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さて、今日は最終回をやったはずの障害受容シリーズに記事を追加します。というのも、読者の方から、いいお話が届いたので紹介したいのです。親が自分の障害を認めてくれない苦しみは、第1回でも紹介したとおり、深刻なものがあります。しかし、そこを親の障害を受容する事で、乗り越えたという体験談です。



その方は今30代の当事者さんです。

アスペルガー症候群の診断がおりてらっしゃいます。


その方いわく、おそらくお母さんはADHDで、お父さんは発達障害ではないかと。当時の事なので、親御さんに診断はないし、ご当人もそんな事を考えても居ないとの事。この時代の、仕事も出来て、社会自立されている方なら、そういう認識は多いと思います。


さて、この娘さんは、自分が発達障害であると気づいたのは、就職につまづいて、何度も職を変えたあとだそうです。そしてご本人自身は、診断を受けた事で、自分が悪いのではないと分かり、救われたとおっしゃいます。


しかし親御さんは、決して、認めてくれず、

そこが家族のトラブルに発展します。

ついに娘さんは決意して、障害者手帳の取得をされました。

「公的に認められれば、さすがに理解してくれるだろう」

という期待からの行動です。


しかし、実際、手帳を見せた時のお母さんの反応は、

「ふ~~ん」に近いものだったそうで、

「大きな失望しかなかった」と感じる、悲しい結果となりました。


その後も、いろいろと話し合いを続けられたのですが、

「私の子育ては間違っていない」

「あなたのどこが障害者なのだ」と主張し続けるお母さんに、

「私の胸には哀しみと怒りがこみあげてきた」とこの方は語ってらっしゃいます。



さて、ここからが本題です。

僕が思うに、このお母さんは、社会性に問題のないADHDではないかと分析します。衝動性や感情の起伏、また注意欠陥や片付けられないなどの困難はあっても、対人関係に困難のない方はいらっしゃいます。


しかし、この方々の中には、

幾分、他人の気持ちを想像する部分に弱さがあったりして、

相手の立場や気持ちをくむことに困難を持ってる場合もあります。

また困難とまではいえなくとも、そこに苦手があるため、

あえて自分を押し出して、人の気持ちを無視して生きていかれる方が居ます。


もしお母さんがそうだとすると、娘の主張は受け入れがたいものなのでしょう。


で、その娘さんがされた行動が、ADHDを勉強することだったそうです。

すると、こんな文章が出てきたとの事。


<ADHDの対人関係の特徴>
全体に希薄、ドライ。自分にも他人にも執着せず情緒的に関わらない。目の前にあることが全て。極端に割り切ることが出来る。人の不安や傷ついている気持ちがわからない。


このADHD分析が、全ての人に当てはまるかどうかは別にして、

娘さんにとってのお母さん像には、すごく一致したというのです。

この文章を見て、この娘さんは、目からうろこが落ちたそうです。

その時の気持ちをこう書かれています。


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この発見は私には、本当に大きかった。
日々接する母親の、それまでどうしても理解できず、

ストレスとなってきたその不可解な性格や言動の謎を、
ようやく理解することができた
のだから。
これは自分の日々の精神衛生上、大変良かったのだ!

私も、人に誤解されてきたのと同様、
母親に対して、ずっと誤解して彼女を苦しめ、

自分でもそれでストレスをためてきたんだなぁと、
ようやく彼女へ申し訳ない気持ちを抱くようになったし、

あらためて自分へ抱かれる偏見や誤解に対して、

真摯に受け止める気持ちが芽生えてきた


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・・・・・・みなさん、どう感じられましたか?

ぼくは、これを読んで、何か熱いものがこみ上げてきました。


自分を認めてもらえない苦しみ・・・

それは深く深くこころの奥底で疼き、

悲しみの日々を送ることになるようです。

しかし、そこを乗り越え、

相手を受け入れることで、

自らもあらなた心境を見出されたご様子です。


言葉では簡単にいえても、そう思える自分になる事は、

決してたやすいことではないと、ぼくは考えます。


これまでは、「もうこの人たちは決して分かってくれないし、

もうそれでいいやと言う、

単なる諦めの気持ちでしかなかった」とおっしゃいます。

しかし、同じ納得でも、これは全然違うと、僕は感じます。


そしてもう1つ、この方がすごいと思うのは、

あらためて自分へ抱かれる偏見や誤解に対して、

真摯に受け止める気持ちが芽生えたというところです。

自分では何気なくしてきていたことが、

どういう風に人から見られ、どうとられてしまっていたのか・・・、

それを今回の内省を通じて、実感されたそうなのです。


アスペルガー症候群には、ひとの気持ちを理解できにくいといわれています。

しかし、こうして、体験から得たものから、そこを理解していくことは出来ると、

ぼくは、この数年間の多くの人の行動から感じます。


この部分は、発達障害の方が、

自分の人生を見つめなおして、

真に無理のない社会適応をしていける可能性を、

示唆するものだと、僕は感じるのです。


この方に次の道が開けた瞬間に立ち会えて、

ぼくは大変嬉しく思いました。

そして、この娘さんにエールを送りたいと、心から思うのです。



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