選択の眼 | 虹色金魚熱中症

虹色金魚熱中症

虹色金魚の管理人カラムが詩とお話をおいています。

拙いコトバたちですが読んでいただければ幸いです。

選択の眼

 

 

「闇に落ちるのは簡単」

 

僕の悪魔はそう言った

 

どことなく甘い響きを忍ばせて

 

どことなく悲しい色を潜めながら

 

「僕は綱の上を歩いてるのかな」

 

ぐらぐらと

 

揺らぐ

 

からだ

 

こころ

 

「人は皆、そう」

 

そうなのか、と沁みた

 

悪魔は揺らがないのか

 

自由に飛べる黒い翼

 

それは万能な――

 

「そんなもの、どこにもない」

 

否定

 

悪魔が誘惑の言葉を止め、否定する

 

「全てが許されるものなどない」

 

「君でも?」

 

「悪魔でも」

 

「神でも?」

 

「……おそらくは」

 

伏せた眼を覗くとあの赤い眼が僕を見た

 

「さてどうする?」

 

悪魔が問う

 

この揺らぐ足場を捨てるのか

 

揺らぎながらも進みゆくのか

 

僕は悪魔の指先に触れながらも

 

その手を結ぶことはなく

 

ただ憂いを秘めた眼が

 

僕の行く先を見つめている

 

 
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