ウクライナ東部に独立の動き | 朝倉新哉の研究室

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クリミアの独立、ロシア編入で、
ウクライナ情勢は、落ち着くかと思っていましたが、
それは甘かったようです。

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ウクライナ東部 「共和国」宣言相次ぐ

ウクライナ東部では、
議会の建物を占拠しているロシア系住民らが
相次いで「人民共和国」の樹立を宣言するなど
ウクライナからの独立も辞さない動きが広がり、
暫定政権側は強制排除の構えを示すなど緊張が高まっています。

ウクライナ東部のドネツクでは、
ロシア系住民で作るデモ隊が
議会の建物の周りにバリケードを築いて占拠を続けており、7日
州議会議員とは別の住民140人を集めて独自の議会を開きました。
そして、ウクライナからの独立を示唆する
「ドネツク人民共和国」の樹立を一方的に宣言し、
来月11日までに共和国の樹立の賛否を問う住民投票を行うことを決議しました。
また
「暫定政権からわれわれを守れるのはロシア軍による平和維持部隊だけだ」
として、
ロシアのプーチン大統領に対して必要に応じて部隊を派遣するよう要請しました。
建物の周りでは、
夜になっても大勢のロシア系住民が炊き出しをするなどしてデモ隊を支援しています。
また東部のハリコフでも、
議会の建物を占拠していたロシア系住民のデモ隊が
独自に議会を開催して「ハリコフ人民共和国」の樹立を宣言するなど、
ウクライナからの独立も辞さない動きが広がっています。
これに対し、暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は
「ロシアがクリミアのシナリオを繰り返そうとしている」
と述べてロシアの関与を指摘した
うえで、
デモ隊を強制排除する構えを示すなど緊張が高まっています。

米「事態の悪化を懸念」

ウクライナ東部でロシア系住民らが
議会の建物の占拠を続けていることについて、
アメリカのホワイトハウスのカーニー報道官は7日
「ウクライナ国内で事態が悪化していることを懸念している」
と述べました。
そのうえで、デモ隊の中には
報酬を受けている人地元の住民でない人がいる証拠がある
としたうえで
「ロシアがウクライナへの圧力を強めている結果だ」
と非難しました。
また、アメリカ国務省のサキ報道官は、
ケリー長官とロシアのラブロフ外相が7日、電話で会談したことを明らかにしました。
このなかでケリー長官は
「ウクライナ東部の町で起きていることは自然に発生したとは思えない。
 ウクライナ政府が、
 ロシアの支援を受けた組織的な動きだと 主張している

 ことをアメリカは注視している」
と述べたということです。
そのうえでケリー長官は
「ウクライナをこれ以上、不安定にすれば、ロシアはさらなる代償を支払うことになる」
と述べ、
事態が悪化した場合にはロシアに対する制裁を強化する方針を伝えたということです。
米ロ両国は、
今後10日以内にウクライナとEU=ヨーロッパ連合を含めた4者で集まって、
ウクライナ情勢について協議する方針で合意したということです。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140408/k10013574021000.htmlから引用。
(青字強調はブログ主による)

まず、気になったのは、ドネツクやハリコフが、
”人民共和国”と名乗っていることです。
人民共和国って、社会主義政権ですよ。
東欧では、社会主義は、20年以上前に崩壊しています。
中国は、今でも人民共和国を名乗っていますが、
ソ連崩壊の翌年(1992年)、
”社会主義市場経済”という、訳の分からないことを言い出しました。
共産党一党独裁体制(=社会主義)のまま、
経済体制としては、市場経済(=資本主義)を導入する、というものでした。
社会主義なのに資本主義、という変なことになってしまい、
このニュースを報道した
久米宏さん(『報道ステーション』の前身『ニュースステーション』のキャスター)
も、訳が分からない、と言っていたように記憶しています。
そういうわけで、
経済体制としての、社会主義、共産主義は、
とっくの昔に崩壊しているのです。

ドネツクとハリコフの位置は、こちらです。
↓   地図1

http://www.sankeibiz.jp/express/photos/140304/exd1403041142004-p2.htmより転載

どちらも、ウクライナ東部にあり、ロシア系住民の多い地域です。

地図2

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1933.htmlより転載

ご覧のように、ドネツクもハリコフも、”青い地域”にあります。

クリミア半島のセバストポリには、
ロシアの黒海艦隊の基地があり、
住民もロシア系が多いので、
独立を阻止するのは無理だろうと思っていました。
もし阻止しようとすると、
ロシアが、もともと基地として使っていただけに、
ロシアとしても、絶対に引くことはできないでしょうから、
本気の戦争になりかねません。
ロシアと欧米の戦争ということになると、世界が滅びかねません。
(ロシアとアメリカが、互いに核兵器を使ったら、そうなります)
ですから、
欧米は、口だけで非難したり、形だけの制裁をして、
独立は黙認ということで、事実上の”手打ち”になるだろうな、
と思っていました。
しかし、それは甘かったようです。
このままだと、地図2の”青い地域”も独立する可能性は十分あります。
ロシア軍が進駐し、住民がそれを圧倒的に支持している、
という状態になったら、
それを覆そうとすると、本気の戦争になります。
そんな戦争をやる覚悟を、オバマがもっているのか?
大いに疑問ですね。


>暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は
>「ロシアがクリミアのシナリオを繰り返そうとしている」
>と述べてロシアの関与を指摘した

ウクライナの暫定政権は、欧米寄りなので、
このような主張をするのは当然です。

>アメリカのカーニー報道官は
>デモ隊の中には
>報酬を受けている人や地元の住民でない人がいる証拠がある
>としたうえで
>「ロシアがウクライナへの圧力を強めている結果だ」
>と非難しました。

>ケリー長官は
>「ウクライナ東部の町で起きていることは自然に発生したとは思えない。
> ウクライナ政府が、
> ロシアの支援を受けた組織的な動きだと
> 主張していることをアメリカは注視している」
>と述べた

暫定政権もアメリカも、
ウクライナ東部の動きは、ロシアの差し金だと主張しているわけです。
なぜそんなことをするのか、
地政学の知識があると、即座に理解できるのです。

地図3

http://blogs.yahoo.co.jp/eraser1eraser/62658762.htmlより転載

地図3のヨーロッパの部分をよく見てください。
ウクライナは、黒海のすぐ上にあります。
ウクライナの西部は、リムランドに含まれ、
東部は含まれていません。
クリミア半島は、含まれているのかいないのか、微妙です。
ウクライナは、ハートランドとリムランドがせめぎ合う最前線なのです。

地図4












http://usami-noriya.com/?p=2146より転載

”Bライン”が、かつてのソ連の領土だったわけですが、
ロシアとしては、Bラインを回復したいと思っているのです。
(最終的にはAライン回復まで狙っているでしょう)
しかし、
2004年に、エストニア、ラトビア、リトアニアがNATOに加盟し、
Bラインは、NATOによって、一部、突破されてしまいました。
それだけに、
(Bライン確保のために)なりふり構わず、
ウクライナに干渉しているわけです。
NATO(つまり欧米)は、勢力を広げたい反面、
広げ過ぎて、ロシアを刺激して、
核戦争などということになっては、さすがにまずいので、
どこまで勢力を広げるか、どこで折り合いをつけるか、
を探っているでしょう。
当面の落としどころとしては、
地図2の青い地域が、独立、それ以外の地域を暫定政権が統治することで、
決着がつく、と、
そんな感じになるのではないか、と思っています。

地図5


















http://burke-conservatism.blog.so-net.ne.jp/2010-05-12-1より転載

ロシアや中国のような”ランドパワー国家”は、
放っておくと、際限なく勢力を広げようとするので、
地図5のように、がっちり抑えておかなければならないのです。

ウクライナ情勢は、地政学を学ぶには、
またとない”教材”になっています。
しかし、そんな悠長なことも言っていられないことが、
日本で進行しつつあります。
安倍内閣が、外国人労働者受け入れ拡大に動いています。
この他にも、国家戦略特区など、”ヤバイ政策”が進行しています。
(安倍総理は、徹底してグローバル化を進める、と言っているようです)

当ブログは、グローバル化推進には絶対反対です。

安倍内閣が間違った方向に進むなら、
断固として、阻止しなければなりません。

外国人労働者受け入れ拡大、グローバル化推進

外国人増加

外国人が参政権をよこせと騒ぎ出し、参政権獲得

住民投票で外国人が多い地域が独立

こういう流れになりかねません。

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