機密情報流出! | 朝倉新哉の研究室

朝倉新哉の研究室

全ては日本を強くするために…

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130102-00000036-yom-soci

からの引用です。

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「まさにスパイ、ゾッとした」農水機密流出疑惑

狙われたのは、日本の通商政策の根幹に関わる情報だった。

農林水産省で発覚した内部文書流出疑惑。
サイバー攻撃によって日本の機密が丸裸にされていた恐れがあるが、
農水省は攻撃を察知して約1年たった今も、攻撃を受けた事実を公表していない。
国家中枢へのサイバースパイが横行する中で、
日本では対応を各省庁の判断に委ね、国として一元的に情報を管理する体制にはほど遠い。
関係者は「あまりに無防備」と危機感を募らせる。

野田首相
「A案(APEC首脳会議時に参加表明)か、
 遅くともB案(2012年早々に参加表明)で行くしかないな」

古川国家戦略相
「先送りしても仕方ない。11月に参加表明するしかない。鹿野農水大臣には自分から話をする」――。

流出の疑いがもたれる内部文書の一つだ。
11年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、
10月4日午前11時から、当時の野田首相らに農水省幹部が面会した際のやり取りとみられる。
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明の時期が議題で、
同省審議官が「国内や党内が割れる」などとして
早期表明に反対する場面も生々しく記載されていた。

こうした内部文書が漏えいしたという疑惑は約1年前に浮上し、
12年春頃には文書の一部は特定されていたという。

「まさにサイバースパイ。日本の通商政策を盗み見ようという攻撃者の意図を感じ、ゾッとした」
と、同省関係者はこう明かす。
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コラ、「ゾッとした」ですむか。

漏洩しないように、対策とれよ!

漏洩した文書が特定されていたにもかかわらず、

誰も処分されず、何らの対策も打たれていなかったのですから、

そちらのほうが”ゾッとする”事態です。


>国として一元的に情報を管理する体制にはほど遠い。

情報を一元的に管理する体制を整えたほうがいいということですな。

それなら、私が考えた組織改革は検討されてしかるべきですね。

それは以下のようなものです。

現在の内閣府を”国家戦略院”として機能させるような改革です。

(名称は内閣府のままでもいいです)

現在でも内閣府には、内閣情報調査室(内調)というものがありますが、

これは一旦、解体します。

(内調には、警察からの出向者が多いので、
 国家全体の諜報(国家秘密戦)の司令塔として機能させるのには問題があると思うので…)

新たに”国家戦略情報部”(以下”情報部”)を設置します。

各省庁の情報は、各省庁が管理するのと同時に、”情報部”でも管理します。

(各省庁がもつ情報のバックアップをとるわけです)

”情報部”は、国全体の諜報(国家秘密戦)の司令塔であり、

国家の情報を統括する存在と位置付けます。

”情報部”は、国家戦略策定のための情報収集も行うので、

必要に応じて、全ての省庁の情報にアクセスする権限も持たせます。


『国家戦略とインテリジェンス』 奥田泰弘 PHP研究所 からの引用です。
 ↓
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ウォルシンガムの情報活動の特徴と言えるのは、
国内での活動と国外での活動の両方に緊密な連絡を保ったことである。
これは世界的にはきわめて異例なことである。

たとえばアメリカでは、国内を担当するFBIと国外を担当するCIAが対立し、
両者の協力がほとんどなされてこなかったことがよく知られている。
そうでなくとも普通、どの国も、
国内担当部門と国外担当部門のセクショナリズムを打破するのは容易ではない。

にもかかわらずウォルシンガムは、国内の活動と国外の活動を協力させることに成功したのである。
このようなあり方は、その後、他国の情報部には見られない特徴として、
イギリス情報部の歴史を通して見られるようになる。
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ウォルシンガムとは…
国家戦略研究
 サー・フランシス・ウォルシンガム    (画像はウィキペディアより転載)
 (1532年生まれと見られるが定かでない。没年は1590年)
 イギリスのエリザベス1世の秘書長官を務めた人物。
 「イギリス情報部の父」と呼ばれ、 
 その後のイギリス情報部のあり方を決定したといっても過言ではない。


ウォルシンガムの活躍によって、

>国外情勢と国内情勢はつねに連動しているという感覚が、
>イギリス情報部の”本能”のなかに深く刷り込まれることになったのである。

『国家戦略とインテリジェンス』より引用

イギリス情報部が世界の諜報機関の中でも優秀だと言われるのは、

こんな理由があったのです。


現在、日本には対外諜報機関がありません。

イギリス情報部の特長である”国内部門と国外部門の緊密な協力体制”を採り入れるために、

日本の”情報部”には、対外諜報部門と防諜部門を設置し、

両者が緊密に協力しあう態勢を整備しなければなりません。

そのためには、現在の公安警察や外事警察をかなり縮小し、

大部分の人材を”情報部”の防諜部門に移すのがいいのではないかと思います。

軍事情報に関しては、今まで通り、防衛省情報本部が取り仕切りることとします。

(”情報部”の中に、軍事情報部門を設置するほうがいいのかは検討すべきだと思います)


対外諜報部門に関しては、これを設置する前にやることがあります。

当ブログで何度か述べてきましたが、

いきなり対外諜報機関を作るのではなく、対外諜報をやれる人材を育成しなければなりません。

対外諜報は、”組織”より”人”が大事なので、

人材育成を先にやらなければなりません。

人材が育ってきたところで、”情報部”および対外諜報部門の設置に進むという順序になります。


”日本に対外諜報機関がない”

という問題は、単に、”ないなら作ればいい”ではすまないと思うのです。

組織を先に作ってしまうと、

『インテリジェンス武器なき戦争』で述べられているような”省庁間の綱引き、縄張り争い”

が起こります。

そして、人材育成を先に行って、首尾よく対外諜報機関を設置しても、

ただ、単独で設置するだけでは、

イギリスが持つような”国内部門と国外部門の緊密な協力体制”は望むべくもありません。


”対外諜報機関の設置”、”国家の情報の一元的管理”、”防諜の強化(スパイ防止法制定も含む)”

は、互いに連動しており、全てを解決しようとすると、

”内閣府の国家戦略院化”と、

内閣府内に

対外諜報部門と防諜部門と国家情報の一元的管理を行う部署としての

国家戦略情報部を設置する、

という形になると思うのです。

(もちろん、これをやる前に対外諜報のための人材育成をやっておかなければなりません)


日本の国益を守るための政策、国家戦略、あるいは、

国益を増進していくための政策、国家戦略は、

内閣が変わったからといって、そう大きく変わるはずのものではありません。

内閣が変わっても、”日本が進むべき道”は大きく変わるべきではないのです。

『平和の地政学』 ニコラス・スパイクマン著 奥山真司訳 芙蓉書房出版

によると、

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国土のサイズは(他国と比較した場合の)「相対的な国力の強さ」に影響を及ぼすし、
天然資源の存在は「人口密度」や「経済構造」(この2つは政策の形成には欠かせない要素になる)
に影響を与える。

赤道や外洋や大陸との位置関係は、パワーの中心地への距離や紛争地域、
そして交易ルートを決定し、近隣諸国との位置関係は
潜在的な敵と対峙する位置を定義することになり、
これによって領土の安全についての基本的な問題を決定することになるのだ。
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国土のサイズ(つまり面積)、天然資源、人口密度、経済構造、

国の位置関係、交易ルート、

こういうものは、内閣が変わったからといって、変わるでしょうか?

内閣が変わったら日本の面積は変わる?

変わるわけないですね。

内閣が変わったら、日本がもつ天然資源が変わりますか?

変わりませんね。

国の位置関係も変わるわけがないし、

交易ルートだって、石油が枯渇するといった相当な変化がないと変わりません。

面積とか位置関係とか、それぞれの国が持つ基本的な条件というものは、

大きく変わるものではなく、その条件に基づいて導き出される政策も、

そう大きく変わるものではないのです。

”内閣府を国家戦略院に”

と提唱する理由は、民主党政権によって、日本弱体化のための政策が採られたりしたからです。

内閣が変わったからといって、日本弱体化政策を採らせないためにも、

”日本がとるべき政策の基本線はこれだ”

という政策の基本線、材料を提供する機能を内閣府が持つべきだと思うのです。

そういう基本線や材料を整えておくためには、いろいろと情報を収集しなければなりません。

だから、内閣府が各省庁の上に立つ存在だと明確に位置付け、

そのうで、情報機関を持ち、

各省庁の持つ情報にアクセスできるようにすべきだと思うのです。

この体制にすると、いわゆる”縦割り行政の弊害”の問題を

解決するのにも役に立つと思うのです。

それについては、経済戦略に関することとあわせて、改めて述べたいと思います。


対外諜報機関がない、スパイ防止法がない、
という問題の解決のためには、大幅な組織改編が必要なのです。
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