球体関節人形 | あきれカエルの頬かむり

あきれカエルの頬かむり

小説や音楽、映画に日常…

趣味でむかーし作ったのですが、どこへ行ったんだろう…。


固まると石膏のようになる粘土と、ガラスの眼球、人毛。


ニカワと胡粉。


一番最初は赤ん坊を作った。


そうそう、


あれ、ノミで削ったり、やすりでこすったり、髪の毛植えたり、数か月かかるんですよね。


なので、六畳一間のアパートが粉と粘土と乾かさなきゃいけない人形のパーツで


ぎゅうぎゅうになって(汗)。


友人がやってきた時


「ぎゃああああっ!」


って叫ばれ…w


私は一応気を利かせて(?)布をかぶせていたのに。


興味本位でめくるんですよね、もう…。


それがちょうど生首状態だったのでw


アナタ、エロ本だったらそんなばればれな隠し方しませんよ…。



そして、別の友人に「人形作ってるんだよ」と言ってみたら


「見せてー」となったので、写真送ったらそれはそれは不評w


目玉のない少女(グラスアイが高くて買えず)。首から割り箸が飛び出してる(設計ミスw)…。


「気持ち悪い」「写真捨てるに捨てられない」「呪われそう」


おお。


私もその人形本体、呪われそうで(誰に?)捨てにくいという……w あれ? でも今はもうない…何処へ…?






写真は、押井守監督作品「イノセンス」の公開記念に開催された


球体関節人形展に行った時の写真はがきです。







あきれカエルの頬かむり



モノクロ二枚は マリオ・A 箱の中の女性は、ちょっと京極夏彦の魍魎の匣とダブって好き。


右上の裸体の少女は 伽井丹彌


赤い着物の日本少女は吉田良


上目遣いの茶髪の少女は山吉由利子


左はじの「ドール」な少女は恋月姫


他にも天野可淡や四谷シモンなどの作品が一堂に会しており


押井守監督に感謝☆と。


平日なのに、とても混んでいて、イノセンスと球体関節人形の不思議な融合に惹かれる人が


きっとたくさんいるのだろうなあ、とどきどきしました。





あー、衝撃的だったのは、井桁裕子氏のポートレートドール。


肉体とまなざし


増殖する異形。


ウェブ写真集というものがあるので、興味をもたれた方はゼヒ☆


これが無料で見られた時はちょっと感激いたしました…。


創作のインスピレーションがわくかもしれません☆



そして実物を生で見たかった…な、ハンス・ベルメールの映像写真作品。






あ。


少女趣味ではございません……


たぶん…w



さみしいのは、


子どもが生まれてから、


何故か人形を作ることができなくなってしまったこと。



腕に抱いた、あたたかな眠れる赤子の


うすいまぶたを見つめると




ああ


わたしはこれが、欲しかったんだ。



そう思う時があります。


もちろん生きた赤ん坊の代わりに、人形を作っていたわけではないのだろうけれど。


なんていうか、


生き物の自然的な自由さや完璧さ


不完全さやあどけなさ、


美しさやもろさ、


激しさやおだやかさが、


満ち満ちている存在と共に暮らすと




ああ


こりゃ、かなわないなあ



って、小気味良い敗北感を、味わえるというか。




たとえ素人趣味での人形作りや、小説書きや、絵描きであっても、


自分の作るモノが陳腐なマガイモノにみえると、悔しいものですね…。



でも、芸術はやっぱり存在するわけで。



写真にしかとらえられない瞬間


絵画にしか表現できないモノ


小説ならではの描写。



生きてる間に、それらの尻尾くらいはつかんでみたいなあ…。






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