084:彼方の夢 | 椋風花

椋風花

夢小説を書いています。
長編はオリジナルキャラクターが主人公で、本家と設定が違う点もございますのでご注意を。

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「宇宙飛行士になりたかったんだ。」



空を見上げる。


この夢は夜に語ったほうがいい。

今は月も白くて迫力がない。



「いつか月に行って・・・そのうち他の星にも行ってよ。

ここにいるやつらが見たことのない場所を見て。」



相槌が来ないといるのかもわからない。

それでもちゃんと聞いてくれると思って話す。



「・・・まあ、ガキの頃の夢だけどな。

叶うわけないって思うこともなかったから。」



__いや、思ってた。

将来の夢なんて見るだけ無駄。どうせ将来なんて近い未来までしかなかったのだから。


だから誰にも言わず、ただ叶うことがない夢を胸に秘めて。



「今はアメリカを縦断したい。これは叶えるぜ。」



短いはずだった未来が、急に長くなったのだ。

どこまであるかわからないけれど、まだ先があるかもしれない未来が。



「叶えられます。」



やっと声が聞こえた。

明るい声だ。


「叶えられますよ。」





「・・・・当然だな。」



そう、当然叶う。














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あとがき





強く願えば。




道が長くなったことに驚く。

知らなくても叶うと信じられる。



そんな二人。