時代の激流に飲み込まれながら、
新たな価値観の創造に立ち向い、
いかに彼らが必死に生き、考え、
自らの生き方を貫いたのか。
現代人に生きる勇気とヒントを
与える秀逸な作品です。


第1回「少年の国」、第2回「青雲」、第3回「国家鳴動」、
第4回「日清開戦」、第5回「留学生」を収録しています。




日本に近代国家明治が誕生したばかりの頃、
四国の伊予松山に3人の男がいた。
日露戦争で活躍する秋山好古・真之兄弟と、
短歌・俳句を革新させた正岡子規である。
3人は松山の風土の中で育ち、やがて
それぞれ東京へと旅立っていく。
好古は陸軍士官学校へ、そして
真之と子規は東京大学予備門に合格する。
立身出世を夢見て上京した真之と子規だが、
自分たちの将来について思い悩む。
一直線に文学の道に進む子規に対し、
真之は兄と同じ軍人として生きることを決意、
大学予備門を退学し、海軍兵学校へ入学する。