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今日は秋田県の自閉症当事者の就業の事例からです。


潟上市飯田川の醸造工場で、瓶詰め作業に励む舘岡浩二さんは、知的障害のある自閉症と、2歳の時に診断されたそうです。恐らく特別支援学校に通われて、職業訓練をつんだことで、現在の職を得たようです。


急な予定変更には対応できにくいけれども、瓶詰め作業のペースは他の人より速く、ペースが崩れないといいます。


就職後、自動車免許も取り、ドライブが趣味で、

温泉に入りに行くのが楽しみだとか。


就業と休暇のバランスをとることの大切さを感じる記事です。



さて、僕は発達障害の安定就労の問題は、

働けることより、働き続けることの難しさだと考えています。


杉山登志郎医師が行った調査でも、「3年燃え尽き現象」があったそうです。

中部圏らしく、塗装工での就職事例が多かったようなのですが、

(恐らく自動車などの塗装工場!?)

3K環境の中で、彼らの仕事への集中は群を抜いているそうです。


定型ではとても出来ない作業ペースを、

長時間安定的にこなしてしまうというのです。


しかし、彼らの問題は、それが続かないことだという事です。

大抵、3年以内に仕事を辞めてしまう事例が多かったというのです。
これは、おそらく過剰適応と過集中がそこにあるのだと考えます。


また、そこに周囲の気遣いも欠かせないでしょう。

本人が頑張っているからと、そのままやらせていると、

当事者さんはきっと燃え尽きて、うつなどに陥るのだと思うのです。



舘岡浩二さんのように、余暇の使い方も覚えて、

働く生きがいと、余暇の楽しみのバランスをどうとるかが課題だと感じます。

ココがうまく行くと、

それなりにコミュニケーション能力も上がってくることが、

記事にも書かれています。


発達障害を持っていると、

本人が好奇心を持ってやることには、高い能力を示すことが知られています。

いかに本人のやる気を引き出すかが、周囲のチカラなのだと思うのです。


自分でも、自分の疲れが把握できにくいのが発達障害です。

また、上司と交渉して、仕事を減らしてもらうようなことも苦手でしょう。


発達障害の就労には、こうしたことに上司や周囲から、

気遣いや働きかけが必要なのだろうと考えます。


ジョブコーチなども定期的に巡回して、

本人から聞き取りをしっかりと行い、

企業に伝えて、就労環境を整えることが、

大切なのではないかと考えるのです。


人の能力は、活かしようひとつで決まるのだなと、つくづく感じる記事でした。



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たくさんの絆求め 秘められた力


さきがけ on the web 

http://www.sakigake.jp/p/special/genki_project/ikiru/article3_08.jsp


 肌寒い工場の片隅に、黒い段ボール箱を折り続ける若者の姿があった。箱は、純米大吟醸酒の出荷用化粧箱。無言のまま、段ボールの四方を内側に折りたたむ。1箱仕上げるのにかかる時間は20秒ほど。6~7分で20個が積み上がった。
 1月18日午後2時すぎ、潟上市飯田川にある小玉醸造の瓶詰め工場。若者は舘岡浩二、23歳=同市昭和。総務課勤務。箱詰めや箱作りを担当する社員7人の中で、ペースを落とさず作業できる数少ない1人だ。工場のどこに何があるのか、1回見るだけで忘れない。
 しかし、急に予定が変わると対応するのが難しい。人とのコミュニケーションも苦手。浩二は2歳7カ月の時、自閉症で知的障害があることが分かった。


 ―潟上市天王の特別支援学校・天王みどり学園高等部の時、小玉醸造に実習に行って、みその箱にラベルを貼りました。今は工場のラインに立ったり、3本入りなどのセット商品の箱詰めをします。ラインでは瓶に酒を詰め、瓶の洗浄もやります。実習した時、この会社に入りたいと思いました。なぜ入りたいと思ったかですか。答えるのは難しいな。


 浩二は同市の羽城中学校卒業後、みどり学園高等部で学び、2006年4月に入社。小玉醸造が初めて受け入れた同校卒業生だ。常務の長谷川正志(62)が振り返る。


 ―高等部では卒業前に職場での現場実習をやっていて、3年の時に彼を受け入れたんです。障害のある人の受け皿は地元でなかなかないし、彼も真面目に取り組んでいたので採用を決めました。
 最初はお互いに接し方が分からなかった。臨機応変に対応するのも苦手でした。でも、秘めた力が何かあるんじゃないかと思いました。暗算では4桁の数字を10回足したりとか、瞬間的に答えが出せる。慣れれば、いろんな能力を出せるんじゃないかと。今の姿、先生たちは考えもよらなかったんじゃないでしょうか。やればできるし能力がある。私たちが、誰よりも彼の力を知っています。

同僚と共に昼食を取る浩二。休日の過ごし方やテレビ番組などが話題に上る
 

 浩二は毎朝5時半に起床、母栄子(59)が作った弁当のおかずとご飯を自分で詰めて自宅を出る。同市昭和のJR大久保駅から電車に乗り、小玉醸造最寄りの羽後飯塚駅まで5分ほど。午前8時から午後4時45分までが勤務時間だ。
 「浩二さん、セット梱包(こんぽう)用のエアパック1枚持ってっていい?」「分かりました。お疲れさまです」。同僚との会話も今はスムーズ。同僚と一緒に昼食を取った後、ダイエットのため30分ほど会社周辺をウオーキングする。午後5時40分発の電車で帰宅。自宅では音楽を聴いたり、漫画を読んだりして過ごす。休日の趣味はドライブ。約2年前に念願の運転免許を取得し、貯金で中古車を買った。休日は大潟村にドライブに出掛け、温泉に入るのが楽しみだ。


 ―仕事は大変なときもあるけど、楽しいです。その日やった仕事はパソコンで日報に記録します。免許は、仕事が終わった後、八郎潟町の自動車学校に通って取りました。4カ月ぐらいかかった。初めて遠くまでドライブしたのが大潟村です。


 みどり学園は今年で開校9年目。養護学校のない男鹿南秋地区では1995年から、父母たちが県に学校新設を求め続けてきた。99年には当時の若美町に秋田養護学校の分教室が開かれ、2003年4月、みどり学園が開校した。高等部の卒業生はこれまで58人。このうち10人が就職した。スーパーでの商品詰めや介護施設での洗濯などの作業に就く例がほとんど。雇用する側の理解がない限り、就職は難しいのが現実だ。
 秋田労働局によると、昨年4月から12月にかけ県内で就職した障害者は346人。求職者2030人に対し就職率は17%。同校の進路指導主事、菅原吉伸(43)が語る。


 ―みどり学園では3段階に分けて進路指導します。まずは自分の可能性について考える進路学習。次に校内での作業学習に入り、簡単な作業を体験します。あいさつ、返事の仕方も学ぶ。これは高等部1年まで。2年から卒業までは企業などで現場実習。会社側が「採用したい」とし、本人も「入りたい」と望めば就職に向けた手続きに入ります。


 もっと一般企業への就職率を上げられるのでは、という思いはあります。生徒の能力を見極めるのは難しい。親が作業所通いを選ぶこともあるし、会社側が尻込みすることもある。卒業生の能力を周囲がどれだけ伸ばせるのか、それが課題ですね。

 みどり学園は、卒業生や地域の障害者を対象にレクリエーションなどの余暇活動も実施。2月19日は、北都銀行女子バドミントン部と卒業生との交流会があった。しかし浩二はこの日、作業服を着込み、小玉醸造の倉庫で「いらっしゃいませ」と声を張り上げていた。年に一度の蔵開きは、社員総出で迎えるのが決まりだ。会社の戦力である浩二は、レクリエーションよりも仕事を選んだ。
 母栄子は、浩二の将来へ思いをはせる。


 ―会社ではちゃんとやってるようですね。ほんと、小玉醸造さんには面倒見てもらってます。今までも学校の先生が、そろばんを習うよう勧めてくれたり、手に職を付けさせようといろいろ考えてくれました。今は秋田市にも出掛けるし、貯金も自分で管理してる。通帳、私に見せないんですよ。これからどうしていくのか、本人のためにどうすればいいのか、考えますね。今は仕事もあるし、お金もある。となると、結婚…。これは本人次第でしょうね。


 そんな浩二は何を目指しているのか。少し考え、こう言った。


 ―フォークリフトの免許を取りたい。酒の配達もしたいです。




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