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「宇宙飛行士になりたかったんだ。」
空を見上げる。
この夢は夜に語ったほうがいい。
今は月も白くて迫力がない。
「いつか月に行って・・・そのうち他の星にも行ってよ。
ここにいるやつらが見たことのない場所を見て。」
相槌が来ないといるのかもわからない。
それでもちゃんと聞いてくれると思って話す。
「・・・まあ、ガキの頃の夢だけどな。
叶うわけないって思うこともなかったから。」
__いや、思ってた。
将来の夢なんて見るだけ無駄。どうせ将来なんて近い未来までしかなかったのだから。
だから誰にも言わず、ただ叶うことがない夢を胸に秘めて。
「今はアメリカを縦断したい。これは叶えるぜ。」
短いはずだった未来が、急に長くなったのだ。
どこまであるかわからないけれど、まだ先があるかもしれない未来が。
「叶えられます。」
やっと声が聞こえた。
明るい声だ。
「叶えられますよ。」
「・・・・当然だな。」
そう、当然叶う。
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あとがき
強く願えば。
道が長くなったことに驚く。
知らなくても叶うと信じられる。
そんな二人。