ねぇ、ちょっと聞いてくれる?


突然息を切らしてあらわれたこの方と、
何故か隣でニコニコ笑顔の奴を見て、
皆、戸惑った


一体、どうしたんです?

相談なんだけど…
実はね…


という訳なんだけど、
何かいい案はないかしら?


真剣な顔をして尋ねるこの方に
皆、顔を見合わせる


あの…本当に気付いてません?

えっ、何が?


この方は鈍感なのか、天然なのか
隊長も苦労するな…これじゃあ
誰もがそう思った


あの…
隊長もそばにいれて、
見付からない場所なんて、
ひとつしかないじゃないですか


そう言うと、
皆が一斉に指を指すその指した場所とは…


えー!
隊長の部屋ー!?
いや、でも…


途端にあわあわと慌てふためくこの方


隊長の部屋なら、
隊長以外、許可なく入れないし、
いつでも隊長のそばにいられますよ

ここにいれば、俺達も一緒に守れますしね

それに、ここでの情報は絶対に外部には漏れません
これほど安全な場所はないじゃないですか

そっ…
そうかな…?
大丈夫かな…?


皆で一斉に同調するように、うんうんと頷く
一瞬、この方に気付かれないように
視線を合わせたのは内緒だ


そうですよ!
大丈夫ですって!

ね!皆に聞くといい案が出るでしょ


そう言いながらニコニコしている此奴に、
「こいつは多分、何も分かってないな」と誰もがそう思った
純粋な笑顔に他の奴等のような疚しい気持ちはない


でも、私達だけで勝手に決めたら怒られちゃうわよね
それにあの人にも了解を得ていないのよ
どうしよう…


さすがにそこまでは考えていなかったから、
皆、押し黙った
隊長の部屋にこの方をお連れすれば、
万事問題なし
後は、お二人で…
なんて、出歯亀根性でいただけだから、
誰も彼も思い浮かばない

すると、今まで黙っていたある男が徐ろに口を開いた


いい案ならありますよ






~ to be continued ~






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