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発達障害の特徴を語るときに「人の気持ちや感情を、(文脈・表情や身振りなどから)読み取れない」といわれることがありますが、これも誤りではないと思うのですが、より正確な表現があるように、ぼくは感じます。むしろ、「他人の行動から伝わる気持ちに対して、『わたしはそれを受け取りましたよ』という態度・言動が出来ず、トラブルになる」ではないかと感じています。このことについて、今後何回かに渡って考えてみたいと思います。

まず最初にお話したいことが、
僕の印象からすると、成人の発達障害者の多くは、
「人の気持ちを読み取ろう、意図を感じ取ろうと、
 懸命に神経を高まらせて努力している人たちで、
 むしろ、そこまで気遣うのはしんどいのでは!?」
と感じるような人たち
です。
なのに彼らは、「気遣いがない」
「気持ちを分かってくれない」と言われてしまう。
それはなぜだろう・・・というのが今日の記事なのです。

たしかに、文脈・表情や身振りの読み取りには、
苦手を抱えていると思うんです。
しかし、発達障害者も青年期・成人期に入ると、
論理思考で補って、
ある程度相手の感情を読み取れるようにはなってこられます。
でも、そうであっても「あなたは判ってくれない」
と言われてしまう実態
を、僕は感じます。

ここにひとつの特性のワナがあるようにも感じます。

つまり、「気遣いが足りない」とか、
「あなたは察しが悪い」とか、
「気持ちを汲んでくれない」とばかり周囲から言われると、
「自分にはそんなところがあるんだ、
 
何とか気配り・目配りを欠かさず、
 気持ちを読み取っていかないと、
 仲間に入れてもらえない」
と言う思いばかりが、
ピンポイントに当事者さんの頭に残ってしまうよう
に思います。

【違った視点で見るために・・・】
ここで一つのエピソードを紹介します。

僕はグループワークなどで
親御さんのお話を聞くことが多いのですが、
前日あれだけ言い合いをしたのに、
 翌日になるとケロッとしている

と言う話を複数の方からお聞きします。

こうした行動は、おおむね2種類の誤解を招いているようです。
ひとつは「なんだ、大して堪えていないんだ」と言う誤解です。
「では、もっと言ってやらねば」となって行きます。
これも大変多いと感じます。

もうひとつは「なんだ、あれだけ言ったのに、
なんとも思っていないんだ」という怒りの感情
です。
「しれ~として、平気なんだね」と気分を害するわけです。
この感情のこじれも、大変多いと感じます。

【それぞれの考え方の違いからでる行動差】
ここに何が起こっているかと言うと、
発達障害者と定型発達者の思考の違いが
行動化している
と、僕は思っています。

簡単に言うと、
定型発達者は、自分の行動を決めるときに、
相手目線を考慮する事が多く、
自分の気持ちを相手に伝えることや、
相手の気持ちに自分が反応している事を、
また相手に伝えようと言う意図を、
わざと、行動に出す特性が有る
という事です。

反して言えば、発達障害者はこうした考え方、
行動言動が乏しいため、誤解を招きやすい
と言えるでしょう。

つまり、定型発達者の場合、
例えば昨日のケンカについて、
「相手は、ずごく怒ってたなぁ。
 あの様子だと、今朝はシュンとしていないと、
 もっと怒らせてしまうぞ
」とか、
「昨日は激しいけんかになったなぁ。
 あれだけ言い合ってしまったんだから、
 これで今朝は平気な顔をしてしまうと、
 『ちょっと言い過ぎたかなぁ』と言う自分の思いが、
 相手に伝わらなくなる。
 それじゃ余計に、ケンカは収まらないから、
 今日はおとなしくしておこう
」などと考えるのでしょうね。

もっというなら、こうした思考は、
ほぼ無意識で行っているので、
当人も深く考えているわけではないのが定型発達者であり、
それでも行動・言動に出て行くのが特性だと言えるでしょう。

こういう特性を持つ定型発達者からすると、
「翌朝、平気な態度」の当事者さんを見ると、
「なんだ、また堪えていないのか」
ともっと言ってやらねばと思ったり、
「相手はそんな気遣いもないのか」
と感情をこじらせるわけです。

つまり、ここで大事なのは、
相手の気持ち・感情を読み取ることだけではなく、
「そこを受け取ってますよ」「私は気にしていますよ」
という態度が相手に伝わることの方
ではないでしょうか。
このことが出来ないばかりに
冒頭のような言われ方をすることが多いのに、
「気持ちを汲んでくれない」とばかり言われるので

ただでさえ、無意識ではこうしたことが出来にくい特性があり、
意識下で必死に論理思考で読んでいる当事者さんが、
「もっと、相手の気持ちを正確に読み取らなければ」
と過剰適応に走っている現実を僕は感じる
のです。

大事なのは、「相手の感情を読むこと」以上に、
「読み取った感情を『そこを受け取りましたよ』と、
相手に返して行く事」ではないかと思います。

ここを考えて行動していくと、
それ以上に過剰に周囲に過敏になる必要がなくなるほど、
相手は「この人は分かってくれる」と返してくるのではと、
僕は思っています。

この点について、一度当事者さんも
意識してみてはいかがでしょうか。

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