シーザーの月 | 空庵つれづれ

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宗教学と生命倫理を研究する中年大学教師のブログです。



話題は、日々の愚痴から、学問の話、趣味(ピアノ、競馬、グルメ)の話、思い出話、旅行記、



時事漫談、読書評、などなど四方八方に飛びます。

また1ヵ月以上ブロサボしてしまいました。。。

なんだかんだと言っているうちに、もう 7月!!!
今年も半分過ぎたことになります@@・・・早すぎ・・・

ところで、みなさんは英語を習い始めたとき、毎月の呼び名がなんでこんなに

バラバラなのだろう(?)と思った(腹が立った)ことはありませんか?


日本語だと、1月、2月、3月・・・・とただ「月」の前にそのまま数字を入れるだけ

でいいのに、なんでJanuary, February, March,・・・・・・・などと覚えなければ

ならないのか? と。

(曜日などは言い方は違うものの、全部~dayになっているので、日本語と同じ

ですよね)

そのわけは、大学に入ってから、暦についての本を読んで知ったのですが、
簡単におさらいすると、

最初、ローマ建国の祖といわれるロムルスの暦では、
1月から順に、Martius, Aprils, Maius, Junius, Quintilis, Sextilis,
September, October, November, December となっていました。

これは、1~4月までが神の名前(軍神マルチウス、愛の神アプリリス、農耕の神マイウス

女性の守護神ユニウス)で、5月以降は「~番目の月」という呼び方になっています。

実はこの時はまだ月は10月までしか名前がなくて、11月と12月は農閑期で何もしないから

名前もつけてもらえなかったのです。


それではかわいそう(?)だというので、次のヌマ暦では11月と12月にそれぞれ、
Januarius, Februariusという神の名前がつけられたのですね。

ところが、この11月のJanuariusの名のもとになった神ヤヌスは双面の神で、二つの顔をもち
過去と未来を見据えていることから、1年のはじまりにふさわしいのでは?と誰かが言い出したよ
うで、改訂版では、昔の11月が1月になってしまったのです!

(それで、本来は「7番目の月」という意味であるSeptemberが9月に、「8番目の月」という意味

であるOctoberが10月になってしまった。タコは8本足でオクトパス、音階の8度(ドから一つ上の

ドまではオクターブと言いますので、Octが8であることを知っている人は多いでしょう)



はい、ここから権力者の横暴が始まります!!

まず、かのユリウス・カエサル(シーザー)。
彼は、閏年を導入するという合理的な暦改革も行ったのですが、
自分の権威を誇示するために、7月に自分の名前をつける
という
アホな(迷惑な)こともやってくれました。


それで7月がJulyになってしまったのです。


こういうのが迷惑なのは、必ずマネをする奴が出てくるところ。。。

その通り、ご存じカエサルの妹の孫のアウグストゥスがシーザーの向こうを張って、
8月に自分の名前をつけてしまったので、Augustとなりました。

しかも、8月はそれまで30日しかなかったのですが、アウグストゥスはそれが気に入らず、
2月(29日までだった)から1日とって、8月を31日にしちゃったのです!

なんで7月と8月とふた月続けて31日なんじゃ~~~?と思っていた人も多いはずですが、

アウグストゥスのシーザーへの対抗心のせいです、ハイ。

(ただでさえも日の少なかった2月から1日取るなんて、2月があまりにもかわいそうでは

ないか、と2月生まれの私は同情するのですが・・・)

ま、こういうわけで、ヘンテコな(覚えにくい)現在の月名が成立したということですね。



つくづく、日本語はなんと合理的なんだろうか!! と感動するばかり。


そういえば、数の数え方もそうですね。

日本語は10進法と対応した数の数え方なので楽ですが、

英語だと微妙に12進法が入っている(11と12だけ、13以降の言い方と違う)し、

フランス語になると、それに20進法が入っていたりして、たとえば97だと、

「4×20と17」みたいな呼び方をしないといけない・・・・・・


これじゃあ、子どもが算数などできるわけがないですね!