吉福伸逸さん講演会テーマ:「生死観」
いま私たちの身近には、“死” を感じさせるものがとても少なくなっています。
一見すると、ニュースでは事故や災害や犯罪による死の報道が相次ぎ、アニメや映画でも死が過剰なほど溢れており、死はそこかしこに姿を現しているように見えます。
が、こと身内や親しい人間の間柄での話となると、死に関する話題は忌み嫌われるのが現状です。
死にまつわる話が出ると、それはやんわりと退けられるか、あるいは意識的に遠ざけられ、あたかも「死の気配」を必死で隠蔽しているかのようです。
その現実の中で生活しているせいか、私たち自身も生きることについては多弁ですが、死のことについては言葉少なで多くを語りたがりません。
ただ自分の頭の中で死について考えるだけにしても、自分が受け入れやすい既成の死の概念を選ぶことが多く、それ以上深く触れようとはしません。
自分が死ぬのは怖いし、大切な人の死はあまりにも辛すぎるからです。
しかし当然のことながら、死の瞬間は私たち誰にでも例外なく、いつかは必ず訪れます。
まだ死ぬ気が全然していなくても、数分後には突然死んでしまうことだってあり得ます。
明日、大切な人を亡くしてしまう可能性すら否めません。
そのとき、死について向き合ってこなかった私たちは、いったい、どうそれと直面するのでしょうか?
死をただ忌み嫌って見ないようにしてきたことが、さらに大きな悲しみや悼みを生んでしまわないでしょうか?
さらにまた私たち自身も、死を見つめ、死についてしっかりとらえないままで、しっかりした生を生きることが本当にできるのでしょうか?
そこで今回、吉福氏の講演テーマとして「生死観」というものをお願いすることにしました。
「僕は死に対するとらえ方が普通の人とは違うから」という言葉を、以前、吉福さんが口にされたことがあります。
また吉福さんの著書には、あちらこちらに「死」についてのことが書かかれています。
ワークショップでも、断片的ではありますが、死について語ってくれることがあります。
その発言はほとんどが実はかなり過激です。
たとえば・・・
「大半の死は自覚的な死なんです。たとえそれが病気や事故であっても。」
とか、
「死は究極の癒しである」等々。
しかしその発言の真意を聞くと、「ああ」と素直に納得できるものとなります。
吉福さんはいつもそのように自身の体験を通したところで本質的なことについてわかりやすい言葉で語ってくれます。その言葉で、今回は誰にでも確実に訪れる死について、時間の許すかぎりお聞きしたいと思います。
開催日:2011年4月28日(木)18:45~20:45(開場18:15)
場所:国際文化会館 講堂 東京都六本木
参加費:3000円
主催 洪蓉舎
協力 覚技研究会
お申し込み・お問合わせ⇒洪蓉舎HPお申込みページから
⇒覚技研究会へのお問合わせはこちら
吉福伸逸(よしふくしんいち)プロフィール
思想家・翻訳家・セラピスト。
1970年から日本に初めてニューサイエンス、トランスパーソナル心理学などの分野を体系的に紹介。日本の心理学、セラピー、精神世界、思想の分野に多大な影響を及ぼしす。心理療法、ボディワーク、スピリチュアリティからエコロジー、ホリスティック医療など様々な分野で、現在第一人者として活躍している人々が、80年代に彼の影響を受けています。
著書『トランスパーソナルとは何か』(新泉社)他多数。