明治から大正時代に活躍し、
宮中御歌所の寄人大口周魚(鯛二)の
「題 夏衣」
「題・隣家柳」短冊です。
翻字
夏衣 なつはたゝ めゆひのゆかた しこきおひ
しとけなきこそ すゝしかりけれ 周魚
書き直し
夏衣 夏はただ 目結(めゆひ)の浴衣 しごき帯
しどけなきこそ 涼しかりけれ 周魚
大意
夏の衣 夏はただ、目結染めの浴衣に、しごき帯
このしどけないのが、涼しいんだよ。
語注
めゆひ=目結。・・・絞り染め。
詠み
隣家柳
うぐいすの かようかきね(垣根)の ひま(隙)みれば
となり(隣り)のやなぎ(柳) あさみどり(浅緑)けり
鯛二
大口周魚の略歴明治元年(1864) ~大正9年(1920年 )
・名古屋生、明治大正時代の歌人,書家,古筆研究家 。
・内省御歌所寄人。
・本名は 鯛二(たいじ)
本名の「鯛」の字を分けて周魚と号した。