引用部1
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「グーグルで『NSC』と検索すると、
吉本総合芸能学院(ニュー・スター・クリエーション)と出てくる…」
5月14日早朝、
自民党の国家安全保障会議(NSC)特命委員会会合で、
あいさつに立った岩屋毅委員長がこう笑いを誘った。
確かに、インターネットで「NSC」を検察すると、
政府が創設しようとする日本版「国家安全保障会議」より、
吉本興業が運営する芸人養成学校「吉本総合芸能学院」の方が先に出てくる。
国家安全保障会議のNSCは
「National Security Council」の頭文字を取っている。
安倍晋三政権が創設を目指す日本版NSCは
米国をモデルに、官邸が主導して中長期の外交、安全保障政策を策定する組織だ。
政府はNSC設置の関連法案を7日の閣議で決定、国会に提出した。
NSC法案のポイントは3つだ。
まず、首相をはじめ3形態の会合を置き、機動的に運営する。
その柱となるのが、首相、官房長官、外相、防衛相による4大臣会合だ。
定期的に会合を開き、政府の外交、防衛の基本政策の司令塔としての役割を担う。
これに加えて、
武力攻撃事態や周辺事態など種類に応じて参集する閣僚をあらかじめ定める
「緊急事態大臣会合」を設ける。
また、9大臣による現行の安全保障会議の枠組みを維持し、防衛計画の大綱などを審議する。
これらの3形態の会議に首相の許可を得て
自衛隊制服組トップの統合幕僚長が軍事的アドバイザーとして出席し、
意見を述べることができるようにしている。
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首相、官房長官、外相、防衛相の4大臣会合ですか。
内閣情報調査室のトップ、内閣情報官は出ないんですかね。
内閣情報調査室(内調)を拡大強化して、そのトップを”情報大臣”のような存在にして、
”5大臣会合”にするほうがよいのではないかと思います。
今の内調は規模が小さいので、
内閣情報官も大臣と同格の立場で会合に出るまでには、なっていないのかなと思います。
いずれは、5大臣会合に発展させるべきだろうと思います。
引用部2
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2つ目のポイントは、
NSC担当の首相補佐官を常設することだ。
これも会議に出席し、意見を述べることができると規定しているのだが、
限定的な権限にとどまっていることには、政府内の一部に反発が上がった。
関係省庁との調整や指示ができないため、担当補佐官にその権限を付与するよう求めていた。
政府高官は
「両極端な意見がせめぎあい、担当補佐官の常設にとどめ、
権限についてはいじらないのが議論の落としどころだった」と吐露した。
今後の運用次第で改善すべき課題となることも考えられる。
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日本版NSCはこれから発足するわけですから、
これは1つ目のポイントとあわせて、今後の課題ですね。
引用部3
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最後のポイントが、内閣官房に「国家安全保障局」を新設することだ。
NSCの事務局として100人態勢の陣容にする。
内閣官房に置くのは、関係省庁との調整機能を担うため、官房長官のラインに組み込むためだ。
トップの局長には官僚出身者を登用し、危機管理監と同格の特別職公務員とする。
局次長には官房副長官補2人を充てる。
以上が法案の概要だが、具体的な組織編成はこれからだ。
国家安全保障局は数十人で発足するが、
いつごろまでに100人規模の態勢を整えるのか明確ではない。
また、
北東アジアや軍事戦略といった
地域・テーマ別の「分析官」を国家安全保障局に置く案を外務省が主導しているが、
国家安全保障局が「情報集約・分析機能」を持つことになり、警察庁が異を唱えている。
警察庁は、
NSCは官邸主導による外交・安全保障政策の立案を目指す組織のため、
政策部門と情報部門を明確に分離し、情報が政策判断に引きずられないようにすべきだと主張する。
外務、警察双方の水面下のバトルは激化する一方だ。
また、危機管理監と並ぶ局長の人事をめぐっても政府内で調整が続いている。
政府のインテリジェンスを一手に引き受け、
米政府の国家安全保障担当大統領補佐官のカウンターパートとなるポストだけに、
それ相応の人物でなければならない。(峯匡孝)
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引用部1~3は、
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130608/plc13060807070005-n1.htm
から引用。
やっぱり心配していたことが起こっているようです。
”官僚の縄張り争い”です。
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佐藤 そもそもインテリジェンスの世界では、組織よりも人なんです。
人材を育てるのが先で、組織をつくるのは最終段階。
まず器をつくって、そこに自分たちをはめ込もうというのは、典型的な官僚の発想です。
それは同時に、インテリジェンスからもっとも遠い発想でもある。
いま新しい情報機関をつくることになったら、日本の最悪の面が出てきますよ。
警視庁と外務省の綱引きになる。
そこに公安調査庁を持つ法務省も割り込んで、
三つ巴の縄張り争いが始まるのは間違いありません。
官僚が縄張りを守ろうとするときは、尋常ならざるエネルギーを発揮しますからね。
そういうことをさせないためには、
組織をつくる前にワンクッション入れたほうがいいんです。
急がば回れで、まずは人材の育成から始める。
国際スタンダードの本格的なインテリジェンス能力を備えた人間を5年間で50人、
インテリジェンスを理解する人間を200~250人ほど育てることが急務です。
それだけのパイを作っておけば、そこから新しい組織をつくることができるでしょう。
その5年間に、器についての研究もすればいいんです。
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『インテリジェンス 武器なき戦争』佐藤優 手嶋龍一 幻冬舎新書 から抜粋して引用。
やっぱり、組織を先に作る、というアプローチは、だめなんですよ。
特に、インテリジェンス(=諜報)の場合は。
だから、当ブログでは、
まず対外諜報をしっかりやれる人材を育成してから、
諜報の司令塔となる国家情報本部を設立しろ、
と提案したのです。
しかし、内調には、すでに国際部門という部署が存在していました。
内調の組織図
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http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jyouhoutyousa.htmlより転載
だから、次善の策として、
人材育成を行いつつ、内調を拡大強化して、諜報の司令塔とせよ、
と提案しました。
しかし、警察庁と外務省の争いが始まってしまっている現状では、
この争いの弊害を最小化して、有効な諜報活動を行えるように、
インテリジェンススクール”平成中野学校”を設立して、
>政府のインテリジェンスを一手に引き受け、
>米政府の国家安全保障担当大統領補佐官のカウンターパートとなるポストだけに、
>それ相応の人物でなければならない。
こういう人物を育成すべきです。
官僚の縄張り争いで、せっかくのNSCを台無しにするな
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