大河ドラマが100倍つまらなくなる方法 | 朝倉新哉の研究室

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大河ドラマ『軍師官兵衛』ですが、
前半の山場となるであろう「天正六年」に、入って来ました。

NHKオンライン(http://www1.nhk.or.jp/kanbe/story/story17.html)に
あらすじが掲載されています。

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官兵衛と秀吉は、
毛利の大軍に包囲された上月城を救おうとするが、
信長の厳命により見捨てることを余儀なくされる。
官兵衛は城に潜入し、断腸の思いで鹿介に別れを告げる。
信長のあまりの非情さに、村重や政職は動揺する。
一方、宇喜多直家の動きを警戒した
毛利方の小早川隆景は、撤退を決断。
光の兄・左京進の志方城も見捨てられてしまう。
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この天正六年の十月に、荒木村重が毛利に寝返ります。
ドラマでは、信長が上月城を見捨てたことが、村重裏切りの伏線になっているようです。
今日の放送は、「村重裏切り」の一報が官兵衛に届き、
官兵衛が衝撃を受けるところで、終わるのではないでしょうか。

官兵衛は、寝返った村重を説得するため、
有岡城(伊丹城ともいう)に赴き、幽閉されます。
官兵衛が有岡城から戻ってこないので、
信長は、「官兵衛も裏切った」と思い込み、
人質にとっていた官兵衛の息子松寿丸を殺せ、と命じます。

『秀吉ではなく家康を「天下人」にした黒田官兵衛』 跡部 蛮 双葉新書
には、以下のようにあります。
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伊丹へ説得に出向いた官兵衛は幽閉され、
その事情を知らない信長によって官兵衛は裏切ったと判断される。
そうして人質・松寿丸の殺害命令が秀吉に下るのである。
このとき半兵衛は命懸けで松寿丸を自分の領地に匿い、
”二兵衛”の絆を物語る美談として流布される。
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官兵衛の息子、松寿丸を救ったのは、竹中半兵衛の独断のようです。
ドラマでは、当然、美談として描くでしょうから、
こんな感じになると思います。

信長から、松寿丸を殺せ、と言い渡される秀吉。
悩む秀吉。
妻の「おね」からは、殺さないでくれ、と懇願される。
「わしとて、殺しとうはない。
 どうしたものか…。」
「おね」が、半兵衛に相談してはどうか、と言います。
秀吉は、病床に臥せっている半兵衛のもとを訪ねます。
「半兵衛、具合はどうじゃ。」
「ゴホ、ゴホ。今のところは、落ち着いております。
 何か、ございましたのか?」
「困ったことになった…。」
荒木村重が裏切ったこと、説得に出向いた官兵衛が戻ってこないこと、
信長から、松寿丸を殺せ、と命じられたことを話す秀吉。
「松寿丸を殺してはなりませぬ。」
「しかし、上様の命に背くことは…。」
「ひとまずは、にせ首を差し出し、殺したことに、なされませ。
 そして、密かに、松寿丸を、それがしの屋敷へ移すのです。
 にせ首を用意したのも、密かに匿ったのも、
 全てそれがしの一存にて、なしたること。
 露見したるときの、お咎めは全て、それがしひとりに…。」 
「しかし、それでは…。」
「それから、間者、乱波(忍者)を放ち、
 官兵衛殿の生死を確かめるのです。
 殿は、官兵衛殿が裏切ったとお思いですか?」
「裏切ったとは、思いたくないのじゃが…。」
「ならば、確かめることが先決でござります。
 官兵衛殿が殺されておるなら、裏切ったことには、なりませぬ。
 生きていても、城内のどこかに留め置かれているのであれば、
 これも裏切ったことには、なりませぬ。
 松寿丸を殺すのは、官兵衛殿が、生きておって裏切ったときのみでござります。
 それを確かめずに、殺すのは、あまりに短慮。」
「そうじゃな。そのとおりじゃ。」
「それがしは、もう長くはありませぬ。
 後事を託せるのは、官兵衛殿をおいて、他にはござりませぬ。
 官兵衛殿は、いずれ天下に名を成す軍師にもなれる器でござります。
 それがしの後は、官兵衛殿を重用なされませ。」
「何を申す!
 お主こそ、この秀吉、いや、織田家の柱石ぞ!」
「ありがたきお言葉…。」
「お主の申す通りにいたす。 
 早急に間者、乱波をつかわし、 
 官兵衛の生死を確かめる。
 …。
 大事にいたせ。」

ドラマの中では、松寿丸を人質として差し出したのは、
官兵衛の決断によるものだと描かれていたと思います。
(松寿丸も「黒田家のために役に立ちとうござります」とか言ってたように思います)
『秀吉ではなく家康を「天下人」にした黒田官兵衛』
には、
『武功夜話』などの記述を根拠に、
松寿丸を人質にしたのは、竹中半兵衛の発案だと書かれています。
松寿丸を殺すべきではない、というのも、
情けをかけたという面もあったのでしょうが、
自分の策が失敗に終わったことを認めたくないからだ、
と見ることもできます。
竹中半兵衛は、”智謀の人”です。
自分の智謀に自信をもっていたでしょう。
自分の発案で、松寿丸を人質にとり、
小寺家を織田につかせることに成功した、
と半兵衛は思っていたでしょうから、
官兵衛が裏切り、松寿丸を殺せば、
自分のアイデアが完全に失敗したことになります。
周囲からの評価も下がるでしょう。
そこで、松寿丸を匿い、官兵衛が裏切っていないことに賭けたのではないでしょうか。
あるいは、自ら、間者を放ち、官兵衛は裏切っていない、
という情報を得ていたのかもしれません。
官兵衛が裏切ってなければ、
「ほら見ろ。俺の考えは間違ってなかっただろ。
 官兵衛は裏切ってないぞ。
 織田に忠節を尽くしてるじゃないか。
 松寿丸を殺さなかったのも正解じゃないか」
と言えるわけです。
半兵衛は、冷徹に計算し尽くした結果として、
松寿丸を生かしておくべきだ、
という結論をはじき出したのかもしれません。
”半兵衛コンピュータ”が、計算に計算を重ねて、
あくまで”計算結果として”、
松寿丸ヲ生カシテオケ
という結論に至った、
そんなイメージです。


竹中半兵衛 ウィキペディアより転載

秀吉配下の者が、官兵衛の生死を確かめに行ったかのように書きましたが、
『秀吉ではなく家康を「天下人」にした黒田官兵衛』
には、こう書かれています。

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【黒田二十四騎コラム/其の二 栗山善助利安】
善助は幼名でのちに四郎右衛門と名乗るものの、
その幼名が著名なため、ここでは善助とする。
彼が後世に名を残したのは、
官兵衛が有岡城に幽閉されていたときの忠義による。
彼は姫路から頻繁に官兵衛の安否を確認するため、有岡城に潜入した。
あるとき敵にみつかり、後ろから鉄砲を浴びせられたこともあった。
有岡城落城の際に牢から官兵衛を救い出したのも彼である。
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これを踏まえると、こういうストーリー展開が考えられます。

信長から、松寿丸を殺せ、と言い渡される秀吉。
これを知った栗山善助ら、官兵衛の家臣たちは、
有岡城潜入を決意する。
悩みながらも、松寿丸殺害を決意する秀吉。
そこへ、黒田家から火急の使者が…。
官兵衛が裏切っておらず、幽閉されていることを知らされた秀吉は、
松寿丸殺害を思いとどまる。


今後のストーリー展開を、先に言ってしまったので、
”100倍つまらなくする”
という記事タイトルにしました。
ほんとに、つまらなくなってしまった場合は、申し訳ありません。

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