1月読書リスト(walk,don't run57)
テーマ:ブログ1月に読んだ本は
蕎麦ときしめん (清水 義範)
心残りは (池部 良)
鬼平犯科帳(十) (池波 正太郎)
かきつばた・無心状 (井伏 鱒二)
二重標的 (今野 敏)
夫婦善哉 (織田 作之助)
男たちのブルース (生島 次郎)
夜想曲集 (カズオ・イシグロ)
『かきつばた・無心状』 十五編からなる短編集である。
十二年ほど本郷に住んでいた。
「本郷も かねやすまでは 江戸の内」という古川柳で有名な『かねやす』。
『無心状』の中に、この『かねやす』が出てきたのだ。
井伏本人の事だと思われるが、好きな女学生の姿が見たい為に、毎日、市電の本郷三丁目の停留所に立っていたのだ。
そこの停留所のところには、かねやすという小間物屋があった。 (略) 角帯をしめて前掛けをかけた十四五歳の徒弟が三人か四人いた。その徒弟のうちに実によく気のつくのがいた。
その徒弟は店から出て来て、空の雲行きでも見るような風で私に囁いた。
「あの女学生の人、今日はもう帰りましたですよ」
それに反し、私が時間の来る前に立つときには、やはり空模様を見るような風で別のことを囁いた。
「今日は、あの女学生の人、まだ帰りませんですよ」
『かねやす』には一度も入ったことはない。
店名から、包丁類でも扱っている店だろうと、勝手に思いこんでいた。
本を読んだ後に気になって、ショーウィンドウを覗いてみたら、年配の女性用と思われる洋服やハンドバッグが飾られてあった。
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