ネット上の中傷の削除代行業は非弁で違法 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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東京地判2017/2/20を獲得したのはIT弁護士3銃士の1人、中澤佑一弁護士です
http://mainichi.jp/articles/20170221/ddf/041/040/011000c

 上記判決によれば、削除代行業者が適法に行える行為の範疇に、プロバイダーなどへの削除請求は含まれません

 では、書き込み被害者が直接プロバイダーなどへ削除請求する際に、削除代行業者が対価を得て助言することは非弁に該当しないのかまでは上記東京地判2017/2/20では説示されていないのですが、適法かどうか微妙な領域といえるでしょう。
 なお中澤佑一弁護士の勤務する法律事務所では、削除代行業者への返金請求訴訟を当面の間着手金無料で受任するようです  http://sakujo.jp/?p=1362
 

 

 2017/2/27読売新聞夕刊では、削除代行をめぐるトラブルとして、1サイトあたり5万円の料金設定をしている削除代行業者に削除を依頼したが、頼んでも頼んでも別サイトが立ち上がってくるので、40万円トータルで支払ったものの、いたちごっこで完全に削除できなかったというエピソードが紹介されています。
 実際、ネットにあがった情報は複製が簡単で拡散も異様に速いので、完全に削除されないリスクが高いのは現実です。受任の際にも「特定のサイトを消すことはできても、情報そのものをネット上でなかったことにするのは至難」といわざるを得ない面があります。

 

 また、削除代行業者のマッチポンプ手法が問題視されたこともあります
http://www.j-cast.com/tv/2012/01/18119148.html?p=all

 

 そもそも法的に検索サイトにサジェストしないよう裁判所が命じうる基準も最高決2017/1/31ようやく明らかになったのですが【当該事実を公表されない法的利益が、検索結果を提供することよりも明らかに優越する場合】に削除できる場面を限定しており、忘れられる権利への配慮が非常に弱いなという印象を持ちました。
 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/482/086482_hanrei.pdf

 

 IT弁護士3銃士の残り2人神田知宏弁護士(上記最高決の被害者代理人でもある)と、清水陽平弁護士、さらにはろくでなし子さんの刑事弁護人である山口貴士弁護士による、上記最高決へのコメントもあります。
 ネットの世界は成文法が全く不十分で判例法形成による司法解決が図られており、この分野に関心を持つ弁護士はIT弁護士3銃士に続けて、日々の切磋琢磨が大事です。
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/google-results-privacy-saikousai-20170201?utm_term=.xaxQOK2wg#.qeOaoDAMB

 

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