話題の映画グラントリノ、

皆さんのレビュー読むととっても満足!

なのでわたしはストーリーというか、いろいろ知りたかったことを

ここでつらつらと列記していきます。とっても長いです。(汗)


がっ!結構ネタバレしてますので未見の方は注意してください。

普通に感想読みたいという方はこちら へ。


主人公が交流する民族~モン族(Hmong)~


「モン族」は自称ではなく漢民族による呼称である。

日本では漢語表記のミャオ族(苗族)と呼ぶこともある。

しかしミャオ族自身はモン族を自称し、中には「ミャオ」の呼称を嫌うものもいる。


このため中国などのミャオ族居住諸国以外では、

ミャオ(東南アジアでおおむねは「メオ」と呼ぶ)を蔑称として、

公式の場では自称であるモン族と言う呼称を使う傾向がある。

ただし、ミャオもモンも語源は同じと考えられている。


劇中ではクリント・イーストウッド演じるコワルスキーが

スーに「ミャオ族」といいかけて「わたしたちはモン族よ」と正されるシーンがある。

彼らは誇りを持ってモンと自称している。



愛情いっぱい!家族ブロ!


ちなみにもう1つモン族(Mon)と呼ばれる民族がいる。

ハリプンチャイ王国を建てた民族 で"Mon" もモン族と呼ばれる。

東南アジア研究者の間では蔑称を避け、

ミャオ族をモン族と表記することが一般的であるため、

著作などでは必ずどちらのモン族について言及されているか断りが入っているのが普通である。


ベトナム戦争が終わると、

アメリカ軍に協力していたモン族が難民としてタイに流入した。

アメリカ政府などが難民受け入れ発表し、

アメリカ合衆国、フランス、フランス領ギアナへ移住が行われた。

現在まで、難民キャンプ生まれの者を含めると10万近く移住した。

主な内訳は以下のようになっている。

  • アメリカ合衆国:40,000人以上
  • フランス:6000-8000人
  • 中国:2,500人
  • オーストラリア:500人
  • カナダ:200人
  • アルゼンチン:100人

合衆国内ではカリフォルニア州、ミネソタ州、ウィスコンシン州などにコミュニティが存在する。

2006年の調査では二世三世含め21万人がアメリカ合衆国に在住している。


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舞台となった街~ミシガン州デトロイト~


ミシガン州(Michigan MI)は、アメリカ合衆国北東部に位置する州である。

州の北と東はスペリオル湖・ヒューロン湖を挟んでカナダ国境に接し、

西はミシガン湖越しにウィスコンシン州に、

南はインディアナ州とオハイオ州に接している。

自動車工業発祥の州として知られているが、

五大湖のうちの4つに囲まれているという地の利もあり、

アメリカ・カナダの両方からの観光客が多い州でもある。


ラストにグラントリノが疾走するシーンは湖沿いを走っているのですね。

その先にはカナダが・・・



デトロイト(英語:Detroit、フランス語のDétroit:地峡部の意から)は

アメリカ合衆国ミシガン州南東部にある都市。

南北をエリー湖とヒューロン湖に挟まれており、東はカナダのウィンザー市に接する。

愛知県豊田市と姉妹都市関係にある。



愛知県豊田市と姉妹関係!

劇中疎遠になっている二人の息子のうち、一人はトヨタのセールスマンとなっている。

イタリアのトリノとも姉妹都市。

もちろんグラン・トリノのトリノだ。


ということでここは自動車産業の街。


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デトロイトの自動車産業


1899年に自動車工業が興る。

そして1903年にヘンリー・フォードが量産型の自動車工場を建設、

「T型フォード」のヒットとともに全米一の自動車工業都市として発展した。

後にGM、クライスラーが誕生、フォード・モーターと共にビッグ3と呼ばれた。


市はモーターシティと呼ばれるようになり、

全盛期には180万の人口を数えた。

その半数が自動車産業に関わっていた。

だが1970年代頃から安価で安全、コストパフォーマンスに優れた日本車の

台頭により深刻な打撃を受けると、企業は社員を大量解雇、

下請などの関連企業は倒産が相次ぎ、

市街地の人口流出が深刻となった。


同時に、ダウンタウンには浮浪者が溢れ、

治安悪化が進んだ(インナーシティ問題と呼ばれる)。

日本がバブルを謳歌していた頃、特に市況はどん底に陥っていた。


事態を重く見た市は、1990年頃から大規模摩天楼が林立する

ルネッサンスセンター(GM本社)をシンボルに都市再生を目指す。

ダウンタウンにはピープルムーバーと呼ばれる新都市交通が設けられている。

基幹産業の自動車産業も最悪の事態から持ち直してきており、財政は改善されつつある。


だが依然としてダウンタウン周辺の空洞化は続いており、具体的な解決を見ていない。

富裕層は郊外に移住、貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。

荒廃した地域では一戸建ての家が1ドルで販売されているところもある。


2006年現在、GMやフォードの財務体質および業績は悪化しており、その影響が懸念される。

原因は国際的な原油価格高に伴うガソリン高騰で、

燃費効率に劣るアメリカ製自動車が売れなくなったためである。


ビッグ3、ますます悪化していることは間違いない。

日本車はここでは悪役!


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タイトルロールのグラン・トリノについて


映画に登場するのは1972年型のグラン・トリノ。

コワルスキーはいつもピカピカに磨いて新車同様に扱ってる。

とても大切にしていることがよくわかる。



愛情いっぱい!家族ブロ!-絵になる車だ。


でも彼がグラン・トリノに乗るシーンはいっさいない。

いつもしょぼいトラックに乗ってる。



愛情いっぱい!家族ブロ!-いつも乗ってるのはトラック


コワルスキーはけして裕福なほうではなかったろうと思う。

地道に働き、退職金でこの車を買ったのか・・・・


最初は本当にお飾りみたいにガレージに眠らせていたこの車が

盗まれそうになったことは最初は怒りを覚えただろうが、内心は嬉しかったのではないだろうか?


タオと仲良くなってからも何度も「俺の車盗みやがって」と言ってるのも

そんな感じ。

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コワルスキーは庶民派


コワルスキーはビール党。

飲んでいるビールは安値で有名なんだそうだ。

バプスト・ブルー・リボン。

「ブルー・ベルベッド」でデニス・ホッパーが「ハイネケンなんかくそくらえ!」(うろ覚え)

とか言いながら飲むのもこれらしい。


タオの家でごちそうをふるまわれて

スーにビールもあるわよ!と誘われるが「俺の銘柄がねえな」とつぶやいてる。


タバコは何を吸っていたのかな?

最初のシーンからしきりとツバを吐いていたが、

あれは行儀が悪いわけではなくて、多分肺がん。血痰を吐いたりするし。

主治医は3年も前に他の病院に移っている。だから病院に来たのは久々だったはずだ。

かなり進行していて末期なんだろう。

奥さんが亡くなって間がないのだが、わたしは彼は奥さんにも隠れて

ずっと吸っていたと思った。なぜなら犬のデイジーに

「家の中で吸うのははじめてだ」と言う台詞があるから。


主人公はすでに老い先が短い。

なのになお、残り少ない限りある命として設定されている。

だからこそ、タオに懺悔するシーンが生きるのだ。


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第七騎兵隊~コワルスキーが持っていたライター~


白人対ネイティブ・アメリカン。

リトル・ビッグホーンの戦いが有名。

第7騎兵隊はジョージ・アームストロング・カスターの指揮のもとリンカーン砦で

ネイティブ・アメリカンと戦いを繰り広げたのだ。主にスー族が強かったらしい。

そこで隊は全滅した。


劇中、何度もコワルスキーがグルルと唸ると、マーチングドラムのような音楽が鳴るが、

この歴史と重ねあわせているのだろう。


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そう、元はアメリカ人たちもアメリカ大陸にやってきたよそ者。

リーダーだったカスターはインディアンに殺された。

しかし彼はあたかも英雄のように長らく祭り上げられていた。


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コワルスキーは朝鮮戦争で上官に命令をされていないのに、

自分の意思で若き兵士たちを殺した。

その数は13人以上。


その罪の意識とこの第七騎兵隊のマークのあるライター、そして

勲章・・・・・人を殺してもらった勲章は彼の足かせとなっていたのだろうか?

それならばなぜ最後の行動に出る前にタオに勲章を託した?


「人を殺して勲章なんかもらっちゃいけないんだ」

なんて重みのある言葉。


ちなみにクリント・イーストウッドは今年、日本から勲章を授与されている。

映画での功績がたたえられたんだから、これは本当によかった!おめでとう。


自分自身の贖罪というテーマ。

そして先住民と移民との共存と若い世代へ受け継がれるべきものは

何なのかということも語っている。へそ出しルックの孫には何もあげない(爆)

移民もすべてアメリカ人である。

アメリカという国そのものではなくアメリカの精神を描く。


タオやスーに心を開いたコワルスキーが出来ることは

若者たちに古きよきアメリカンスピリットを受け継いでいくことだ。

移民の2世3世にとっての祖国はアメリカなのだから。


ポーランド系アメリカ人のコワルスキーの家には

いつも星条旗がはためいている。

彼の周りにはイタリア系、アイルランド系の古きよき友人たちがいる。

悪態や毒舌を吐く間柄、これで結構いい奴らなんだな。

江戸っ子に通じるものがあった。(笑)


モン族のギャングであるスパイダーたちに

「俺のでっかいライターが火を放つぞ」とおどし、本当にライターを取り出す。

彼らがもちろん銃を取り出すことを承知で。

コワルスキーが銃を持たない一市民であるということで

彼らにはかなり重い法の裁きを受けさせることができるだろう。


「このままではスーやタオには休まる日が来ない」

「モン族の女は大学へ。男は刑務所へ」

そして自分自身の罪を懺悔し終わった。


このあたりは衝撃のラストとか史上もっとも優しいラストなどと

言われてはいるがそれほど衝撃はなく、むしろこうなるのは予見できる。

しかしいろんなテーマが折り重なってて丹念にモン族との交流が

描かれているので味わいがより深まる。


~以上wikipedeaより引用、抜粋~


なんかね、もっともっと探っていきたいテーマがてんこ盛りな作品。

やっぱりクリント・イーストウッドは人生の先生だね!