見上げれば 空には満天の星が 輝いているのだ
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バングラデシュの思い出

バングラデシュ滞在の最後の日。


ダッカ中心部の国会議事堂を訪れた。

西日に照らされて表情を変えていく様は、幻想的で美しかった。


混沌としたダッカにあって、ここだけは異彩を放っていた。


見上げれば 空には満天の星が 輝いているのだ


あたりでは市民や観光客が、


思い思いの時間を楽しんでいる。 


遠慮がちにこちらを見ていた少年たちが、


写真をとろうと話しかけてきた。


それから一緒に屋台の名物を食べようと。


バングラデシュ風お焼き。


見上げれば 空には満天の星が 輝いているのだ

美味しさが笑顔になって現れる。


それに気づいたのか、少年が残っていた


自分のお焼きを1つ分けてくれた。


食後の甘いチャイを飲んでいると、隣の少年が言った。


僕らはあまり英語が出来ないから、


バングラデシュの良さを伝えられない。


せめて食べ物でここの思い出を残して欲しいと。


当たり前のように、お焼きの代金も受け取らなかった。


見上げれば 空には満天の星が 輝いているのだ


俺の半分の年もいっていない若い少年たち。


この人の良さはどこからくるのだろう。


彼らのような少年が、この国のかけがいのない観光資源だ。


帰りの機内、眠ろうと目を閉じれば、


真っ先に彼らの顔が浮かんできた。


                       バングラデシュ編 終


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