メッキ剥離
塗装する際に、元々メッキされていたカバー類の場合は、メッキを剥離する作業が必要となります。
塗装の剥離と違って簡単とは言えない作業となります。
手順は公表いたしませんが、弊社ではきちんとした剥離作業を行っております。
問題は、弊社以外で再塗装されているカメラの再塗装をご注文いただいた際に、塗料を剥離してみるとこの画像のようになっている場合があるのです。
どのようになっているかお分かりでしょうか?
これはライカM型の下部カバーです。
一枚目の画像の外側は剥離してあり、二枚目の画像の内側は剥離されていません。(弊社が剥離した場合には全体くまなく剥離いたします)
この剥離方法は、紙やすりでゴシゴシとメッキを削り取っています。当然弊社ではそんな方法では剥離しません。この剥離方法の問題点は、地金が薄くなってしまうということです。実際にこの下部カバーや、このボディの上部カバーを触ってみると、金属特有の重厚感がなくなってしまい、ペラペラの感触になってしまっています。それは部品単体の状態ではもちろんのこと、カメラとして組みあがった状態でも同じように感じます。
お客様に聞いた話では、「オークションで比較的安く塗装してくれるところに出したらこうなってしまった」とのことで、「塗装自体も満足できるような仕上がりではなかった」ということで、弊社に再塗装としてご相談されました。残念ながらこのカバーは復活することは不可能ですので(再塗装しても質感が良くなりません)、弊社在庫の中古カバーと交換いたしました。またこのカバーは世の中に出回らないように、お返ししない約束にてご注文をお受けいたしました。
また、こういった事例は決して少ないわけではなく、頻繁に目にする機会があります。まだライカの場合には比較的地金が厚いのですが、もう少し薄いニコンFやSPの場合ではもっと悲惨な状態のものも見ています。厚さ0.2mm程度になってしまっているカバーも見たことがあります。
弊社では、なるべく地金を傷めないような剥離処理を行っております。その上で丁寧に表面処理をし、塗装を行います。きちんとした手順で行わない再塗装はカメラを傷めるだけです。再塗装をお考えの場合には、是非弊社にご相談ください。
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