ずっと心配していた次男ですが、このところ急成長の時期を迎えているようです。今日は、春の花を巡る二人の息子の物語です。
【次男の不安のひとつ・・・・】
発達障害があると、共同注意が向かないことがあると言われています。
共同注意とは、例えば散歩などをしているときに、犬とすれ違ったとして、
「わんわんだよ」と指差す親に、子どもも注意が向いて、
「わんわん!わんわん!」と返すやり取りのことです。
また逆の共同注意もあります。
子どもが何か好きなものや、嬉しい気持ちになったときに、
その対象を指差して、親の注意を引こうとする行動です。
今度は、子どもの方が共同注意の先導者ですね。
しかし、次男の場合、このいずれの行動にも乏しいところがあって、
父親の僕には、2歳ゼロヶ月時点では、
こうした行動はほとんどありませんでした。
(母親には若干後者があったそうです。)
この指差しは、親から子へと「単語」を伝えていくところでも、
非常に重要であると勉強していたので、
彼の発達度合いの指標として、非常に気にしていたのです。
【春の花が心を動かした!?】
さて、僕は休日などに息子を連れ出して、散歩にも行くのですが、
そこでも、ずっと次男は、僕の指差しに反応がありませんでした。
花も、ちょうちょも、わんわんにも、余り興味がなく、
彼は自分だけの興味にしか注視しなかったのです。
それが、先日の散歩では違っていました。
今年の春はちょっと遅れたためか、うちの周囲では、
半月ほど前になり、ようやく菜の花が満開となりました。
その「菜の花」を指差して、「キレイなお花やなぁ~」と語りかけたところ、
次男も同じ様に指差して、辺りを見回したのです。
(イメージ写真です・・・)
あまりにきれいな春のその風景が、
彼のココロを動かしたのかもしれませんね。
これはもう、うれしくて、うれしくて、目頭にジンワリ来る出来事でした。
一度出来るようになると、タンポポや、名もない草花にも反応してくれます。
そうした花を見かけるたびに、2人でしゃがみこんで、
人差し指で、お花をちょんちょんと突っつきっこです。
ぼくが「タンポポ、タンポポ」と言いながら、ちょんちょん。
すると次男が、一緒にちょんちょん。
「あぁ、この子にもこうした段階が来たのだ」と嬉しく感じます。
【花に季節を感じ、季節を想う】
そうこうしていたら、先日、何でもない時に、長男がふとつぶやきました。
「菜の花が咲くと、春が来たって気がするなぁ」
急にこんなことを言ってきたので、不意を付かれて、
また嬉しい気持ちがこみ上げました。
「うん、そうやなぁ。春やなぁ~」
ふたりで顔を見合わせてにっこりです。
今回の次男のように、長男とも、ずっとずっとそうして散歩をしてきました。
街中ではあっても、その片隅の小さな自然の変化を、
二人で指差しながら、散歩をしてきたのです。
そして、その彼に、
季節を感じる気持ちがはぐくまれている事に、感謝しました。
また、その感じた気持ちを、
ぼくと共有しようと、発してくれた言葉を嬉しく思いました。
そして、偶然にも同じ菜の花を通じて、
二人の兄弟の、それぞれの成長を垣間見ることなったのにも、
何か不思議なご縁を感じます。
「発達障害にはココロがあるの?」
・・・そんな言葉をお聞きする事があります。
もちろんココロはあるわけですが、
それが伝わるように、言葉や態度に現れせないのも
この障害の特徴なのでしょうね。
でも、「それでもココロは育まれるのだなぁ・・・」と嬉しく感じたエピソードでした。
これからも、二人が小さな自然や、小さな幸せを感じとり、
そしてそれを身近な人と、ふとした言葉で共有できるように、
そんな彼らのこころと行動を育みたいなぁと思います。
日々の、ほんのささやかな幸せでいいですから。
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