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発達障害部門 第1位


最近、数名の当事者さんと話す機会があり、「以前はまがりなりにも働けていたのに、今はうまくいかない」という声を複数の方からお聞きしたのです。今日はそのあたりについて考えてみたいと思います。



【複数の方から聞いた声】

冒頭にも書きましたが、「以前はまがりなりにも働けていたのに、今は出来なくなった」という声があちこちから聞こえてきます。そうした方々のお話を聞いて、内の問題と外の問題・・・・、二つの問題があるように感じます。


外的要因としては、代表的なところで、次の3つが挙げられるのではないでしょうか。


1.日本国内の産業構造の変化により職種が変わったこと

  製造業や職人的な職種が減り、サービス業や営業職が増えた

2.雇用形態の規制が緩和され、不正規雇用が増えたこと

  製造業や職人的な職種が残っていたとしても、

  不正規雇用に転換されてしまったものが多い

3.経済的な競争激化で、人員削減や仕事の多面化が進んだこと

  ・人員削減で、一人当たりの業務範囲がひろくなっている

  ・マネージメント業的な職種が多くなっている

  ・単一職種よりも、総合的な業務を求められる職種中心である

  ・建設業では、労務工種の工業化が進み、現場作業が少なくなっている

  ・残っている製造業も、単一品種大量生産から、

   多品種少量混在生産に切り替わり、

   一品一品が変化に飛んでいて、

   判断力を求められる職種になってしまっている


実際のところ、こうした職場環境は、

当事者さんの働きづらさに大きな影響を及ぼしているようです。

ただ、こうした環境を嘆いても、すぐに変わるものではありません。

ですからここでは、この職場環境の中で、

当事者さんがどのような心理状態になっているのかを考えつつ、

もうひとつの内面的な問題を掘り下げてみたいと思います。


【内面的な問題】

実際、複数の方からお聞きした中でも、

当事者さんおひとり毎に、それぞれの事情や状態があるわけですが、

まずは、主な様子や心理状態を挙げてみたいと思います。


1.ルーチンワークが減り、判断力を求められる職種が多い中で、

 変化への対応に苦慮している。


2.会社や職場に、じっくりと人を育てようという風土がなくなっていて、

 即戦力になれないと、解雇されてしまう中、

 器用に仕事を覚えていけない自分に、焦りを感じている。


3.不正規雇用などの不安定な雇用環境の中で、

 失敗を恐れるあまり、予期不安を起こしている。


4.技術職にも、営業的要素を求められることが増えて、

 専門職だけに専念するだけでは勤まらなくなって、

 障害特性上、つらい思いをしている。


5.就職・退職を繰り返す中で、二次障害が重くなり、

 精神的受容度が、以前より下がっている


6.障害就労で働いてみたが、

 結局、発達障害への理解のある職場は少なく、

 理解されないなら、福祉就労を続ける意味を見出せなかった。

 結局、一般就労にも、福祉就労にも、

 行き場がなく行き詰っている。


まだまだあるかもしれませんが、いずれにしても、落ち着いてじっくりと仕事を覚えて、一人前に成るのを待ってもらえるような風土がないことが、発達障害の特性には不向きであると感じます。そんな中で、精神的な不安定状態を起こし、余計に能力を目減りさせて、結局は仕事が続かない状態に陥っていると感じます。


【自分探しと安定就労、矛盾する両者】

 あと、もうひとつの内面的要素として、僕がこうして話した方々は、自分の障害認識をもってらっしゃる方ばかりというのも関係しているように感じます。つまり、「まがりなりにも働けていた時期には、まだ障害に気づけて居なかったが、それでも何とかやれていら頃もあった」というお話なのです。

 言い換えると、今は障害を持つ自分であることを知り、そんな中で自分探しの真っ最中で、暗中模索な難しさにも直面しているように感じるのです。


ただ、「自分探し」において、「安定した就労先」というのは、

非常に大切な土台にあたるわけで、

「自分を探している最中だからこそ、安定就労が難しい」

という面と、

「自分の生き方を定めていく上で、安定した就労先が欠かせない」

という相反した状態に、矛盾する自分の苦悩があると感じます。



【カギは、いかに精神的安定を取り戻すか】

こうした状態に触れて、一番に感じることは、

まずは、当事者さんご自身の精神状態の安定を、

いかに作るかを大切にしていただきたいと思うのです。


本来は、社会や会社がその役割の一端を担うべきなのですが、

他に答えを求めていても、今は改善されませんから、

自分で出来ることから考えていくしかない現状です。


以前は出来ていたことが、今は出来ない中に、

環境の変化というのも、かなりの要素を閉めているとは思うのですが、

もう一方で、精神的な安定という部分で、

依然とはかなり、状態が悪くなっているところにも、

しっかりと、焦点を当てて、対策していくことが重要と感じます。


1.精神的に、疲弊している状態であれば、休養と治療を優先し、回復を目指す


2.精神科の投薬を受けている方は、その医師が発達障害の臨床経験があり、適切な投薬が出来る方なのかを見極める


3.家族・職場以外に、自分の状態を話せたり、気持ちの行き場となる環境をもつ


そして、こうしたことの他に、

自分探しに適した場を求めることも、非常に大切であると感じます。


まだ漠然と感じているに過ぎないことなのですが、

やはり当事者さんには、グループワークのような

集団療法が必要だと感じます。


こうした場は、「あなたはそんな風ではだめ。変わっていかなければ」

という社会の雰囲気から、自らを開放してくれる場であって欲しいです。


「あなたには、色々な特性があるけれど、

それでいいよね。」と当事者さんの存在全部を、

まずはそのまま受け入れてくれるような雰囲気の中で、

自分を見つめなおすことが大切だと思うからです。


このあたりについては、また別の機会で、

しっかりと記事に書いてみたいと思います。


今日は、問題の掘り起しが中心となりましたが、

安定就労を目指すところについては、

今後も、いろいろな角度から、掘り下げていきたいと思います。



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