地熱発電で復興! | 朝倉新哉の研究室

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やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

今日は地熱発電の話題です。
ブログを始めて最初に取り上げたのが、地熱発電でした。
そのとき、”温泉と地熱発電の一体化”ということを提唱しましたが、
実は、そういう動きがそのころからあったのです。
私が知らなかっただけでした。
その動きが今、結実しようとしています。

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福島の温泉街 復興へ地熱発電

原発事故の風評被害に苦しむ福島市の土湯温泉で、
旅館の経営者たちが
温泉の蒸気を利用した地熱発電事業を始めることになり、
観光客の誘致を図ることになりました。

福島市の山あいにある土湯温泉は、
原発事故のあと宿泊客が激減し、
ホテルや旅館が相次いで閉鎖に追いやられるなど風評被害に苦しんでいます。
24日は旅館の経営者たちが記者会見し、地熱発電事業を始めることを発表しました。
発電は、現在ある源泉の井戸からくみ上げた
お湯の熱と蒸気を利用する「バイナリー発電」と呼ばれる方法をとります。
発電に使ったお湯は、温泉街で使うため温泉が枯れるなどの影響はないということです。
発電量は一般家庭およそ500世帯分に相当する280万キロワットアワーで、
電力会社に売電することで年間およそ1億円の収入を見込んでいます。
ことしの9月にも施設の設置工事を始め、来年7月の稼働を目指しています。
土湯温泉では、地熱発電の視察にすでに全国から1000人以上が訪れていることから、
関係者は発電施設をきっかけに観光客の誘致を進め、
温泉街の復興につなげたいと話しています。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140124/t10014736171000.htmlから引用。
(青字強調は筆者による)

これまで温泉業界は、地熱発電には反対してきました。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4130.html
には、地熱発電の開発が遅れている理由として、

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①掘った井戸が熱水の存在する岩盤の亀裂に当たるかは不確かなため
 生じる開発リスクの高さ(開発コストの大きさ)
②地熱発電の8割が開発規制のかかった国立・国定公園内
「温泉への悪影響」を懸念する声の存在
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が挙げられています。

普通の地熱発電では、このように
            ↓




http://o.kyuden.co.jp/chiiki_energy_renewable_tinetuより転載

地下から熱水と蒸気を汲み上げるので、
温泉が枯渇するのではないか、ということで、温泉業界は地熱発電に反対していたのです。
中には、地熱発電のための調査でさえ、拒否する声もあったほどです。

しかし、実際には、普通の地熱発電でも、全く問題はないのです。

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温泉の場合、掘ったとしても数百メートル程度ですが、
地熱を得るには1500メートル~3000メートルも掘るので、熱源が全然違う。
しかも、くみ上げた地下の熱水は再度地下に戻すのでまったく問題ない。
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『日本復活計画』堺屋太一 薮中三十二 講談社 から引用。

深さが全く違うので、地熱発電は温泉には全く影響は与えないのに、
なぜそこまで頑なに反対するのか、私は全く理解できませんでした。

土湯温泉としては、
バイナリー発電なら、温泉に影響はない、ということを理解したからなのか、
風評被害の深刻さに、背に腹は代えられなくなったのか、
どちらなのかわかりませんが、
結果的に、私の言った”温泉と地熱発電の一体化”を実現する方向へ進んでいるようです。


バイナリー発電とは、
地下からの熱水や蒸気で、
アンモニアやペンタン、イソブタンなどの
沸点の低い(低い温度で沸騰するということ)媒体を沸騰させて、
発電する方法です。
この方法だと、
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投入した高温流体の成分や流量を変動させることなく回収できるため、
温泉の効能や湯量に影響をもたらさない
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http://e-nenpi.com/article/detail/169143から引用。

ということです。

















http://e-nenpi.com/article/detail/169143より転載

この図だと、まさに、温泉と地熱発電が一体化している感じになっています。

土湯温泉の取り組みは、ぜひともうまくいってほしいと思います。
”1000人以上が視察に訪れている”ということなので、
今まで頑なに反対していた人たちも、
土湯温泉の取り組みが成功したなら、少しは考えが変わるでしょう。

各地の温泉が、地熱発電を採り入れるという動きが広がれば、
次は、本命の国立公園、国定公園です。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4130.html
から、引用したように、
地熱発電の有望な場所の8割は、国立公園や国定公園の中にあるのです。

ある試算によると、
有望な場所を全て地熱発電に利用できた場合の発電量は、
2500万キロワットということなので、
国立公園、国定公園内が2000万キロワット
温泉が500万キロワット
ということになります。
温泉だけというのは、いかにももったいない話です。
国立公園、国定公園でも、工夫すれば開発は可能です。

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地熱流体を運ぶパイプラインの敷設や
地熱利用プラントの建設が地形変更や
生態系への影響をともないます。
これによってその地域の景観が変わることになりますが,
ラルデレロ(イタリアにある地熱発電所)のように,
縦横に走るパイプラインやクーリングタワーなどが
その地域の田園風景とマッチして
パノラマを形成し,観光名所となっている場合もあります。
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日本地熱学会のHP
http://wwwsoc.nii.ac.jp/grsj/whatbook/chapter6.htmlから引用。

このように、建物や構造物のデザインを工夫することで、
景観を損なうことなく、開発することは可能なはずです。
発電所を地下に作る、という方法もあります。

国立公園、国定公園内の有望な場所全部でなくてもいいです。
半分ぐらいは、上記のような工夫をすることで、
地熱発電所を作ってほしいと思います。

そうなれば、温泉とあわせて1500万キロワットは可能になるのです。


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