別所英和は曲作りに関しては一曲入魂型の為、一曲製作するのに時間がかかる方である。

 

曲を作る時、何から手を付けるかはアーティストそれぞれの個性が出る。俺は類い稀な方であり、オケ→歌詞→メロといった順序である。歌詞とオケの順は入れ替わる事もある。メロは必ず最後。

 

オケ、すなわちコード感、ルート感、ビート感で世界や空間を作り、そのオケから連想されるないし生まれるイメージを歌詞に起こし、それにハメるメロを考える感じ。

 

この行程、本当に効率が悪い。が、音楽で表したいことがそういったことの為音楽性というか芸術性が重視されていると言えよう。

 

一聴するとロックミュージックである為気付きにくいかと思うが、インスタントな音楽でない事がわかって頂けると尚嬉しい。

 

なかなか必然的に大量生産が難しい方法である。自分から出て来るものを、自分から出て来るエネルギーで作っているので燃費が悪いです。音像を作るだけではやる意味がない。というね。この、頑固者。そう、頑固者なんでしょう。

 

学生時代、作曲やレコーディングに時間が掛かっている状態を「YOSHIKIか!」と突っ込むトレンドがあったが(X JAPANのアルバムレコーディングに3年掛ける程こだわる天才的エピソードがある)この時間を掛ける様、まさにYOSHIKI状態である。

 

「DAHLIA」制作時のエピソードだったかと。

 

パッと出来る曲も稀にある。大体披露するに至らずお蔵入りにする事が多いが、リリースすると評判がよかったりもする。近々で言えば3rdの「たまに浴衣美人」という曲がそう。昨今のGIGではなくてはならない祭囃子ビートである。確か一日で出来たと思われ。

 

奥田民生が「マシマロ」という曲でMステに出ていた時の話で「拘って作ってこれだって曲が全然売れなくて、こうやって簡単に出来た曲がなぜか売れちゃうんですよ。歌詞なんか適当すからね」というような事を言っていたと思う。

 

だからこの様な状態を「奥田民生のマシマロみたいやな」と言っている。小野君辺りにはそろそろ浸透していると思われる。強引に浸透させようといている感覚は否めない。

 

「たまに浴衣美人」は「マシマロ」。