またぞろトリウムですが… | 朝倉新哉の研究室

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昨日に続いて、トリウム熔融塩炉の話題です。

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トリウム溶融塩発電炉について

トリウム溶融塩発電炉について述べよう。
これは、目下インド、チェコで開発が進められており、
目ざとい中国が3.11大地震の前から開発を進めている夢の原子炉である。

まずトリウム元素について述べる。
トリウム元素は、原子番号90の銀白色の金属元素で、元素記号はトリウム(Th)である。
主な産地は、オーストラリア、インド、ブラジル、マレーシア、タイなどである。
トリウムには同位元素が27種あるが、
天然に存在するのは安定元素ではなく放射性のトリウム232(90Th232)だけである。

トリウムは、ウランと似た性質を持っており、
中性子を吸収すると核分裂を起こし、大量のエネルギーを発生させる。
このトリウムをエネルギー源とする発電炉は、
ウラン発電炉に比べて「次の5つの利点」があるといわれている。

(1)安全である。
  放射性廃棄物が少なくなる。
  発電炉システムが、液体を使うため炉心溶融のような事故が起こる可能性が極めて少ない。

(2)経済的である。
  トリウムを使った燃料からは、
  単位あたりウランを使う場合の200倍のエネルギーが発生する。
  そのため、発電コストが今より20%以上抑えられる

(3)資源が豊富である。
  ウランは、現在のペースで消費すると、80年で消耗する。
  トリウムの埋蔵量は1000年と極めて長い。ただし日本にはない。

(4)発電炉を超小型にできる。
  トリウム溶融塩炉は、10万キロワット程度と小型にし、
  市・町レベルで身近に置くことができる。

(5)しかもトリウムは、「1000年以上使用できる豊富な原料」があるので安心である。
  ただし、欠点として反応時に強いガンマー(γ)線を放出するという問題点がある。
  しかしこれは、炉外周の防護壁を厚くすることによって回避できる。

 このように今後の日本の電力確保に大きなメリットを有するシステムである。

註:現在のウランを使った発電炉は、危険性を内在するため、
  100万キロワット以上と超大型にし、
  過疎地に設置して超高電圧(30万ボルト)で所要地域に送電。

ウラン235の核分裂を使う原子力発電炉は、
「燃料が固体」であるため原料のウランをペレット(直径2センチ、高さ3センチ位)とし、
それを燃料棒に収めて炉に装荷し、中性子を当てて熱エネルギーを放出させ発電するが、
取り扱いの容易性に優れたトリウム溶融塩炉は
「燃料が液体」であるので反応物質の扱いが容易で、反応容器の損傷が少な


ウラン発電施設は
100万キロワット以上のレベルと大型にした方が、送電効率が良いのと、
炉が暴走すると核兵器同様の爆発をしかねない危険性が高いので、
遠隔・過疎地に設置されて来た。
そのため、送電には30万ボルトという高電圧をかけて長距離を圧送するので
それでも途中の損失が大きいのもやむを得ない。

一方トリウム発電炉は
10万キロワットレベルと小型にできて安全性が高いので、
電力使用地域の近くに設置することが可能なので送電効率性が高いのが特徴である。

現在のウラン発電原子炉から放出される廃棄物の中のプルトニウムを抽出し、
トリウム(Th)原子炉に装荷して燃焼させれば、完全に焼却してくれる


一石三鳥の成果を上げることが可能である。以上はトリウム溶融塩炉の概要である。
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38602?page=6から抜粋して引用。
(青字強調は筆者による)


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常圧のトリウム溶融塩炉では水を使っていないので、
万一事故が起こっても軽水炉のように
炉心熔融、水素爆発、水蒸気爆発などは、原理的にも構造的にも発生しません
したがって、放射性物質の飛散は生じません

万一の事故時においても
原子炉を強制的に冷却する必要がないので、汚染水処理の必要がありません

軽水炉の使用済み燃料棒には、処分困難なプルトニウムが含まれています。
トリウム溶融塩炉では、
液体の溶融塩に着火材としてプルトニウムや核分裂生成物を混ぜて使うので、
これらの厄介者を安全に消滅させることができます

つまりプルトニウムの拡散防止と高レベル放射性廃棄物の処分の問題を、
同時に解決できるのです。

軽水炉では、
出力を変動させると燃料棒の被覆管が熱疲労によって破損する恐れがあるため、
発電量を変化させることなく一定出力で運転しています。
一方、溶融塩炉では、燃料棒を使わないため
需要の変化に応じて発電量を自由に変化させる「負荷追従運転」が可能となります。

電力の供給システムを、再生可能エネルギー中心とした場合には、
太陽光発電や風力発電などでは夜間・曇天や無風状態があるため
電力需給をバランスさせることが困難です。
ところが溶融塩炉発電では、需要に応じて発電を自由にコントロールできるで、
再生可能エネルギーの弱点を容易に補うことができます


国家戦略研究








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http://wisterwell.exblog.jp/17509321/から抜粋して引用。
(青字強調は筆者による)


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僕は徐々に脱原発して欲しいと思っている一人です。
将来的には完全に無くなってほしいと思っています。

そういう立ち位置からの意見ですが、
たとえ原発を反対していたとしても、原発に対する考えを一度リセットして、
違う角度から考えてみることも必要だとも思っています。

だから、原発反対派であったとしても、原発の今後を考えるなら、
こういう技術があることも知っておくべきと思っています。

そして、色々な角度から見て知った上で、どうすべきかを考える方が、
高いレベルでの議論が出来ると思います。

感情的に『原子力」と聞くだけで「反対!」となっているだけでは、
見失うものも多く、どんなことでも物事は進まないと思うからです。
本当に安全なら、今までのように使っても大丈夫なはずです。

原発のことで、世の中に「絶対」というのはないということを知ったと思いますが、
それは「絶対に危ない」という考えにも当てはまるでしょう。

実際、偶然かもしれませんが、女川原発は大丈夫だったのも事実ですからね^^;
そういう、大丈夫であった条件を必須にしていけば、
より安全なものを作ることだってできるはずです。
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http://ecolife.tappy-style.com/archives/cat214/post_220/から抜粋して引用。

脱原発の方でも、このように柔軟な考えをもっている方なら、ちゃんと話ができるのです。

そして、そういう方なら、トリウム熔融塩炉のメリットもちゃんと理解して、

「それなら、作ってみてもいいんじゃないか」

と思っていただけるでしょう。

トリウム熔融塩炉の話題は、”国の借金”問題と同様、

賛同してくださる方が多数になるまで、何度でもしつこく取り上げるつもりです。

(マグネシウムの話題も同様です)

2chで、

「汚染水なんて、放射性物質を取り出してトリウム熔融塩炉の中で燃やせばいいんだよ」

というコメントが普通に書き込まれるようになるまで、やり続けたいと思います。

マグネシウムについては、

「太陽光だと発電するだけじゃん。
 マグネシウムなら、発電と蓄電を同時にやってるようなもんだろ?
 だから、メガソーラーなんかより、マグネシウム生成施設作れよ」

という感じのコメントが書き込まれるようになるまで、ですね。


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