2月10日・鹿島港 | kanimanのブログ

2月10日・鹿島港

鹿島港に行ってまいりました。
ターゲットはトゲクリガニです。
普段は親潮の流れる冷たい海水域、特に東北に住んでいるカニですが、冬の間だけ茨城まで降りてくるのです。
見た目は北海道名物のケガニにそっくりですが、それもそのはずケガニもトゲクリガニも同じクリガニ科(Atelecyclidae)の仲間です。
ほかに同じクリガニ科には、さらに北に住む「クリガニ」という奴もおりまして、これが見分けが非常に難しい。学者さんも見た目の判別が難しいと見えて、遺伝子型から分類をしようという試みもあったりして。


で、このトゲクリガニなんですが、味のほどはケガニに似ているとのことで、ぜひこいつは食べてみるしかないと。また、関東ではほとんど市場に出回らないとのことで、つまりは捕獲するしかないと。
そういうことで行ってきました鹿島港。場所は中央航路港口ちかくの公共埠頭、またその周辺の岸壁をカニ歩きよろしくうろうろとしながらカニマンを下ろしていたのです。
時間は午後1時。カニマン4個のほか、ナイロンの網にエサをつける「カニ網」も3個投入し、計7仕掛けの物量作戦で必勝体制でことに及びました。
というのも前々週、同様に鹿島港を訪れたときは、半日かけて7cm程度の中型イシガニが一匹あがっただけだったのです。今度こそはトゲクリを獲らずには帰れません。
その思いが通じたか、様子見でカニマンをゆっくり引き上げてみると、その上に2匹、中型のトゲクリが乗っかっているじゃありませんか。
水面からカニマンを持ち上げた瞬間、水面にダイブして逃げていってしまいましたが、これは幸先がいい。
状況に鑑みて、タモさん(タモ網)のご助力を頼むことにしました。カニは水中では比較的おとなしく、カニマンにしがみついたまま上がって来ることはわかっているので、カニマンを岸壁上にまで持ち上げる前に、タモさんを使って掬い上げてしまおうという算段です。
これがあたり、10分に1度程度ずつ、次々と仕掛けを引き上げると、そのたびにイシガニやらトゲクリガニが上がって来るのです。すかさずタモさんで捕獲。
時々は、泥まみれのカキ礁のはじっこがカニ網にかかってくることもありますが、獲物が次々とかかってくるのは嬉しいものです。夢中でカニを獲っているうち海が時化てきて、潮の流れが強くなり、カニマンを水面直下まで引き上げてくる前にカニが流されてしまうようになりました。タモさんも何度も流されそうになり、日没を前にここまでと締めることにしたとき、トゲクリガニ12匹にイシガニ10匹が手元にありました。
(何匹か人にあげてしまったので写真では少し少なくなってますが)
トゲクリガニ
イシガニはワタリガニ(ガザミ)の仲間で、体の割に鋏足が大きくて強力なのです。はさまれると血ー出ます。気も荒くて乱暴なので、他のカニと一緒にしておくと、他のカニの足をむしってバラバラにしてしまったりします。
イシガニなのでトゲクリとイシガニは別のバケツに分けないといけません。ここ試験に出るのでメモしてください。
さっそく茹でて食べてみました。
場所柄のためか、カニミソがほとんどなくて、肉質はケガニに似てますが、やや水っぽい感じでした。なんでもトゲクリは深いところにいる奴ほど身が締まってるのだそうで。しかし、食べてビール飲むには十分に美味しいカニでありました。