2016年10月25日から11月3日まで、東京の六本木の映画館で第29回東京国際映画祭が開催されました。その中の催し物の1つで、2年前から国際交流基金アジアセンターが「CROSSCUT ASIA」と称し、アジアの国の1つの国の映画を集めて上映する企画があり、今年はインドネシアの映画を特集しました。日本でインドネシアの映画が上映されるのは1年に1回あるかないかですから、良い機会なので時間の許す限り観ましました。

 

インドネシアの映画というと、私がジャカルタに駐在していた1990年前半頃はスハルト政権末期で、スハルトは徹底的に報道管制を敷いて表現の自由が制限されていたこともあり、あまり発展しなかった事情があります。ジャカルタにいたとき観た映画はアメリカ映画ばかりで、インドネシアの映画に縁が無かったのですが、アメリカ映画もカットされている部分がありましたから、当時インドネシアで作られた映画は、政治に差し障らない娯楽的な映画が主にならざるを得ないようでした。

 

今回日本で上映された映画のほとんどは、スハルト時代以後に育った30代から40代前半の映画監督が多く、これは日本でもいけるのではと思うような面白い映画がありました。今でもインドネシアはイスラム教の関係でどんなものでも上映できるとは限らないようで、上映された映画の中には未だインドネシアでは上映されてない映画もありました。

 

そこで私が観たインドネシア映画をいくつか紹介していこうかと思いますが、まずは「三人姉妹 Three Sassy Sistersです。若い三人姉妹が長女から順番に幸せな結婚をすることを望んでいるお祖母さんの考え方と、現代に生きる若い三人姉妹との思いのギャップが面白く描かれていました。時代の変化を描く映画はどこにでもありますがインドネシアもその例外でないことや、最初のオープニングのシーンで三人姉妹の乗ったタクシーが、ジャカルタの交通渋滞に巻き込まれてちっとも進まず、イライラして途中で降りてしまうところは実感が沸きます。

 

(左から三人姉妹の出演者、プロデューサーと監督)

 

映画の舞台は三人姉妹のお父さんがホテルを経営しているフローレンス島で、フローレンス島の実際のパサール(市場)でミュージカル調に三人姉妹が踊ったり、島の雄大な大自然の美しさが、スクリーンいっぱいに映し出されたりするところは見応えがありました。フローレンス島というとバリ島より東にある島で、なかなか行くチャンスのないところですし、インドネシアの自然の景色はとても美しく、日本にいながらにして旅行を楽しめたようでした。他の映画のことは別途アップします。

 

(上映後のトークショー)

(@六本木ヒルズ)

 


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