さて、2008年1月に入手した里見紀子さん清水絵理子さんのアルバム、「HOT SUMMER NIGHT」を聴いてから2年半近く経ってしまった。
これを聴いた時に「ライブそのものを録りたかったんだなぁだなぁ」と聴き入った。
狭いライブハウスでの二人の演奏に、「録音だから」と静かにして聴いているも、徐々に唸ったり声が出てしまう観衆。
それが感じられる、巷で売られているアルバムとは違った音源に舌鼓をしていた。

このアルバムのお二人の飾り気のないプロフィールに、「これが今の私達だ!」っていう思いも感じられた。
聴いた後に次の里見さんのライブにアルバムを持っていって、「これが私だ!!里見紀子だ!」って無理言って書いてもらったっけ(笑)
その二人が共演する機会は今となっては年に数えるほど。


やっと観ることができると、会社帰りに学芸大学にある、珈琲美学へ。
お店に入る階段の前に看板で仕切られていたので、「まだリハかな?」とW杯サッカー日本代表のデンマーク戦勝利に沸くスポーツ紙を近くのコンビニに買いに行って、広げようとしたところで、「こんにちわ」の声。

里見さんでした。

「どうぞ!」の声に一緒にお店へ。

(既にリハは終わっていたんだね)


お店に入りカウンターの席に座り、食事をしながらスタートを待つ。

珈琲美学は2回目。

いつの間にかピアノが変わっていた。

食事を終えて、珈琲を頼んでしばらくすると、ライブのスタートです。


この日のライブは2部構成。
1stステージ。
最初の曲、「Summer Night」。
お二人のアルバムに収録されている曲からのスタートです。
蒸し暑い梅雨のさなかということでボサノヴァ、「Photograph」。
ちょっと軽快にと、「Bouncing with Bud」。
ここではお二人の掛け合いのようなフレーズが聴いていて楽しくなってくる。
そう、これが聴きたかったんだ。
そして久しぶりに聴く、里見さんのオリジナル曲、「約束」。
物憂げなんだけれど、どこかに光を感じるような曲です。
アルバム収録曲の情熱的な「La Fiesta」。
スリリングなお二人のフレーズの掛け合いを堪能して、1stステージ終了。

ここで、隣に座った方と歓談しながら2ndステージを待つ。
私はこの間に珈琲フロートを注文。
珈琲美学の珈琲は頗る旨いんだな。

さて、2ndステージです。
心をワクワクさせるような「Bud Powell」、ゆったりした「It's Easy To Remember」。
そして「Recordame」、ルグランの曲等披露。
最後に里見さんのライブでは良く聴くことができる、ジャコの「Chiken」を演奏。
そしてアンコールを受けての演奏は、お互いがどんどん仕掛けていく演奏。
非常にスリリングな演奏を堪能して、この日のライブは終了。


私は清水さんのライブを観るのは初めてでした。
勝手な想像とは怖いもので、アルバムを聴いたところでは、体を揺すりながら演奏しているように想像していた。

実は動きは静かに集中するオーラの強い方でした。
どのくらいって...額にもう一つ目があると感じるくらい...(怒られちゃうかな...)

そして非常にスマートな弾き方。

なのに出音はガツンと来るんだな。

リズムの間合いが何とも心地良いし、「仕掛け」がある演奏。
とても刺激的な方です。
相手のフレーズへのインスパイアの速さは里見さんと演奏される他のミュージシャンと同じ感覚を味わいました。

里見さんの共演するミュージシャンには共通してますね。


里見さんのライブは、選曲も他では聴けなかったり、ヴァイオリストではなかなか選曲しない曲だったり。
そして、いつもと違うミュージシャンとの共演だと、フレーズも変わってくるし。
「ジャズのミュージシャンは日々刺激を受けて自分の肥やしにしていくんだなぁ」と、まじまじと実感できたライブでした。

やはりアルバムはその時の断片でしかないんだね。
時が経つとまた違った雰囲気が味わえる。
ミュージシャンの表現も、場所の雰囲気も。
ライブで楽しんで、購入したアルバムを聴きながら次のライブまでその想いを繋げる。

これがライブを観に足を運んで聴く自分としては一番。

また足を運びます(_●_)


■関連リンク
里見紀子さんのHP
清水絵理子さんのBlog
学芸大学 珈琲美学のHP


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