日本ブログ村 クリック励みになります!
発達障害部門 第2位
特別支援教育部門 第5位


当事者さん達と話す中で、「スキルがあがると、余計に理解されなくなる」という声を聞くことがあります。しかも、複数の方からお聞きするので、多く方に共通する認識みたいなのです。このことは以前も記事にしましたが、その後もこうした声は届きます。今日はそんな状況についてもう少し掘り下げて考えてみます。

【苦労して身に着けてきたコミュニケーション力】
こうしたことをおっしゃる方々に合ってお話をすると、
確かに、高いコミュニケーション能力をお持ちです。
当事者である事を言われなければ、
浅い付き合いなら、まず判ることは無いでしょう。

しかし、よく話し込んでいくと、
学童期には結構対人関係で苦労されたといいます。
高学年になった頃や、中学に入ったことをきっかけに、
自分で「なんとかしなければ」と思ったことで、
周囲に積極的に関わるようになり、
段々、周囲の行動に対する感度も上がり、
ある程度のコミュニケーション力が育ってきたといいます。

こうした成長は、就職後に必要に駆られて
身につけてきたという方も少なくありません。

いずれにしても、悲しい思いやつらい思いをしながら、
自ら、周囲を気遣ったり、周囲との関係性を深めることで、
徐々に成長を重ねて、こうした能力を高めてこられた
ようなのです。

【余計に周囲に気遣いがなくなるという矛盾】
ところが、こうした能力が高まってみると、
周囲は、障害がある事をほとんど感じなくなるといいます。
もっというなら、定型発達と余り差がなくなってしまうために、
気遣いのようなことも少なくなってしまうというのです。

職場では、負担になることも、遠慮なく要求されるといいます。
むしろ、要求にしり込みしたり、積極的でないと、
「やる気があるのか?」とか「積極性に欠ける」といった評価すら、
受けてしまうというのです。
こんなときに、断り下手な特性も不利に働くそうです。

クローズでの就職(障害を明言しないで就職すること)では
こうしたデメリットは容赦なくやってくるといいます。

しかし、実際の当事者さんは、
特に職場では、大変な気遣いをして、神経をすり減らして、
定型と同じようなコミュニケーションをやっているのだといいます。

ですから、一見出来るようになったからと言って、
また次を要求されるとするなら、
それはもうキャパシティーを超えた状態になるのだそうです。

実際、こうした流れで、数年続けた職場であるのに、
結局止めざるを得ないことが、何度もあるというのです。

元々、外見からはわかり難い障害ですが、
がんばって能力を上げることが、
自らの首を絞めることになるなんて、
そんな悲しい事はないでしょうね。

【余裕のない職場環境が生むもの】
さて、こうした自体も、職場環境の余裕のなさに
無関係とは思えません。
企業間競争が厳しくなり、コスト競争や効率化促進に、
企業はひた走っています。

人員を減らし、一人当たりの効率を上げていかないと、
生き残れない現状があるからなのでしょうね。

また、事務員さんや派遣社員などのサポーターも、
極限まで減らしているため、
ちょっと困っている社員や、戸惑っている人たちを、
フォローする人も職場からいなくなっているのでしょう。

こんな現状が、高機能群の人たちを追い込んでいるのでしょうね

【ならば障害者就労しか道はないのか】
となると、一般就労をあきらめ、障害者就労しか道はなくなります。
しかし、元来、高い能力を持つ発達障害者に、
見合った賃金や就労環境をもたらしてくれる、
そんな障害者就労もほとんどないといいます。

また、元来の障害者就労でしか職を得ることが出来ない人たちの職場を、発達障害者が取ってしまってよいものかという矛盾も存在します。今の雇用形態は、こうした問題を置き去りにしているようなのです。

発達障害者は、一部の苦手なことを排除してもらえたり、
精神安定のための構造化など、
特定の条件さえ満たしてもらえれば、
時には定型発達以上の作業能率を上げたり、
高い思考能力を活かせる人たち
です。

ただ、マネージメント業務を求めたり、
後輩の指導のように、得意でないことをさせられると、
本業ですら手につかなくなる人たちなのです。

こうした特性に理解さえあれば、
彼らは、賃金に見合う仕事の出来る人たちだと僕は感じます。

真面目に求められるものに対して、
真摯に働く発達障害者のよさを、
企業にも、何とかわかってもらえないものかと考えます。

特性と特技を活かした働き方を構築できれば、
彼らはイキイキと成果を上げていくと、思うんですよね。





皆さんのクリックがとっても励みになります!

【日本ブログ村】ポチっとお願いします~


【告知です!】

日頃の生活を離れ、ゆったりと過ごすお時間はいかがでしょうか

同じ境遇を持つもの同士、悩みを語ったり、

判らないことを聞いてみたり、

互いの経験を交換し合って、問題をひとつひとつほどいていく・・・・

そんなグループを目指して、開催しています。


【参加ご予約はこちらから】

http://cocopv.jpn.org/yoyaku.html


発達障害支援:大阪家族限定グループワークのご案内

2011.10.14(金) 10:00~14:00
大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!
少人数(10人)制 要予約

発達障害を共に考える会のご案内
当事者・家族・支援者のいずれもが参加出来て、
共に互いの思いを感じ、理解を深める為のワークです。

2011.9.19(月曜・祝) 13:30~17:45(開場13:15)
テーマ「発達障害の誤診問題と精神科薬との付き合い方」

定員30名(要予約)
40代の男性当事者さんをお迎えして開催します。
発達障害の確定診断を受けるまでに
17年を要したと言う苦悩と混沌の日々。

その後、セカンドオピニオンの医師の指導の下、
自分にあった精神科薬の種類・量を
模索する日々を過ごし、
数年を掛けて、
その組み合わせを見つけるまでの日々。

そんな貴重なお話を語っていただきます。

フェルデンクライス・ボディーワーク教室のご案内
ゆったりとした時間の中で、
ココロとからだの調和を取り戻していく教室です。
無理な姿勢や激しい運動は一切ないので、
お気軽にご参加いただけます。

2011.09.15(木) 18:30~20:30
2011.10.04(火) 18:30~20:30
2011.10.21(金) 18:30~20:30

大阪市北区・中央区の貸し会議室にて開催!
少人数(6~8人)制 要予約