【日本ブログ村】クリック励みになります!

週末マスコミに「発達障害を予防・防止する」という刺激的な言葉が走り、ツイッターやその他のネット環境は加熱しています。この考えには大いに違和感を感じますが、「発達障害の二次障害を予防する」と言い換えれば、途端にやるべきことが見えてきます。しかし、そこにあるのは発達障害児・者の尊重です。彼らの人格を教育で変えたり、矯正するようなものであっていいはずはありません。今日はそこを記事にします。

発達障害者を苦しめているのは二次障害です。
二次障害を知らない方のために言い添えますと、
本来、発達障害そのものの特性ではなく、
発達障害の特性に、周囲の好ましくない関わりが
加わると起こしやすい自己否定感の蓄積と、
精神的負担が起こす精神疾病だと考えればいいでしょう。
またさらに症状が進むと、
他者否定、社会不信へと発展する場合もあります。

こうした自己否定感の蓄積は、
彼らの人生を大きく変えてしまいます。
「何をやっても上手くいかない」
「周囲は、自分を否定的にしか見てくれない」
「誰も自分の事を分かってはくれない」
と、その人の可能性を封印してしまいます。
受け取り方が全てネガティブになり、
生きる事への意欲すらあいまいになっていきます。

かつては発達障害の概念が無く、
多くの発達障害児が二次障害に追い込まれ、
不登校や引きこもりを起こしました。
今の成人発達障害者の就労率は、
アルバイトを含めても3割をきるという報告もあります。
二次障害を起こした発達障害者は、
社会自立が出来にくくなると言う深刻な問題
があります。
ニートの中にも結構な割合で顕在すると言います。

つまり、発達障害者を二次障害に追い込むことは、
福祉費を増大させることになり、
国家の損失になるわけです。
発達障害支援の先進国である英国では、
支援すれば納税者、放置すれば生活保護者
という言葉があるくらいです。

彼らは、その能力に偏りがあり、
いわゆる総合職のような働き方が苦手です。
しかし、特定の得意を生かした就労をすれば、
会社の役に立つ社員として十分働いていけます。

さて、では発達障害者が二次障害を起こさないためには、
何が必要なのでしょうか。

【幼児期、学童期の支援】
まずは幼児期に早期発見し、
障害がある事を前提に育てることだと考えます。
これがまずは基点です。

次に発達障害者の一番に苦しめるのは、
熱心で理解の無い支援者」だと言われます。
また次によくないのが「放置」だと言われます、。

発達障害児は、ほうっておくと、どうしても集団行動を外れます。
また、不器用で学習障害を併発している事も多く、
特に小学校低学年時代は、
教科学習にも苦労することが多いです。

黒板の書き写し、漢字の書き取りが苦手だったり、
先生の指示の通りが悪く、
忘れ物が多かったり、片づけが苦手だったりします。

そんな彼らを厳しくしつけなければと
感じる教師も多いかもしれません

でもこれが「無理解で熱心な指導」なのです。

これらの苦手にはすべて障害特性と言う原因があり、
本人の努力では改善できないことが多いです。
改善できるとするなら、
それは時間の経過と成長で補うことになります。
ですから、特に小学校低学年においては、
つまずいている子達に対し、
見守りながら、少しずつ能力を伸ばしていくために、
支援者はあたたかく応援するような姿勢が必要
となります。

【早思春期の支援】
また小学校高学年から中学に掛けては、
独特の幼さから、周囲が身に付けていく
社会性の獲得が遅れます。
周りが気付いて行く事に、
ひとりぴんと来ないようなことが多発するのです。
そのため、早思春期の発達障害児は孤立しがちです。
特に女子でこれは深刻です。
生徒間でのコミュニケーションが上手くいかないなら、
教師だけはその子の理解者として、
「私だけはあなたの事を判っているよ。
 いつも困っているけれど、頑張ってるよね」
と見守ってあげて欲しいし、
その思いを伝えてあげて欲しい
のです。

【高校から大学へ】
そしていよいよ、高校・大学へと進むと、
周囲が獲得し始める自己アイデンティティーが固まらず、
どこか自信なさげで、立ち位置の定まらない悩みがやってきます。
友人関係でも、こうしたことは悪影響となり、
どうしても孤立しがちです。
男子はこの頃に孤独を痛感する事が多いようです。

また、大学などはそれまでの学園生活と違い、
定まった教室もなく、カリキュラムも自己選択なため、
計画する事やあいまいな目標が苦手な彼らには、
辛い時期になります。
大学というところは、
基本自由に本人の意思でやっていくところですが、
だからといって、彼らに手助けをしないことは、
放置になってしまいます

発達障害者に一番悪い関わり方です。

そして、獲得が遅れる自己アイデンディディーですが、
その理由の一つとして、
社会に普通にいるだけでは否定的は関わりばかりを受けがちで、
一向に自己肯定感は高まらず、
自分否定の自分観と言うか、人生観がつみあがります。
これを防止するには、
心理支援が必要になると僕は考えています。

ある種、人工的に守られた環境で、
本来の人格の良さ、真面目さを再評価してもらえる関わりの中で
自分自身のよさを見直し、苦手を真に受入れ、
自分なりの生き方の基準を見つける必要がある
のでしょう。
そんな機会を高校生・大学生の時代に得た発達障害者は、
きっと社会自立も安定就労も出来る
だろうと、
僕は思っています。

このように、幼児期から青年期へと
一貫した見守りと支援があれば、
発達障害者は、その本来の真面目さや熱心さや、
その高い知的能力を生かして
社会の必要なコマになれる人たち
です。

彼らが、引きこもりや不登校を起こすのは、
(親が主因であるケースもありますが、)
親だけが原因ではなく、
学校などの教育環境や、
ご近所や親戚などの周囲の不理解も、
大きな影響を与えているのです。

中々集団に上手く入れない子。
苦手があって、皆ができる事を上手くこなせない子。
いわゆる不思議ちゃんというか、
どこか周囲とスレを起こす子。
でも彼らには大きな可能性があるのです。
そんな彼らを「あの子何?」「どうしう躾をしているの」とはじけば、
親や教師は躍起になってしつけをしなければならなくなり、
その関わりは「無理解で熱心な指導」になってしまいます。
また、必要な支援を必要な時期に出来なければ、
「放置」となってしまいます。

先天性の発達障害者が二次障害を起こすのは、
各時期に必要な見守りや支援がなかったからです。
彼らは少し手はかかるかもしれないけれど、
手を掛けただけの価値がある人たちだとぼくは思っています。
彼らほど純粋な人たちは居ないと、思うのです。

今世の中は厳しいです。
ふるいが何段階も在り、そこからすり落ちると、
復活のチャンスはそうありません。
そんな社会の中で、浮上するチャンスもなく、
あがいているのが発達障害者なのでしょう。
人減らしと、仕事の多様化の中で、
適職を見つけられないのが発達障害者なのでしょう。

でもその結果は、大量の生活保護者です。
福祉費の増大です。

本当にこれでよいのでしょうか。
政治も、社会も、そこをお考えいただきたいと思うのです。
彼らの能力を適正に評価し、
彼らが働ける機会を作り出す努力が、
周囲にも必要だと思うのです。
彼らの自立実現は、
経済力のUPと福祉費用の低減をもたらします。

二次障害を防止し、
引きこもりや不登校を予防するために、
本来考えるべき事は、
こうした周囲の意識改革ではないかと考えます。
必要なのは、発達障害者を、
定型発達者と同じように矯正することではなく、
彼らの人格を認め、能力と困難を知り、
彼らが無理なく自分を活かせる環境を、
取り戻すことだ
と、僕は思っています。

皆さんのクリックがとても励みになります。
いつもありがとうございます!
【日本ブログ村】 1日1クリックぽちっとお願いします!
ブログリンクバナー1 ブログリンクバナー3 ブログリンクバナー2 


発達障害者支援団体こころぴあビレッジ 行事ご予約はこちらから】
http://cocopv.jpn.org/yoyaku.html

発達障害者支援団体こころぴあビレッジ 行事のご案内】
家族限定グループワーク
高機能広汎性発達障害のご家族(親族含む)が
ご参加いただけるグループカウンセリングです。
日常を離れ、ゆったりと過ごす時間の中で、
同じ境遇を持つ人たちの中で、
悩みを語ったり、思いを話したり、
分からないことを聞いてみたり。
互いの経験を交換し合う中で、
問題を一つ一つほどいていく・・・。
そんなグループを目指して、開催しています。
2012.5.11(金)10:00~14:00
大阪市内の貸し会議室で開催
定員10名(要予約)


発達障害を共に考える会
高機能広汎性発達障害の当事者・家族・支援者の
いずれもがご参加いただけます。
共に互いの話に耳を傾け、思いを感じ、
理解を深めていくためのワークです。
「テーマ」を定めてスピーチ付きのワークと、
「ノンテーマフリートーク」のグループカウンセリングのみと、
2通りのワークで開催しています。

第1回 みんなで発達障害を考える会 in龍谷大学」 主催:サークル囲炉裏
京都で大学生向けのエンカウンターグループを企画されるサークル囲炉裏さんより、講師としてお招きいただきました。予約はいつものフォームから出来ますよ!
2012.06.09(土)
13:00~18:00 開場12:45
会費 無料(ただし資料作成代 300円)
龍谷大学 深草キャンバス 4号館 418号室
JR奈良線「稲荷」駅下車、南西へ徒歩約11分
京阪本線「深草」駅下車、西へ徒歩約6分
京都市営地下鉄烏丸線「くいな橋」駅下車、東へ徒歩約7分
http://www.ryukoku.ac.jp/about/campus_traffic/traffic/t_fukakusa.html



フェルデンクライス・ボディーワーク教室
ゆったりとした時間の中で、
こころとカラダの調和を取り戻していく教室です。
自分本来の自然な体の動かし方を、
意識せずとも取り戻していく働きがあります。
コリや緊張もほぐれています。
無理な姿勢や激しい運動は一切なので、
お気軽にご参加いただけます。
また、引きこもりや不登校など、
グループカウンセリングまでは
ハードルが高いとお感じの方にも、
お気楽にご参加いただける教室です。

お時間はいずれも18:30~20:15
2012.05.08(火)
2012.05.23(水)
大阪市北区中央区の和室などを借りて開催
少人数制6~8名(要予約)