「今朝ほどの会見でも質問がございました、SPEEDIと称するいうシステムを用いたシステムを用いた被ばくに関する試算のことについてご報告申し上げます。本日昼頃原子力安全委員会から、このSPEEDIシステムを用いた被ばくに関する試算の結果について報告を受けました。詳細はこの後、原子力安全委員会から公表させる予定でございますので、詳細についてはそちらにお問い合わせ願いたいと思います。

これは大気中の放射性核種の測定値と、これまでの気象状況をふまえて、放射性ヨウ素による甲状腺被爆線量の予測をしたものでございます。

これまで、いわゆる放射線量の測定モニターは様々な数値、マイクロシーベルトの単位で原子力発電所の内部を含めてですね、皆さんにもご報告してまいりましたし、たくさんのデータも取れておりますが、空気中・大気中のいわゆる放射性物質の量をはかって、そこから、原子炉からどの程度の放射性物質がでているのかということを推測し、そしてその推測された数値に基づいてそれがどういった所に拡散し、そして人体に影響を与えうるような数値になっているか、いないかということを、さらに気象条件等を含めて計算をしたシミュレーションでございます。

この間今朝ほども申しました通り、このシステムをしっかりとりようして試算等を
行うようにという指示を申し上げてきたことは、ご報告いたしたところだというふうに思いますが、その時も申し上げましたが、原子炉から出ている放射性物質の量、これは残念ながら現在の原子力発電所の状況では測定ができないという状況の中で、それをいわば逆算することで、原子炉から放出されている放射性物質の量を逆算・推定できないかということを、これを指示していたかというふうに思います。

これをするためには、大気中の放射性物質の量、正確には大気中の放射性核種の測定値、というものが、なおかつ風下の陸上地域において必要であることでございまして、その数値が昨日モニタリングできてそれに基づいてシミュレーションを行ったものの報告がなされたものでございます。

そしてそれによってシミュレーションされた結果は、福島原子力発電所の事故発生後、毎日一日中屋外で過ごす事を仮定した場合に甲状腺の被ばく線量が100ミリシーベルト以上となる地域を試算したものでございます。これによると、福島第一原発から30キロメートル圏外の一部においても100ミリシーベルト以上の被ばく線量となりうるケースもみられますが、現時点でただちに避難や屋内退避をしなければならない状況だとは分析をいたしておりません。

今後、実際の放射線の量をモニタリング、あるいは精度の高いシミュレーション等、専門家の皆さんに行ってもらいながら、人体に影響を与える可能性の生ずる、この100ミリシーベルトの被ばく線量に達する事の出ないように、今後の対応をしっかりと、注視をしてまいりたいと考えております。

なおこの被ばく線量は風向きによって大きく影響をうける、その風向きなどに基づいてこ、のSPEEDIというシステムでシミュレーションを行っているものでございまして、そのため、風下地域での放射性物質の数を測定しないとシミュレーションができないというものでございます。したがいまして、念のため、現在所在する場所が風向きからみて発電所の風下にあたるような場合には、できるだけ窓を閉め、密閉した屋内にとどまってもらう事をおすすめしたいと思っております。私のほうからは以上です。」

日本テレビの平本です。今日、東京の水道水から、乳児向けの飲用基準を上回る放射性物質が検出されましたけれども、まず、福島原発から離れた東京からこういう事象がでたことについてどう受け止められますでしょうか。

「残念ながら、福島原発から放射性物質が大気中にこの間出ていることは間違いの無い事でございまして、それがある程度の地域に広がって、とくにこの間雨などもございましたので、いろいろなルートでいろいろなところで影響を与えるということは、残念ながらあり得ることであると、というふうに思っております。
だからこそ官政機関、できるだけ総力をあげてですね、様々な放射線の測定を、モニタリングを精力的に行うよう、お願いいたしている所でございます。
そうした中でですね、本日東京の浄水場の一部から一般的には基準値には達しておりませんが、乳児による摂取を考慮した場合には、摂取を控えることが望ましい、という基準値を超えた、具体的に申し上げますと、250ベクレル/kg、乳児の基準値は100ベクレル/kgですので、これを超える数値がモニタリングされたというものでございます。繰り返し申し上げておりますとおり、この基準値は長期にわたって摂取した場合であっても健康影響が生じないよう設定されたものでございますので、たまたま数回数日こういう数値を超えるものを摂取したとしても、ただちにむろん将来にわたって健康に影響がでることはない、そういった安全性の高い基準を設定しているものでございます。そうしたなかでありますけれども、残念ながら一定期間こうした状況が続く事が想定される状況におきましては、特に乳児の健康に万が一にでも影響を与えることがないようにと、万全の措置として、粉ミルクを調整する際に、水道水を使わな事が望ましいという事を、お願いをいたしたいところでございます。念のため、大人やふつうの子どもが飲用する際には全く基準値以下で問題ございませんし、生活用水としての利用もこれまでどおりで問題ございません。なお、この乳児を抱えていらっしゃるご家庭の皆さんが、困らないよう、国と東京都水道局との間で対応策について協議をしているところでございます。」

今後この数値が東京であがって行くようなことは予想されるのでしょうか?
あと、この数値が東京ででたということは近県、首都圏でこういったものがでてくるということは予想されるのでしょうか?

「今まさに、原子力発電所の状況がご承知の通りでございますから、健康に与えるような事態になっていないようにですね、それをしっかりと把握するように、各方面、様々な分野でモニタリングを精力的に進めてもらっているところであり、これは様々な要因が合わさって、実際にたとえば基準値を超える数値がでてくる、でてこない等がございますので、一概に距離だけで判定できるものではございません。したがって、今水道水について出ているのは、昨日もご報告したとおり、福島の一部と、東京の今回の浄水場でございますが、それ以外の所についてもしっかりとモニタリングをして、万が一にも予測していないような数値の状況というものがあれば、しっかりと把握して対処できるように、備えて行く所でございます。」

朝日新聞です。ただちに健康に害を与えないという事はわかったのですが、具体的にどのくらい飲んだら影響があるのでしょうか?

「具体的な詳細は専門家のみなさんの詳細な科学的なご説明を、これは厚生労働省になるかと思いますが、ご報告をさせていただいたり、お訪ねいただければという風におもっておりますが、基本的にこの基準値の放射能をもったものをですね、一年間通常の使用で、飲用に使った場合であっても、人体に影響を与えない線で、非常に安全を考慮した数値でつくっておりますので、そういったレベルに達するまでは少なくとも問題はないということであります。」

読売新聞です。今回東京都がそのように自粛自制を呼びかけているということは、国が東京都に対して何らかの措置を行うということはあるのでしょうか?

「現在、様々な、各地で行っているモニターであるとか、それから、放医研等をはじめとしてですね、専門家についてもですね、当然東京都も直接専門家の皆さんと相談されていると思いますが、放医研や原子力安全委員会等、国の関係の専門家の皆さんの知見とかですね、様々な点で協力すべきところは協力してですね、戸の水道局において万全の措置を取っていただけるような体制は作ってまいりたいと思います。」

TBSです。先ほど乳幼児を抱えている家庭の皆さんが困らないようにと、おっしゃられましたが、具体的にどのような対策を考えているかという事とですね、実際に乳児がいない家庭も、水の買い占めや買いだめが都内のスーパーでおこっているわけですが、そのあたりどうお考えですか?

「具体策については、東京都の水道局とご相談させていただいておりますが、主体的には東京都のほうで主体的なご判断を、されるということでございますので、最終的に都のほうが設定されましたら、都の方から報告していただくのが筋かなというふうに思っております。

水等の買いだめでございますが、ぜひ被災地、宮城であるとか岩手の皆さんをはじめ、今飲料水を災害の結果として確保して送っているのに、いろいろと皆さんからお力添え、ご尽力いただいている状況でございますので、必要な分を超えてですねお買い求めになる事は、是非そうした皆さんのためにも自粛をしていただければありがたいと思っております。」

毎日新聞の影山です。先ほど一定期間続くとおっしゃっていましたが、原発がこのような現状にある限りという事は、都内においてもこのような数値が一定期間続くとお考えになっているのでしょうか。

「これは可能性の問題でございますし、何度も申し上げておりますとおり、気象条件等に大きく影響されるということであります。それから原子力発電所についても、今後できるだけ冷却を安定させこれを安定的に冷却をし続けると、事態の収束をはかるべく努力しているところでございますが、それにあわせて、原子力発電所から外に出る放射性物質の量をいかにモニタリングし、なおかつ押さえていくのかということも、冷却が安定的に進んで行くことの中ではやっていかなければならない。ただ、これについてはいつごろどうなっていくということは、あまり予断をもって申し上げられる状況ではございませんので、できるだけ原子力発電所から外に出る放射性物質を少なくして、押さえ込んでいく、ということに少なくとも一定の期間がかかるということが、今の段階で私から申し上げられることだと思っています。」

朝日新聞の倉敷ですが、原子力発電所の関係で3号炉から白煙が確認されていますけれども、他の炉に比べ、3号炉の状態がどの程度深刻と政府は認識しているのか
ということをお願いします。

「これについては何がどう深刻であるのかあまり深刻に申し上げられる状況ではないかなというふうに私たちは見ております。ご承知の通り、三号機については一方で、中央制御室の照明等を復旧すると行った作業は、前に進んでおります。それから、本日も3号機については使用済み燃料プールの冷却浄化系統から使用済み燃料プールの海水の注入、つまり、外からの消防車による注水ではなくて、原子力発電所内部の系統からプールに水を注ぎ込む、ということも実施ができている。そういう意味では冷却を安定的に行うためのプロセスは、一方で、他の機より進んでいる部分があります。一方で、嬰原因等についての検討調査を行っていただいておりますけれども煙が出るという状況が何度も繰り返されておりますので、その状況につきましてはしっかりと注視していかなければいけないということでございまして、一概にどこがというよりも、少なくとも1~4についてはそれぞれについて注視をしながら安定化を進めている、こういう状況の認識であります。」

関連なのですが、3号炉の構造上の問題にとですね、大量の高濃度の放射能物質が分離しやすいという状況にあるとか、そういった認識というのはあるんでしょうか?

「必ずしも3号炉について特別な事があるという認識はしておりません。」


関連して、3号炉について、一部の専門家の中ではすでに燃料プール自体が損傷していて、プールが崩落しているのではないかということなのですけれども、政府としてはプールを確認しているのですか?

「少なくとも燃料プールにですね、一定の水があるということは様々な状況から、間違いないだろうという認識を持って作業を進めている所であります。」

読売新聞です。冒頭の拡散予測のシミュレーション件なんですけれども、午前中の記者会見では発生源である原発からどの程度の放射線がでていて、種類も分からない中で、つかみにくいという事だったのですけれども、今回発表される結果というのは誤差がかなりあると受け止めてよろしいのでしょうか。それとも、そういう問題も含めてある程度解決されたのでしょうか。

「これについてはまさにそのでてきたものについて、実際このシミュレーションを行った原子力安全委員会にとどまらずですね、専門家のみなさんに分析をしていただいております。ただ、そういった専門的な事以前の問題としても、先ほど申しましたとおり、風下のある地点で大気中の放射性物質の量を測定して、そこで得られた、、時間帯によっても変わってきますから、一番高い数値をコンピュータに入力して、そこから、普通でやる場合と逆算して原子炉から放出されている放射性物質の量を試算する、その試算に基づいていろいろなものがどこにどう広がっているかというシミュレーションをするプロセスを踏んでおりますので、当然原子炉からどの程度の量がでているのかということについて、一定の所与の数値をもとにシミュレーションした場合とは精度が違ってくることは専門家の分析を待たずしても言えることだと、一般的に言えることだと思っております。ただそうした上で、専門家のみなさんにさらにこのシミュレーションをどう分析しどう扱うのか、検討いただくというところです。」

関連してですね、朝日新聞の取材に対し、原子力安全委員会はSPEEDIの問題について非公表だったのですが、今回公表にあたった理由ですね、長官からの強い指示があったかどうか、そのあたりを教えてください。

「少なくとも、こういったシミュレーションを行うシステムがあるということについては、様々な使い方は専門家のみなさんにお任せするとするけれども、最大限使うようにという指示はかなり早い段階、先週のなかば位から私の方から出しております。なおかつ、様々なデータや分析の結果は必ず隠す事無く、国民の皆さんに公表するんだということをこの間原子力安全委員会にとどまらず、関係機関については繰り返し申し上げてきております。したがいまして、シミュレーションができた以上は、公表することは当然であるということで私の所にも報告があったのだというふうに思っております。」

冒頭の説明で、30キロ県内の外で一部100ミリシーベルトに達するところがあったというお話ですけれども、精度の誤差はあるにしても、実際にそういう数値が出て、公表されている以上、不安に思う方もいると思うんですけれども、退避の圏域をそのことによって広げたりということはお考えになっていますか?

「退避の範囲については常に様々なモニタリングの数字に基づいて、その専門家の皆さんの分析に基づきまして、常に最適なものを指示するという姿勢できております。今回のシミュレーションもその参考資料の一つにはなるだろうと思っております。ただ、様々な放射線量のモニタリングの数値でありますとかそうしたことをふまえて、それからこのシミュレーションの結果もですね、屋外で24時間活動している場合ということを前提をしたシミュレーションであるということなどをふまえるとですね、現時点でただちにこれを変更すると、いうことにはならない。したがって、さらに専門家のみなさんにこのシミュレーションも含めてですね、さらに検討いただき、そうした地域についてはさらにモニタリングの精度を、頻度を高めることで万全を期して参りたいと、いうふうに思っておりますので、今直ちに何かしなければ行けないということではないということを十分ご理解いただければとおもいます。」

時事通信です。3号炉の話ですが、先日灰色の煙がでていたという現象がありましたけれども、今回との因果関係について現状でどうみていらっしゃるのか。

「これは前回もそうでしたが、その原因について現状で確定的な事を申し上げられる状況にはございません。ただ、あの時も申し上げましたが、原子炉内の圧力であるとか周辺の放射線量の数値であるとか、こうしたところの、数字をですね、しっかりと注視をしながら、進めて行っていただいておりますので、原子炉の建物の中の状況のことですので、直接見に行く事はなかなか難しいのだろうとおもいますが、安全性をしっかり確保しながら、冷却機能を回復させるということを、そうした現象を見ながら、進めて行っていただいている、そういう状況です。」


前回のときに長官は建物内の残骸が燃えている可能性があるとおっしゃいましたが、今回の煙の原因についてどのように分析されているのでしょうか?

「まさに私が専門家ではございませんので、私が申し上げられるのは、若干、可能性の部分でございます。原因についてしっかりと把握するためには、原子力発電所の内部の構造や状態について十分承知をしている東京電力をはじめ、それから様々な科学的知見に基づいて、その原因については専門的に分析していただいていると。残念ながら得られている情報の中からは、何らかの確定的なことをお示しすることはできていない、こういう状況の中で、様々な把握できるモニタリングの数値に基づいて安全性について最大限の配慮をしながら作業を進めて行く、こういう状況です。」

TBSです。先ほど30キロ圏外においても100ミリシーベルトを超えた地区があったという話がありましたが、先ほど枝野さんもおっしゃられましたが、直ちに健康被害を受ける状況には無いと説明されているんですが、この間枝野さんはこの説明をよくされているんですが、国としてですね、原子力安全委員会なのか枝野さんご自身なのか、国が安全と判断する際にはどこでどのような根拠をもって判断されているのでしょうか。

「原子力安全委員会、あるいはそれから独立行政法人としての放医研、放射線医学研究所と正確に申し上げましょうか。それから原子力安全保安院、それから様々な専門の学者の皆さん、様々な皆さんのご意見をふまえた上で、なおかつこれは国際的な機関あるいは従来この事象、事故が起きる前から原子力安全委員会などでですね、何度も私がここで話しています通り、この基準値は、例えば、一年間標準的な摂取量を取り続けたとしても、人体に影響を与えるものではないなどという、様々な基準の数値、あるいは基準の数値の意味があるわけですね。そうしたものを専門家の皆さんに分析していただいて、それに基づいて若干の量を摂取されたり、そうした地域におられても、そうした基準値の意味から考えて、影響が出るものではないという、間違いの無い部分について申し上げている。こういうことです。」

原発の周辺に住んでいる方の対象の話なんですけれども、民主党内や閣僚の中から、現行法で定められた最高1200億円という国の予算の上限額について引き上げが必要なんじゃないかという声がでていますが、その点をどう捉えられているかという点と、住民の賠償問題について東京電力の責任についてはどう考えておられますか?

「まず一点目については当然あらゆる事を考えていかなければならないとおもいますが、まずは周辺住民の皆さんの健康への被害を防いで、そしてこの原子力発電所の事態をこれ以上悪化させずに収束させるということに、原子力関連の担当の皆さんが総力を挙げている状況でございますので、それについては事故の状況が収束の方向にきちっと向かって行って住民の皆さんへの健康への被害についての状況が悪化をしないと、いうことになったときに、はじめて、担当の部局を含めてしっかりと対応していかなければならないと、いうふうに思っております。」

毎日新聞の影山です。賠償責任が発生するかということについてお伺いしたいんですけれども、原子力損害の賠償に関する法律の第三条に一部免責規定として、その
損害が異常に強大な天災地変、または社会的動乱によるものによって生じたであるときにはこの限りでないという免責条件が設けられています。今回の地震で、東電には当てはまるとお考えですか、当てはまらないとお考えですか?

「まさに先ほどから申し上げているとおり、周辺住民の皆さんの健康被害を防ぐ、そしてこの原子力発電所の事故を収束に向かわせる、このことをしっかりと行った上で、この間のプロセスの検証もふまえてですね、今の点については判断すべきだと思っています。」

河北新報です。昨日総務省から宮城県内の一市六町について統一地方選の延期をみとめる規定から外したということで、このままの日程で統一地方選が行われるということになりそうなんですけれども、宮城県の村井知事が被災地なので全県的に外してほしいということを国に要望しているようなんですが、説明をお願いします。

「私が片山総務大臣から報告を受けておりますのは、昨日の時点で延期を決めたのは4月10日投票、前半選の特に知事選挙がまもなく告示をされるという事の中で、同じ投票日の同じ県の県会議員選挙と、そこまでのところの第一次的な判断をしたというものであって、例えば当該地域の市町村長選挙、市町村議会選挙、あるいは知事選挙の行われない都道府県議会選挙については告示日までに若干の余裕がありますので、まずは告示日までに日数の余裕が無い知事選挙と、それとセットで行われる県会議員について、まずは判断したものであって、それ以外のところについては、現時点で判断をしていないと、決定をしていない、こういう意味であって、決して延期をしないという事ではないときいております。」

韓国政府が日本産の食品について深刻な放射能汚染がある恐れがある場合には輸入を暫定的に保留するという報告をしたそうです。これについての受け止めと、また例外を設けているということで日本政府が放射能汚染が無い地域で製造加工したことを認める証明書などを出した場合には輸入を認めるそうなのですが、こういうことを対外的に求められた場合にどういう対応が考えられるのかお伺いしたいのですが。

「まず、具体的な話よりも一般的に申し上げまして、今回出荷規制の指示等を適宜出させていただいておりまして、放射線量が一定程度以上のものについては、あるいはそうなる可能性があるものについては、流通させないという措置をとっているものでございます。したがいまして逆に言うと、そうした指示の対象になっていない流通している食べ物については、安全性が確保されているということであります。そのことが必ずしも諸外国、周知ができていないというふうに思いますので、我が国のとっています措置につきまして、各国に対してしっかりと説明を申し上げて、理解を得て行く、そのことをまずしていきたいと思います。」

暫定規定値を超える放射線物質が検出された野菜についてですが、今日長官は最大値を検出した野菜を10日間食べたとしても、一年間の自然放射量の2分の1に留まるので、直ちに健康に被害はないとおっしゃっていらっしゃいますけれども、文科省の資料ですと、一年間の自然放射量は2400マイクロシーベルトなってるんですが、半分だと1200マイクロシーベルトです。そうすると一般公衆の線量限度である1000マイクロシーベルトを超えているんですが、線量限度を超えていても健康に影響を受けないんですか?

「例えばその一般の限度というのよりもCTスキャンなどの数値の方が大きいのではないかと思います。そうした意味では一般的な状態で一年間普通にいる中で一年間に受けることについての基準値と、様々な、例えば医療的な措置に伴って放射線を受ける事があるとか、そういうことによって健康に与える影響等を考慮して、これもものすごく保守的な数値で設定されていますが、そういうものとは違いがあるということで今朝のような説明を申し上げました。」

時事通信です。今日最高裁が2009年における衆院選について、違憲状態であるという判断を下したのですが、まず政府としての受け止めをお願いします。

「判決は承知をいたしておりますが、議会政治の根幹にも関わる問題でございます。当然、各党においてもですね、この最高裁判決をふまえて、各党間で検討を進めていただけるものと思いますので、それをしっかりと注視して参りたいと。」

この間、長官は各高裁などの判決の際にですね、結果を注視したいとおっしゃっていましたが、次期衆院選はどのような形で行われるべきだとお考えですか?

「繰り返しになりますが、選挙制度については、議院内閣制でありますが、議院内閣制においても行政府が主導をするべきものではなくて、立法府が主導して行うべきものだというふうに私は思っておりますし、一般的にもそう受け止められているのではないかと思います。そうした中で、今回の最高裁判決、これは最高裁判決ですから大変重いとこのことは間違いなく言えるのでございまして、最高裁判決を踏まえて、各党間で協議がなされてしかるべき対応がしていただけるものと思っております。」

それに関連して、最高裁が違憲状態の中で、いわゆる総理の解散権は縛られるとおもいますか。

「これは憲法学的にはいろいろな議論があるのかもしれませんけれども、従来の日本国憲法の運用から考えた時に、こうしたときに内閣総理大臣の専権事項である憲法に基づいた解散権を制約する要因にはならない、私は思っております。ただ様々な状況で、今そういった事ができる状況かを考えたら別問題です。ただ純粋な法律論の問題です。」

東京地方裁判所でイレッサ訴訟について国の責任を認め、賠償を命じる判決がでました。この受け止めと、政府の対応についておねがいします。

「この問題につきましては、従来から申し上げていますとおり、すべてのがん患者の方々のために最も良い対応策はどういうことであるのか、これは今回の原告の皆様からもですね、様々な制度改革についての、非常に建設的なご提言もいただいております。それについては裁判とは別にしっかりと進めて行かなければならないと思っています。この裁判のことにつきましては、大阪と東京で違う判決も出ておりますので、この判決文をしっかりと精査、検討してですね、一方でこうしたがん患者全体のための制度論としてのあり方ということをしっかりと進める一方で、判決に対する対応は判決文を精査して今後検討して行きたいと考えたいと思っております。」

民主党でも復興委員会というものが始まりまして、枝野さんも復興庁について前向きとも取れる意見をおっしゃっていたと思うんですけれども、復興に向けて今後政府、民主党にとしてどのように取り組んで行くか、具体的にあがっている項目があれば教えてください。

「私が昨日申し上げた事もですね、あらゆる可能性を排除せずにですね、考えて行かなければならないという趣旨で申し上げたつもりでございます。そしてその認識は今日の時点でも全く変わるものではございません。正直申し上げて、被害の実態像、全貌というのもですね、まだ救命・救難、あるいは孤立している被災地をどう支援していくか、かなり多くの被災地で最大限なされなければならない状況でございますので、被害の全体像をしっかりと把握してそれに対して今後どのような施策をしていくべきなのか、ということの全体像を今すぐにどうこうできる状況ではないと思っております。一方で今回の被災から立ち上がって行くことも大変重要でございますので、予断を持たず、あらゆる可能性を排除せず、様々なご意見もでておりますので、そうしたことを踏まえながらですね、ある段階で復興にむけたしっかりとした体制をつくっていきたいと、今の段階ではここまでと思っております。」

最近総理が国民の前に姿を表さない状態が続いていますが、実際どのようなことをされているのでしょうか。

「すべての時間を総理と一緒にいる訳ではございませんが、総理の執務室においてですね、関係機関からの情報、これは様々なものがあります。原子力発電所の状況もあります。それに今日ですと水道の水についての話、野菜の話、様々な状況にについての報告をしっかりと受けております。それから、被災者生活支援の方についても、様々な課題が、生活支援の本部で動いている話もありますし、総理のところにこういうところに力を注ぐべきだという情報、様々なルートで入っているようでございますし、そうしたことを総理自らですね、関係の所にしっかりと指示をおろしてですね、そのことについて必要があれば私のところに、こういう指示をおろしたから、しっかりと徹底されているかフォローするように、などという指示を私が受けたり、こういったことで慌ただしく、当然の事ですが、すごしておられます。」

国民の目には総理のリーダーシップがなかなか伺い知れないんですけれども、その点はどうなんでしょう。

「私はいろいろな評価、見方があろうかと思いますが、今一番やらなければならない事は、実際に生活支援の現場をしっかりと動かす事、あるいは原子力発電所の事態、現場で様々な対応をしていただいておりますので、それをしっかりと動かしていくということ、あるいは原子力発電所の影響で出ている、様々な影響をですね、実際の現場で、少しでも健康被害の及ばない方向に、あるいは風評被害がひろがらないようにという、そうした現場の努力の積み重ねというのが、今政府としてもとめられていることであるというふうに思っています。そうしたことについてで内閣総理大臣という立場は、その全体がしっかりと回っているいるのか把握をし、そしてそれが不十分な所があれば、総理大臣としてしっかりと指示をして、現場が動くようにしていく。そういうことが今リーダーに求められている一番の役割であるというふうに思っております。そうしたことの中では、部分的には総理が表に見えるような形で動くことがそうしたリーダーシップと現場を動かすという意味で効果的かつ重要な場合もありますが、私は多くの場合はですね、必ずしも目に見えることではないのもある意味では当然なのではないかなと思っています。」

北沢防衛大臣が被災地での遺体の搬送について、自治体から要請されて自衛隊が運ばざるを得ないと、かなりの精力が割かれていると、今後どうして行くか官房長官と厚生労働大臣は協議をされたのかということとですね、今後政府としては遺体の搬送、あるいは処理をどうするのか、自衛隊で担って行くのか、あるいは別の方法で対応するのか、それをどうお考えでしょうか。

「この後、防衛大臣と電話になろうかと思いますが、相談をすることになっております。防衛大臣のほうから現場の状況、自衛隊を通じて一番把握をされておりますので、そうした事も踏まえて、対応を考えて行かなければ行けないと思っています。」

これまで会見で長官は野菜で検出された放射性物質をですね、CTスキャンとかで線量比較されていますけれども、放射線が照射される場合と体内に入った場合とでは事情が全く違うと思うんですけれども、そもそもその二つを比べることは妥当なのでしょうか。

「もちろん放射線を外から受ける場合とそれを体内に摂取する場合とでは意味が違うという事は当然でありますが、そういった違いも含めてですね、専門家の皆さんからご助言をいただく中で一つの分かりやすい指標としてお話をさせていただいている。そもそも安全基準というのは体内に取り込む場合と外から受ける場合とで当然違っています。当然その事は認識をいたしておりますが、一つの分かりやすい指標として申し上げている、というものであります。」

放射性核種は何を基準としているのですか?ヨウ素なのか、セシウムなのか?

「基本的には、それぞれ、例えば今回この間出てきているのはヨウ素が非常に大きくてセシウムが小さいといったケースがいくつかあったと思いますが、その場合には特に基準値を超えて問題になっているヨウ素を前提にして、専門家の皆さんとお話をさせていただいていますし、ここでも申し上げている、ということであります。」