省庁再編の雛型 | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

当ブログの以前の記事で、

国の組織を、”問題に応じて省庁を柔軟に組み合わせて対応する”形にしろ、

と提唱しました。

デフレ脱却のためには、金融緩和と財政支出拡大をセットでやらなければなりません。

金融は緩和していても財政支出は増やさない、などということをやっていては、

デフレ脱却はできません。

景気が過熱気味になっている場合は、

金融引き締めと財政支出削減をセットでやらなければなりません。

1987年から90年まで、政府支出は増えています。

バブル絶頂期の89年でさえ、前年より増えていたのです。

これを知ったときは、驚きました。

明らかに景気が過熱しているのだから、抑えにかからなければならないのに、

火に油を注いでいたようなものです。


金融と財政が足並みを揃えなければ、効果的な経済運営はできません。

しかし、日銀は、”中央銀行の独立性”をタテに、抵抗しているようです。

安倍内閣は、大規模な金融緩和をさせたいのですが、

日銀が抵抗しているようで、「大規模な緩和は来年から」などと言っているようです。

一方、財務省は、支出を増やしたがりません。

こういう問題を解決するには、日銀と財務省の上に立ち、

両者に命令を下せる体制にすべきだと思います。

それが”経済戦略大臣”です。

正式には、”国務大臣”ですが、

国務大臣の中で経済戦略を担当するので、

国務大臣(経済戦略担当)なので、通称、経済戦略大臣というわけです。

現在は、各省のトップは大臣と呼称されています。

これを”主任の大臣”と言います。

内閣法第3条第1項では

「各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。」

と定められていて、○○省のトップを務めるのが大臣であることの根拠になっています。

しかし、憲法では、内閣総理大臣と国務大臣の2種類しか定められておらず、

国務大臣というのは、(内閣総理大臣とともに)

国家全体のことを大所高所から判断するような存在であるようにも読み取れます。

経済戦略を担当する国務大臣がいて、財務省のトップを務める財務大臣がいるとなれば、

どちらも大臣で、同格です。

効果的な経済政策のためには、

”経済戦略大臣”が、日銀と財務省の上の存在であることを明確化したほうがよいと思います。

そこで、省を全て廃止してしまい、庁に変えてしまいます。

すると、庁のトップは、”長官”ですから、”主任の大臣”は存在しなくなります。

財務省を廃止し、”財政庁”と改称し、トップは”財政長官”とします。

各庁の長官より、国務大臣のほうが上である、と定めれば、

財政長官は経済戦略大臣の命令を聞かざるをえなくなります。

このようにすると、日銀と財務省に命令を下せる以外にもメリットがあります。

問題に応じて、適宜、庁を組み合わせて対処できるようになるのです。

以前の記事で、復興庁を改称して、”内閣防災本部”にしろ、

と提唱しました。

今は、復興を進めるのと同時に、東京直下地震や富士山の噴火、東海東南海南海地震などに

備えることも必要です。

復興のために必要な庁、

今後の災害対策に必要な庁、

災害が起こった場合の対処に必要な庁、

これらはそれぞれ違うので、司令部としての内閣防災本部が、

必要に応じて、それぞれの庁に命令を下して対処する、という態勢にできます。

経済問題も同様です。

経済政策の基本は、

日銀と”財政庁”に、このぐらい金融を緩和しろ、財政支出をこれぐらいにしろ、

と指示することですが、

それ以外にも、問題に応じて、庁を組み合わせて仕事をさせることができます。

経済問題に関してそれをやる司令塔が、”経済戦略本部”です。

これの長が、”経済戦略大臣”というわけです。

財務省の権力の源になっている国税庁も、財務省が廃止されるので、

独立することになります。

通常は、経済戦略本部の下にあり、

必要に応じて、それ以外の”本部”から命令を受けて動くということが可能になります。


以前から、この構想を考えていましたが、

防衛省をどうするかが問題でした。

防衛省、自衛隊としては、

「2007年に庁から省に格上げされたのに、また庁に戻るのか」

という思いがあるのではないかと思います。

これを解決するには、

国防総司令部というものを設置し、その下に、

陸上防衛庁
海洋防衛庁 (”海上”でもいいですが)
航空防衛庁
防衛情報庁(現在の防衛省情報本部)
外交庁  (現在の外務省)

というものを置くのがいいのではないかと思います。

(必要に応じて警察庁を指揮下に入れることもアリだと思います)

外交と防衛は密接につながっており、

以前から、外務省と防衛省の上から命令できる形にできないものか、

と思っていました。

上記のような形なら、日銀と”財政庁”と似たような形にできます。

海洋防衛庁には、海上保安庁を統合することも考えています。

諸外国では、日本の海上保安庁に当たる組織は、海軍の中にあることが一般的です。

戦前の日本もそうでした。

そのほうが合理的だからこそ、そうなっているだと思います。

海洋防衛庁の中に、

海保も海自(組織改編が行われるときには”海軍”に改称しているべきだと思いますが)も、

いっしょに存在していれば、尖閣問題での連携もやりやすいのではないかと思います。

昨日の記事のような合同訓練も、陸自と栃木県警ではなく、

”陸軍”と栃木県警になるわけです。

陸でも海でも、警察(海保は”海の警察”です)の手に負えないとなれば、

”軍”の出番となるのは、当たり前の話です。


各庁の長官には、基本的には官僚を充てるのがいいと思います。

必要に応じて、”主任の大臣”と同様に、

内閣総理大臣が(国家議員などの中から)任命できるようにする、

そんな形がいいのではないかと思います。


このやり方だと、いわゆる”縦割り行政の弊害”を、

かなりの程度解消できるのではないかと思うのです。


このように、いろいろメリットが考えられる組織改編案ですが、
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