エピソード1 クリテリウム大会 |  中身の薄~い ”わははスタジアム”

 クリテリウムという自転車競技があるのをご存 知だろうか。



 自転車のクリテリウム競技は一般道を駆け抜けるのではなく、特定のコースを何周も回って争う競技である。


 ここY県S市で第何回目かの大会が今開催されようとしていた。


 司会 「皆さん、大変お待たせいたしました。これより開会セレモニーを始めさせていただきます」


 春の日差しが降り注ぐ大会会場のテントの下に、お偉い方々が鎮座している


 セレモニーが進行し、来賓の挨拶になった。


 司会 「それでは、県議会議員Y先生からお祝辞をいただきます」


 地元の名士でもあるY先生の出番となった。


 態度も体もでっかい人だ。先生のだみ声が響きわたる。しかしその割りに内容の空虚さに居眠りが出そうだ。


 Y先生 「えー、本日は晴天に恵まれ、このように多数の皆様にお集まりいただき誠に・・・」


  誰しもが挨拶は順調に終わるものと思った。


  が、会場の人々を震撼させる想定外の発言が・・・・。


 Y先生 「えー、本日盛大にこの


クリトリス大会


が行われることに対しまして・・・」


  この会場に集まった人々が、耳を疑った。


  クリテリウムとクリトリス、似ても似つかぬもの。


  男性は開いた口がふさがらず、女性は顔を赤らめもじもじしたことは言うまでもない。


   お後がよろしいようで。