がアップされておりますように、
情報の入手が簡単なので、とんでもない集団通報になりそうです。
組織全体が捜査対象となりますが、
このケースは入管と警察との合同の着手となりそうです。
入管から警察への情報提供は
不法残留通報を理由に随時捜査にはいれるお墨付きですから
彼らにとっては脅威でしょう。
警察は大喜びですね。
>>>

http://kt-yh6494.blog.so-net.ne.jp/2015-04-13から抜粋して引用。

う~ん、警察がそんな大喜びで、暴力団つぶしに動くとは思えませんがね。
そう思う根拠は、ある本にあった以下の記述です。

>>>
スパイは
外交特権を持つ大使館員や領事館員であることが
便利であるのは言うまでもありません。
わざわざ潜入という手段をとることなく堂々と日本に入国することができます。
そして簡単に逮捕されないという外交特権を持っています。
当然のことながら警視庁公安部は
ロシア大使館員の行動を見張ることになります。

こうした監視体制の中、一人のロシア大使館員が不審な行動をとりました。
千代田区のそれほどは目立たない、
といっても閑散としているというわけでもない
あるホテルのコーヒーラウンジでのことです。
この大使館員はテーブルナプキンに何かを書き、
それを隣の誰もいないテーブルのナプキンたてにさしました。
すると間をおかずにそのテーブルに一人の日本人男性が座り、
隣のテーブルにいたロシア大使館員は入れ違うように出て行きました。
日本人の男性は、コーヒーを注文し
何気にそのさされた紙ナプキンを手に取りました。
そしてゆっくりとコーヒーを飲み、悠然と会計を済ませて出て行きました。

当然両名に追尾をつけます。
ロシア大使館員は大使館に戻りました。
もう一方の日本人男性、歩きながらさりげなく
ホテルのロビーのゴミ箱に何かを捨てました。
そしておそらく自宅でしょう、帰宅しましたが
なんとそこは自衛隊の官舎だったのです。

ゴミ箱からは、予想通りに何か書かれた紙ナプキンがすぐに発見され、
警察によって押収されました。
二人がコーヒーハウスで飲んだカップも回収しました。
紙ナプキンに遺された二人の指紋、
そしてコーヒーカップにはそれぞれの指紋、両方が一致して接触は立証されました。

押収した紙ナプキンに書かれていた文字、
当然乱数表を利用した暗号文です。
警視庁公安部の専門部署で直ちに解明されました。
そして両名が、その乱数表による暗号文で、
時には銀座の雑踏で、
時には人通りの少ない交通量も多くない英国大使館の裏側の通りで、
時には歩いて立ち止まったり、時にはお互い車ですれ違ったり、
ある時は新宿の雑然とした喫茶店で、接触していたことが確認されました。

ついにある日、前述のホテルで接触する予定のあることが確認され、
公安部の人員も配置につきました。
二人が別々に現れ同じテーブルに着いたところで、
周囲に様々な服装で座り一般人を装っていた公安部員が一斉に立ち上がり、
「警察です、ご同行お願いします」
と伝えました。
ロシア大使館員は外交特権を理由に拒否し、
振り切るように出て行きました。
単なる紙の書類のやり取りでは罪状もはっきりとせず逮捕できません。
しかしホテルの入り口付近で
ロシア大使館員が
やくざ風の男たちとトラブルになりました。
相互暴行(まあ喧嘩ですが)は立派な犯罪で、
現行犯ですから外交特権は関係ありません。
勿論この逮捕は、

あらかじめやくざに頼んでおいた警察官が執行し、公安部との連携です。
>>>

『日本のために』 井上太郎@kaminoishi 青林堂 から抜粋して引用。
(青字、赤字による強調はブログ主による)

日本には、スパイ防止法がないため、
件のロシア大使館員をストレートに逮捕することはできず、
相互暴行(喧嘩)の現行犯として逮捕した、というわけです。
スパイを逮捕できたのはいいですが、逮捕の仕方が問題です。
やくざに協力してもらわなきゃならないの?
という話です。
警察が暴力団をつぶせない理由の1つは、これだと思います。
スパイの逮捕などで、協力してもらっているから、
ある意味”使える存在”なのです。

暴力団構成員等の推移

http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Etc_SG.html
『平成22年の暴力団情勢』
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/bouryokudan/boutai/h22_bouryokudan.pdfより転載

暴力団対策法が施行されたのは、グラフの左端の平成3年ですが、
暴力団構成員数は、
平成7年までは減ったものの、その後増えてしまっています。
16年から22年にかけて、減っていますが、
暴力団撲滅とは、ほど遠いですね。
暴力団対策法を制定したものの、本気でつぶす気があったのか、疑問です。
井上太郎さんは、一刻も早くスパイ防止法を制定しろと言っていますが、
警察には、そう思っていない人もいるようです。
スパイ防止法がない以上、
暴力団はスパイ逮捕に”使える存在”なんだから、
あえてつぶす必要はない、
と考えている人たちがいる?
というか、
そういう人たちのほうが、数が多いのではないか、と思うのです。
井上さんは、
スパイ防止法の必要性を訴えていますから、
スパイ防止法を制定すべき、暴力団もつぶすべき、
という立場だと思います。
そういう人が多ければ、
スパイ防止法は、閣法として、制定させることができるはずです。
閣法とは、内閣が提出する法案のことで、
財務省などの役所が、法律案を作り、国会に提出して成立させるものです。
だから警察庁も、スパイ防止法案を作って、提出すればいいのです。
1985年にスパイ防止法案が、国会に提出されたことがありますが、
これは、閣法ではなく、議員立法でした。
               ↑
(国会議員が発議して法律案を成立させること)
残念ながら、審議未了で廃案となってしまいました。
議員立法でだめだったのなら閣法で…、
と、
警察庁が、本気で(暴力団を使わずに)スパイを取り締まる気があるなら、
閣法によるスパイ防止法成立を、目指すべきだったと思います。
それをしていないということは、
スパイを取り締まるつもりはあっても、
暴力団は本気でつぶすつもりがない、
警察は、そういう人のほうが多数派だ、
と思われても仕方がないのではないでしょうか。
もちろん、
スパイは取り締まるべき、暴力団もつぶすべき、
と考えている人もいるでしょう。
しかし、そういう人は少数派なのだと思います。
そうでなければ、
閣法としてのスパイ防止法案提出が一度もない理由の説明がつきません。

ただし、スパイ防止法案という名前ならいいというわけではありません。
暴力団対策法のように、
結局暴力団撲滅には役に立たなかったザル法になってしまっては、意味がありません。
(あえてザル法と言わせてもらいます。暴力団を撲滅できなかったという意味で。)

スパイの逮捕のためには、
暴力団を泳がせておくのも、やむを得ない、
などという本末転倒な考えの人が、警察の多数派を占めているなら、
スパイ防止法案を作っても、ザル法で終わるでしょう。
そうでないなら、
実効性のあるスパイ防止法案を、閣法として提出し、成立を図るべきだと思います。


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