危篤のネコ

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チョビが入院した。

来年で23歳になるおばあちゃんネコ。

ネコによくあることだけど、腎臓をやられて血尿が止まらないらしい。動物病院に入院させて点滴を受けさせてるそうだ。

お医者さんは自宅で最期を看取ってやったら、というけれど。

チョビが暮らしてきたのは母の職場で、母が仕事で外に出るときは無人なのだ。孤独に死ぬのがいいか、知らない人に囲まれて死ぬのがいいか。チョビ自身で選ぶことはできない。人間の都合によるのだ。

 

ペットの臨終に仕事を休む人は結構いるらしい。私もそうしてやろうか、という気には残念ながらなれない。あまり関わってこなかったから愛着が薄いというのもあるし、元来、生物の生き死ににあまり興味がないということもある。

冷淡だとも言える。チョビが死にかけている時に昼酒飲んで遊んでるんだから。しかし、私が何をしていてもチョビの痛みが消えるわけではないし、病気が治るわけではない。私が何をしていようが、チョビには無関係なのだ。

 

悲しみは、自己のものだ。

他者から受けるものではない。

チョビが悲しみを運んでくるのではない。自分の中から湧いてくるものだ。その悲しみを持っていないことを寂しくは思うが、悪いとは思わない。悪いと思うなら、それは自己憐憫でしかない。悲しむことが良いことで、悲しまないのは悪いこと。その悪いことをさせている死に行くものに、チョビに、責任を擦り付けるのと同じだ。

 

行こうと思えば行けるのに、私は見舞いに行かない。いつもそばにいたのなら、死ぬ時もそばにいるのが普通かもしれない。けれどたまたま偶然に会うだけだったのに、死の確信を持ったからと言って会いに行くのは違う気がするのだ。会いたくないのかと言われたらそうでもない。会いたいかと言われたらそうでもない。

ただ、母の職場に出かけたときにチョビがいないと、寂しく感じるだろうという気持ちはある。そこにあったものがぽっかりとなくなっている。あたたかくてやわらかくて小さくて少し持ちおもりのするものがなくなったカラッポを感じて寂しくなるだろう。

私はその寂しさを愛するだろう。

そんな気がする。

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キイテナイゼ!!

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おもろいビールを買った。

その名も「キイテナイゼ SORRY UMAMI IPA」だ!

 

なんか説明が英語だからよくわからんのですが、

鰹節を加えて醸造したみたいな感じのことを言っているみたい。

 

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ヤッホー! イカシた缶だぜ!

 

早速飲んでみます。つまみはビーノ君です。161204_132900.jpg

 

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ゾワゾワーとそそいで、いただきます!!!

 

 

 

 

……ウマミがある。出汁のうまみが、確かにある。

生臭かったりはしないけど、なんだか、みょう。

苦い。

苦みがきいたビール。エールといったほうがいいくらいの味。

これはクセになったらやめられない系。

ビーノのうまみと合わさって非常にうまみ。

で。

美味しいかまずいかで言ったら「不思議」。

 

 

原材料、

大麦麦芽

小麦麦芽

ホップ

かつお節

コリアンダーシード

オレンジピール

(麦芽使用率99%以上)

 

アルコール分:7%

 

けっこう強いね。

 

ヤッホーブルーイングという会社の製造だそうな。

「よなよなエール」とか「水曜日のネコ」とかの製造会社。

どれも一癖ある、言い換えると個性的な、ハマれば抜け出せないイイ味だしてるビールばかり。

 

↓よなよなの里 オフィシャルサイトだね。

http://yonasato.com/ec/

 

ここまで面白いビールは他にないんじゃなかろうか。買ってよかった。

ごちそうさまでした!

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コップから満ちあふれるもの

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泣けば泣くほどもらえると知って太郎は泣く。
あれも欲しい、これも欲しい、あれもしてくれ、これもしてくれ。
泣けば泣くほど太郎は満たされる。

大きくなって、大人になって、泣きすぎた太郎の涙は枯れた。
けれど、あれも欲しい、これも欲しい、あれもしてくれ、これもしてくれ。
太郎はだだをこね続ける。両手を振り回し、足を踏み鳴らし、よこせ、よこせ、とねだり続ける。
俺が欲しいものをよこせ、お前が持っているものをよこせ、お前自身をよこせ、お前はもう俺のものだ。俺の言うとおりに、俺のしたいように生きろ。
そう言って地団駄を踏む。

余るほど手にいれたものは、コップから溢れる水のようにひたひたと流れ去る。太郎はもっと欲しくなる。もっと、もっと、もっとだ!

そうして、太郎は泣き続ける。
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なんかいいことないかなあ

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左手がしびれます。
左脇腹がぴりぴり痛みます。
左手のしびれでコピペがうまくいかず、仕事に支障が……。
肩凝りからかもしれないし、心理的なものかもしれないし、何科にいけばいいだろうか。
ストレッチしながら内科にいける日を待つのがよいか。

病院漬けだあ。
休日はほぼ全日、病院通い。ちょっと若さが足りてない。

とりあえず、寝よう。

花を呼ぶ声

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花という名前がキライだ。安易だし、意味が薄いし、何より私は花みたいにキレイじゃない。お前はなんの花かと問われれば、ラフレシアとでも答えるしかない。

小さな頃は友達から「花ちゃん」と呼ばれることに違和感はなかった。それが一変したのは中学の入学式の時。

「はなたれ!」

風邪をひいていて、入学式が始まる前にと思って鼻をかんだのだ。その時、隣の席の男子が私の名札を見て叫んだのだ。
私は何を言われたか分からずぽかんと口を開けた。

「お前、加藤はなたれ。だな」

まわりの席の子がみんな私の名札を読んでクスクスと笑った。
それ以来、その男子、川口晃は私を『はなたれ』と呼び続けている。

入学式は名前の五十音順に座っていたわけて、加藤と川口は隣だった。運の悪いことにクラスの席も、最初は名前順だった。私の席のまわりの子は入学式のことを知ってる。授業中、クスクス笑いと「はなたれ」と小さくささやく声が、しょっちゅう聞こえた。私は唇を噛んで俯くことしかできなかった。

「花ちゃん」

中学で最初にそう呼んでくれたのは千秋ちゃんだった。
お弁当を持って誰もいない場所を探していると、突然、頭上から声が降ってきた。

「花ちゃーん!」

驚いて見上げると、私のクラスの隣のベランダから一人の男子が手を振っていた。

「花ちゃーん! 一緒にお弁当食べましょうよー!」

おねえ言葉のその男子の顔が見えなくなったと思ったら、すごい勢いで階段を駆け下り、走り寄ってきた。

「ね! 行きましょ」

私の腕をとり有無を言わさず階段を上らせた。それが私と千秋ちゃんの出会い。

千秋ちゃんは隣のクラスのアイドルで、私のことを「はなたれ」と呼ぶ子がいたら、「千秋、泣いちゃう」と泣き真似をして黙らせてくれた。私は隣のクラスに入りびたり、いつも千秋ちゃんの後について歩いた。千秋ちゃんといつも一緒にいたかった。

「ねえ、なんで私を仲間に入れてくれたの?」

ある日、ふと思いついて聞いてみた。千秋ちゃんはなんとも言えない妙な顔をして目をそらした。

「ごめん」

千秋ちゃんに謝られて、私は首をかしげた。

「なんで謝るの?」

「嫉妬してたの。花ちゃんと川口くんを引き離したかったの」

「え?」

「わたしね、川口くんが好きなの」

あまりに驚いて何も言えなかった。
みんなの千秋ちゃんが、私に嫉妬するなんて。目が真ん丸になっていたはずだ。
しかも、まさかあのニキビ面の川口を? 人をはなたれ呼ばわりする川口を?

「川口くんは花ちゃんのことが好きでしょ、くやしくて」

川口が? 私を? ありえない、だって私をはなたれと呼ぶくらいだもの。

「好きな子には素直になれなくて、意地悪しちゃうのよ。私も分かるわ」

「……千秋ちゃんは意地悪なんかしないもん」

千秋ちゃんは、ふふっと笑って私の頭を優しく撫でてくれた。私は初めての恋が終わったのを感じた。

二年生の秋、川口が告白してきた。私は鼻で笑ってやった。嫉妬した相手に優しくなんて出来なかった。私は千秋ちゃんみたいにはなれなかった。

中学を卒業するまで千秋ちゃんは川口と話をすることは出来なかった。優しい千秋ちゃんが、川口の前では急に無言になって川口をじっと見つめるのだ。みんなは千秋ちゃんが川口を無言で責めているのだと思ったらしい。川口も。いつの間にか私の「はなたれ」呼びはなくなっていた。

卒業式が終わって、私は呼び出された体育館の裏に行った。千秋ちゃんが私を待っていた。

「花ちゃん、私、とうとう言えなかったわ」

涙目の千秋ちゃんに、私は拳をつきだしてみせた。

「あげる」

手のひらを開くと、千秋ちゃんの目にますます涙がたまって溢れそうだった。

「川口の第二ボタン、むしりとってきた」

千秋ちゃんはそっとボタンを受けとると、両手で包んで抱き締めた。その手が、私が欲しい千秋ちゃんの第二ボタンを隠してしまった。私もとうとう言えなかった。


花という名前がキライだ。安易だし、意味が薄いし、何より私はキレイじゃない。
でも私は私の名前が好きだ。「花ちゃん」と優しく呼んでくれた千秋ちゃんの声を思い出すから。
いつでも心の奥に思い出せるから。