【福島原子力発電所の現状について】

まず、福島第一原発事故の状況でございます。詳細はそれぞれ関係部局からご報告をさせていただいているかと思いますが、引き続き菅総理のイニシアティブのもと、内閣官房・経済産業省・原子力安全保安院・自衛隊・警察・消防・東京電力が、官民あげて自体の悪化を阻止し、収束に向かわせるべく、全力をあげての取り組みが進んでいるところでございます。一歩一歩の改善が見られておりますが、なお、予断を許さない状況であるという認識をいたしております。

1号機から3号機の原子炉については、海水注入によって一定の安定状況でありますが、引き続きこの冷却をするべく務めているところでございます。当面の課題は、各号機の使用済燃料プールの冷却でございますが、それについてはみなさんご承知の通り、自衛隊のヘリによる上空からの散水、機動隊・自衛隊による陸上からの給水、昨日も自衛隊・東電・東京消防庁・ハイパーレスキュー隊による地上からの注水を実施したところでございます。本日も、東京消防庁による地上からの注水を実施することとし、更には、ここまでは3号機でございますが、4号機においても自衛隊による地上からの注水を検討・準備しているところでございます。途中段階でございまして、現時点で確定的なことは申し上げられませんが、3号機4号機の使用済燃料プールには一定の注水が成功したと、すえ3号機の使用済燃料プールには一定の注水に成功したと見ており、現時点では一定の安定状況にあるのではないか。しかしながら、予断を持つことなく、引き続き3号機に対する注水、そして、4号機への注水を安定的に行うことによって、これらの状況を改善の方向に向かわせるべく努力をしてまいります。

更には、より抜本的な解決に向けて、外部電力の復旧に向けた作業が一歩一歩進んでおります。この外部電力の復旧によって、各原子炉の状況のモニタリング、あるいは冷却についてのより安定的な状況を作るべく努力を頂いているところであります。更には、注水についても、より安定的にプールへの注水ができる手段を検討し、様々な装備等について準備をいたしているという報告を受けております。

【ほうれん草・牛乳の放射線量について】

もう一点、ほうれん草・牛乳についてのご報告でございます。福島県内で採取された牛乳、そして茨城県内で採取されたほうれん草の検体から、食品衛生法上の暫定基準値を超える放射線量が検出をされたというご報告がございました。ひとつは昨日の17時半ごろ、福島県の原子力センター福島支所の緊急時モニタリングにおいて一農場から採取された原乳から食品衛生法上の暫定規定値を超える数値が検出されました。本日11時、午前11時、茨城県環境放射線監視センターの検査において、ほうれん草6検体から食品衛生法上の暫定規定値を超える数値が検出されたとの情報がもたらされました。このため、厚生労働省で、本日未明福島県に対し、また本日昼茨城県に対し、関係情報を調査の上、食品衛生法上に基づき当該検体の入手先同一六との入手先(06:07)の調査、結果によっては販売の禁止と食品衛生法に基づく必要な措置をこうずるよう依頼をしたところでございます。国としては、福島第一原子力発電所災害との関連を想定しつつ、原子力災害対策特別措置法の枠組みのもとで、更なる調査を行ってまいります。その上で、その調査結果の分析評価をしっかりと行い一定地域の摂取制限や出荷規制等の対策が必要であるかどうか、必要であるとすればどの範囲とするかなどについて、早急に検討を出してまいりたいと考えております。

なお、今回検出された放射性物質濃度の牛乳を仮に日本人の平均摂取量で1年間摂取し続けた場合の被ばく線量は、CTスキャン一回程度のものであります。ほうれん草についても、やはり日本人の年平均摂取量で一年間摂取したとして、CTスキャン一回分の更に5分の1程度であるという報告を受けております。また、今回、作りました暫定的な基準値というものでありますが、この暫定的基準値は国際放射線防護委員の勧告に基づき設定したものでございますが、当該物を一生飲食し続けることを前提として健康に人体に影響を及ぼす恐れのある数値として設定をされた数字、これに基づいて今回報告がなされ、より広範な調査・分析・評価を行う必要性があるとしたものでございまして、ただちに皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではないということについては十分ご理解をいただき、冷静な対応をお願いしたいと思っております。

今回こうした検体が検出されましたことから、国といたしましては、原子力災害対策本部のもとに、まずは厚生労働省におけるデータの集約と一元化の機能を担わせ、ここに文部科学省・厚生労働省・農林水産省・現地対策本部・関係自治体・民間団体等の様々なデータを集約・一元化し、これについて原子力災害対策本部として原子力安全委員会の助言に基づいて評価をし、そして対応が必要な場合はそれらを支持するこういった枠組みを構築したところでございます。私からの報告は以上でございます。


◎質疑応答

Q1-1.読売新聞のクリバヤシです。ほうれん草と牛乳に関してなんですけれども、実際詳しい調査をして摂取制限の措置を、範囲を決めるを決めるまでの、どれくらいの時間で決定をだしていられる?
A1-1.これまさに、この間にもいろんなところでデータを取ってきていただいています。だからこそ、そのデータの中で、こうした数値のものがあるということが判明いたしました。更にこれのデータのまさに観測そのものも更に数を増やしていただき、集約もスピードアップさせていく、こういうことの中で、どういうデータが出てくるかということによって判断は変わってくるわけでございまして、たまたま特異な事情で今回の数値が出てきているのか、あるいは、広範な数値のこの数値が出てきているのか、現時点ではそういった報告はありませんが、まさにこういったデータを収集する中で、専門家の皆さんの助言を踏まえて、対応が必要かどうかを決めていくことでありますので、当分の間は、そうした体制で必要性について検証していく状態なのだろうと思います。

Q1-2.実際に地域が特定されるまでは今回のサンプリング検査で数値が出た地域が公表されないのであれば、福島県・茨城県全体にいわゆる風評被害が起きると思うんですけども
A1-2.この詳細な地区と数値等については、厚生労働省の方から発表するように、言うように指示を致します。


Q2.朝日新聞社のカトウです。そもそもですね、これ暫定と言うくらいだから、その基準自体にですね、その問題はないのか。で、そもそも食品安全法の中にはもともと基準はなかったので、そもそもこれまでですね、その基準を作ってこなかったことを含めて長官はどのように基準について考えていらっしゃるのでしょうか?
A2.はい、従来からですね、の原子力安全委員会の方では、こうしたことについての指標はまとめて出していただいていた。それは、先ほどご報告をさせて頂きましたかと思いますが、国際的な基準に基づいてそうした指針をお示しをしていた。それを今回はこうした事故をふまえて、まさに規制に繋がるような形で利用するということで、なおかつ暫定的な指針として、発表をしたということに基づいております。もちろん、通常から色々な形の数値をですね、確定的な基準として設定をしておくべきであったというご批判は、私は一定程度承知の側面があるというふうに率直に思っておりますが、まさに国際的な基準に基づいて一定の数値が出たらしっかりとモニタリングを強化して対応先に向けた作業を進めるということで今回も行っているわけでありますので、そのことによって国民の皆様の健康被害を防ぐということについての影響はないと。


Q3-1.朝日新聞のヤマモトです。今の仕組みはですね、自治体が実施主体でやるかどうか、実施の範囲等そういったもの自治体に厚生労働省が委ねている形になっています。そして、実際の数値が出ていてはたして今のやり方でいいのかということが第一点。
あと、もし出荷停止ということになれば、被害をですね、どういう風に責任をとるのか。具体的には東京電力と原子力行政を担ってきた、国の責任が当然問われるべきになろうかと思いますが、出荷停止や、周辺に及ぶ風評被害についての保証についての現時点での考えをお願いします。
A3-1.はい。まさにだからこそ、先ほど申しましたとおり、原子力災害対策本部において、厚生労働省によるデータ集約及び一元化を実情指示して、そして厚生労働省において関係機関と連携の上、しっかりとしたサンプリングの実施そのもの、そしてそのデータの集約そのものについて、システマティックに進めていくということを構築をしたところでございます。これによってどういったサンプリングについてモニタリングを行ってそれをどういう手順で集約するのかということを、厚生労働省において構築をしていただく、ということになります。これによって、え、もし出荷制限等の自体に陥りました場合においては、国民の皆さんの健康を守るということがこの時点において、特にこの原子力発電所事故とのからみにおいても、国として最優先に取り組まなければならない課題であると思っておりますので、その結果として、様々な影響を受ける皆さんのその影響については、当然事業主体である東京電力はもとより、国においてもしっかりとした対応を行っていくということが前提になるかという風に思っておりますが、まず現時点においては、健康被害をもたらさない、そのことをしっかりと抑えこむ、ということについて一切の予断を持たず全力をあげるというのが政府としての立場だと思っております。


Q3-2.全国でやってくださいということなのか、あくまに自治体の判断にゆだねるかということを確認したいのと、もうひとつは、そのー、今のお話というのは国で責任を持つというように捉えていいのかというのを、2点ふたつです。
A3-2.まず一段目については、今申しましたとおり、厚生労働省において必要な情報収集のための集約を厚生労働省において行うようにいたしましたので、具体的に全国でやる必要性があるのか、どの地域のどの品目を行うのか、これは専門的な知識に基づいて必要な範囲で厚生労働省において各機関に要請をするということになって参ります。必要があれば、原子力の今の体制のもとでありますから、必要があれば、厚生労働省の申し出に基づき、政府から支持をすることも可能であるということでありますが、こうした事情ですから、各機関においても厚生労働省の求めに応じてシステマティックに情報収集をしていただけるという風に思っております。
後者については、そうした将来的な問題があることは当然認識いたしておりますが、そういうことがあろうがなかろうが、今は全力をあげて、まずは、健康被害を防ぐということに全力をあげておりまして、それ以外の要素について、考慮の中に入れる入れないという段階ではない。まずは、いかに健康被害を防ぐかということに総力をあげてまいります。当然のことながら、そのことによって生じたことについて、将来的に国としてしかるべき対応をとる。これまた国として当然のことであると思います。


Q4-1.テレビ朝日のコバヤシですが、先ほど大塚副大臣によると、とほうれん草っていっておられたのですが牛乳ははじめてたったのですが、国ははじめ3・4品目あるという言い方をされていたのですが、ほうれん草と牛乳だけでしょうか?
A4-1.現時点で、具体的に基準値を超えたということでご報告を受けているのは、牛乳とほうれん草であります。その他の品目についても、検査・モニタリングはしていただいておりますし、そうした情報は厚生労働省に入っているものと思いますが、基準値を超えたものとして、まぁロットの廃棄等の措置等厚生労働省から自治体に指示する・したもの等はそのふたつだと報告であります。ただし、もちろん、他の品目についてもしっかりとモニタリングを行わなければならないということであるのは、一緒だと思います。

Q4-2.すいません、牛乳とほうれん草なんですけども、福島原発からどのくらい離れた地点ですか?
A4-具体的な詳細については、厚生労働省からきちっとした報告をさせていただきたいと思いますが、ほうれん草については、茨城県であります。それから、牛乳については、30キロ強離れている地点だと聞いています。

Q4-3.ま、茨城も広いんで、大体キロ数は?
A4-これ詳細は正確でないと、変な間違えた数値を申し上げてはいけないと思いますので、厚生労働省にはひき続いてできるだけ早く具体的なデータについてご説明する場を設けるようにという指示をしておりますので、そちらで、正確な数値と場所について、公表できるというふうに思っております。


A5.はい。官房長官、東京新聞のフジイと申します。えっとですね、今対応策とちょうど問題の話があったのですが、思ったのはですね、もう農業計画、これから種まき等をしなきゃいけないので、早急な対応を示さないと、農業経営自体が成り立たないということになると思うのですが、そのへん、官房長側はどういうふうに対応されるというのかということをはっきり。
Q5.今日の会見の最初で申し上げましたように、原子力発電所の状況は一歩一歩自体の収集に向けて動き始めていると思いますが、今なお予断を許さない状況でございます。まず、この原子力発電所の事故を、どうやって収集に向かわせるのか、そのことがあらゆることの前提に、これなっております。どの程度の期間、どの程度の量の放射性物質が外に出るのか、そのことにによって全てが変わってまいります。このことがまず大前提であります。これについて、現時点では、悪化はいまのところ防げているというふうに見ておりますが、まさに予断を許さずに、しっかりと収束の方向に向かわせるには大きな一つのポイントを迎えているというふうに思っております。さらに、その結果、影響としてどの程度、例えば農産品等に影響が及んでいるのか、ということも、また今後及んでいく可能性があるのかということも、これまた、無責任な立場からいろんな評価はできますが、しっかりとモニタリングに基づいて責任ある判断をしていかなければならないというふうに思っておりますので、農家の関係者の皆さんには大変御迷惑をおかけいたしますが、現時点でどうなりそうだか、どういう時期にどういう見通しが出せるかということを軽々に申し上げるべきではない、申し上げないことのほうがむしろ誠実な対応ではないかと思っております。


Q6-1.日本テレビのホリ(?)です。原発への対応の方なんですけれども、放水について計画的に何かできるんだということなんですけども、具体的にどのようなものなのかということが一つと、電源の回復についてなんですけれども、着々と進めているということですが、目処を教えて頂けますでしょうか。
A6-1.まずプールへの注水の作業でありますが、計画的にできるようになったというところまで申し上げなかったと思います。そうした段階に向かいつつあるということであります。実際に、色々な、この間も、消防庁・警察・自衛隊、それから米軍の車も使わせていただきました。この様々な機器を使って注水を努力してきたわけでありますが、これについてより安定的に注水ができる、そうしたことの機材などについても、今手配の作業を進めております。そういったものがもしうまくいけば、かなり安定的に注水ができるようになる、そういったことの可能性・見通しが立ってきたという状況でして、できるだけ早い段階に安定的・計画的に注水ができるようになるという状況を作りたい、そしてそこに向けた具体的な作業が続いている。今はこういう状況でございます。
それから、外部電力をしっかりと引いてくるということについては、かなりのところまで電力が来ているという報告を受けておりますが、まさに、個々の、なんというのでしょう、機材にどうつないで、それが実際にただちに動くのかということを、かなり慎重にいっこいっこにのぶつについてやっていかなきゃならないという状況であります。更に、報道等もなされておりますが、全体としては放射性濃度の高い地域の中で、現に電力がほとんど使用できない暗い中で、これは東京電力の現場の作業員の皆さん努力していただいている状況ですので、軽々にいつごろまでということを申し上げるべきではない。ただ、相当な努力の中で、これは間違えなく一歩ずつ電力の普及に向かっている、ということにとどめておきたいと思います。

Q6-2.電源が回復した場合、すぐそれがプールの温度の冷却に繋がるというふうに見ていらっしゃいますか?
A6-2.いえ、これはまさにですね、電力が普及すること、その上で、様々な、これはただひとつの系統だけではなくて、様々な手法で冷却を安定化させる手法があるとは聞いております。しかし、そのどれが電力の供給で使えるのか、使えないのか、これはいっこいっこ丁寧に安全を確保しながら進めていくということでありますので、電力が繋がるということは大きな前進でありますが、そのことでただちに全体状況が改善するとは思っていません。大きな一歩でありますが、しかし、一歩ずつ改善していくということの中の一歩だと思っております。


Q7.ニコニコ動画のナナオです。ほうれん草と牛乳に関連してなんですけれども、風評被害防止の観点においてですね、IAEA以外の国際調査機関等から、仮にモニタリング調査の申し出があれば、早期に受け入れるお考えがあるかどうかお聞かせ願いたいのですが。
A7.この間、様々なデータは、そもそもデータそのものが十分ではないというご批判は、私はある意味当然だと思っておりますが、国民の皆さんにも国際機関にも、隠すことなく公表するという姿勢で、政府やってまいりました。更にはIAEAは直接モニタリングを行うという作業の手順に入られたと聞いております。これは、どういったところがどういうふうにできるのかということを、しっかりと把握しながら関係部局と、特に国際機関とご相談しなければならないのではないかと思いますが、基本的にはいろいろな方にいろいろなモニタリングをしていただいて、それは国際社会の見方としてでも、また私たち国民の立場からも、様々なデータがあることは望ましいことだというふうには思っております。



読売新聞 名前聞き取れず
 あの、文科省の担当のほうのですね、モニタリング調査を行っていると思うんですけども、北西30kmくらいのところで一箇所のみ赤い数値が出ていたと思うんですけども、それと今回の牛乳との整合性ともよるのですけども、検出された(試験と)ですね、さらにほうれん草については、検査していた範囲外で高い数値が出たということになるかと思うんですが、その文科省のモニタリングのやり方の範囲を広げるとか詳細に試験を増やすとか、そのような必要性はあるとお考えでしょうか?

枝野
 文科省が取りまとめをしている、いわゆる大気の放射線量の調査と、それから、このこうした農作物等については厚生労働省が集約することに致しましたが、両者は適切に連携連動させなければいけないという問題意識は持っております。
 そしてこれはくり返し何度か申し上げてきているかと思っておりますが、放出された放射性物質は気候、特に風向きや降雨降雪の有無、それから地形によってどういった地域に影響をおよぼすかということが大きく変わってまいります。従いましてそうしたことも踏まえながら、より広範な地域でしっかりとモニタリングを両者両面に応じて行っていくし、その両者両面に於いてしっかりと連携連動させていく、分析にあたってもそれが必要であろうというふうに聞いております。
 現時点では牛乳のサンプルについて基準値超えたものが出たところと、それから大気について放射線量の測定で高い数値が出ている地域については、関連性がありそう、相関関係がありそうだというふうに聞いておりますので、特にそうした地域のモニタリングについてはさらに充実させるべく努力をしなければならないと思っています。

不明
WSJのほうにですね、今回の原発の事故はですね、東電が政府から指示されるまで海水の()をしなかったからこんなにひどくなったんだと、東電が土曜日の朝から海水の()をしていれば問題はこれほどまで広がらなかったんだという()をしているのですけども、こう言った見方について長官としてはどう思っていらっしゃるのか。

枝野
 ここまでのプロセスについては、もちろん全力を上げてやってきたというつもりでおりますが、様々な立場から様々なご意見、ご批判があることは私はある意味当然だろうというふうに思っておりますが、まだこれまでの事象の検証を私ども自身がする状況ではない、まさに今の事態のこれ以上の悪化を防ぐ、現時点の現象に対して最善を尽くすということこそが、今私たちに課せられている役割だと言うふうに思っておりますので、これまでの間の様々な事象について、さまざまなご意見等があることは、これは率直に受け止め、そのなかで現時点の事象に対応する、あるいはここからの事象に対応するための参考になるべきものは当然しっかりと参考にしてまいらなければならないと思っておりますが、今の時点ではまずは現時点の状況に全力で総力で対応していくと言う状況だと思っています。

産経新聞 村上(?)
福島第一原発四号機の使用済み燃料貯蔵庫についてお聞きしますけども、あの日本側はプールに水が残っているということで現在作業がすすんでいるわけですが、アメリカ側はプールが破損してですね水を貯めるってことが困難だと見ているわけですが、長官ご自身の見解としてはどういうふうに見ていらっしゃいますでしょうか?

枝野
あの私は専門家ではございませんので私自身の見解はここでは意味が無いことだという風に思っています。その上で、我が国の専門家のみなさんが分析をした認識と、それからアメリカの専門家のみなさんが分析している認識等については、これは日々ディスカッションをして、すり合わせをしてきているところでございます。今おっしゃられた米側の認識というのはある一定時間前の認識としてそうしたご認識があったということは聞いておりますが、時々刻々さまざまな状況についての情報が入ってきている中で、四号炉ですか、について一定の水が入っていて、それによって冷却に一定の効果がなされているということについてはよりその可能性が高いというような報告をこの間受けております。

毎日新聞 影山
一部の報道で菅総理が自民党の谷垣総裁に連立を打診して、谷垣氏に対しては副総理兼復興担当相での入閣を求めたという報道がありますが、事実関係をお願いします。

枝野
私はそういう報告は総理から聞いてはおりません。

朝日新聞 佐藤(?)
先ほどいった原発のですね、安定的にこれから注水できそうな機材というのは、今この時点で公表できるような(末尾聞き取れず)

枝野
これはいろんな可能性、あらゆる可能性を使って、あらゆるもの、可能性のある物について手配・準備を同時並行で進めています。まさにこうした状況ですから、ひとつに決め打ちをしてうまくいかないということは許されない状況であります。従いまして様々なプロセスの中で、こういったやり方でということがある意味確定的になったり、という段階でご説明すべきであって、そうでないと、いろんなものを同時並行的に可能性を模索をしている、あるいは準備をしているという状況であります。

朝日新聞 佐藤(?)もう一点
福島からのですね、避難者のなかで県外での宿泊を拒否されるような、拒否するようなホテルとかがちらほら出てきているようなのですけれど、それについて政府として認識されているかどうかを。

枝野
まさにそうした事象が一部聞こえてきているのは間違いはございません。ただ是非これは多くの皆さんにご認識をいただきたいというふうに思いますが、私たちはこうした事象、原子力発電所の事故等がなくても、これはなんども申し上げております通り、自然界の中にあっても放射線を一定程度受けております。あるいはCTスキャンを受けたり、X線写真を受けたり、こうしたときにそうしたものとは桁(?)がちょっと大きな放射線量を受けております。あるいはそれぞれの人間の体内にも、日常的に普段の状況でも放射線物質はあるというか、放射線を出しているというか、こうしたことも専門家のみなさんから説明をいただいております。したがいまして、今回の事象によって全然放射性物質がないところに、なにか放射性物質が出ているということでは全くない、そのことを大前提として知っていただきたいというふうに思っておりますし、またそうしたなかで原子力発電所の周辺でまさに作業していただいている自衛隊のみなさん、消防のみなさん、こうしたみなさんはある程度の高いレベルのところで作業をしていただいております。でもこうした皆さんについてはしっかりと個別に数値等を把握をし、なおかつ防護服等で防護をいただき、そうした作業に携わったものについてはいわゆる除染と呼ばれる作業、放射性物質を洗い流す等の作業をしていただいております。そうしたなかにありますので、周辺地域のお住まいの皆さんについて受け入れられることについては、基本的には全くリスクのないと思っていただいてよい状況にありますので、是非そうした風評に惑わされることなく、大変お困りになった状況の中でご苦労されている皆さんについての受け入れについては、是非安心してお受け入れをお願いしたいという風に思っております。

名乗らず
3月16日に笹森特別顧問が記者団に対して菅総理が「東日本が潰れるかもしれない」と言ってた件についてお伺いしたいのですけれど、直後の会見では承ってないっていうふうに長官はおっしゃったんですが、事実関係と東日本が潰れるとは具体的に何を意味するのかっていうのを是非国民としては知りたいと思います。

枝野
そうしたことをおっしゃったわけではないと私は理解をいたしております。あのまさに今現時点でもですね、今おっしゃられたような風評等によってですね、福島のみなさんは大変ご苦労をされている方も一部いらっしゃるという状況の中にあります。原子力発電所のこの事態がさらに悪化するということになればですね、今大変苦労してそして大変ご不便をおかけするなかで、燃料であるとか、食料品であるとか、医薬品であるとか、というのを津波の被災地に対して届けるという状況は、何もなくともたいへん困難な状況の中やっておりますし、原子力発電所の事態への対応のなかで、いわば両面作戦を取らなきゃならないというなかで、両方に万全を期すべく最大限の努力としておりますが、今そうした状況の中にあると。さらに悪化をするということになれば、それに対応する対応にさらにエネルギーを注いでいかなければならないということ、これは一種当然のことであります。したがいまして東日本の大変広範なみなさんにさらに大変なご不便をおかけをするということになる、このことは間違いないということであって、そうした事態を避けるためにも、なんとかこの事態の悪化をこれ以上防ぐということに全力を上げて、そして少しでもこれを安定的に改善の方向に向かうと言う状況を作っていくことが当該原子力発電所周辺にとどまらず、今回の地震、津波、被害をうけている東日本の広範な地域にとって必要なこと、重要なことであるという風に認識しております。私はそういう認識のご発言であったというふうに、直接ではございませんが承っております。

名乗らず(上記質問と同一人物)
それは風評ではなくて、ちゃんと特別顧問という肩書きがある方が、カメラの前で、実際に総理が言ったこととしておっしゃったんですから、中身を説明するか訂正するかどっちかしないと、それこそ政府が風評被害をまき散らしているという批判が来ると思いますよ。

枝野
総理が今のような思い、趣旨でおっしゃられたんだということだということで私は聞いておりますので、そのお受け止めが違ったお受け止めがあったとすれば、今私が申し上げたような意味で、東日本、確かに、現状でも東日本全体、大変なことになっているわけであって、これ以上悪化させたらそれこそ大変なことになる。そうした思い、趣旨でご発言されたと、そう受け止めていただいて結構です。

名乗らず(上記質問と同一人物)
そしたら笹森さんが訂正すべきですよね?国民はその言葉で非常に緊張感を持ったのは事実ですから。

枝野
私自身、笹森参与のご発言の前後の全体状況、あるいは笹森参与がどういう趣旨でおっしゃられたかということについては直接は把握はしておりませんが、総理がそうおっしゃられたことについて、そういった形で外にお伝えになったんだと、若干そのことで必要以上のご心配をおかけをした側面はあるかもしれませんが、政府あるいは総理としては私が今申し上げたような趣旨で、このことは一貫して緊張感をもって、なおかつ、だからこそ全力を上げて、原発の事象について総力を上げてやっていると、全力を上げてやっているという、こういうことの認識でありますし、総理もこうした趣旨を繰り返しいろんな場でおっしゃっていて、笹森参与にもそうした趣旨のことをおっしゃられたというふうに聞いております。

名乗らず(上記質問と同一人物)
で、関連でもう一つなんですけどね、蓮舫大臣とか枝野さんもそうですけど、その東日本とか関東の人間が水を買い占めたりする行為は良くないと、できるだけ控えて欲しいと発信をされているのだけれども、すくなくとも総理ないし総理の特別顧問がね東日本が潰れるかもしれないと言っておいて、それで水を買うななんて言うのはね、国民としては納得がいかないと思うんですけれども。それはどうやって説明するんですか。

枝野
この間、政府としての、この、特に原子力発電所に対する見解、認識については、総理が国民の皆さんへのメッセージを発信をされる、そして私が官房長官という立場で国民の皆さんに、知りうる範囲の、できるだけ正確にご説明をさせてきていただいております。そして必ずしも十分ではないかもしれませんが、それぞれの直接のデータを把握しているところから、適切に、そして必要なものは全部隠すことなく公表するようにということで、政府として国民の皆さんにお伝えをすべきことはしっかりとお伝えをさせてきていただいているつもりであります。またそうしたことのなかでは。もちろん今後の状況は緊張感をもって終始をしなければならないと言う状況ではありますが、例えば東京の皆さんがなにか買いだめをしなければならない様な状況ではないということは、繰り返し丁寧にご説明をさせてきていただいているつもりでございます。そうした状況でございますので、政府としての公式の発表は、私を軸にですね、関係省庁がしっかりと今後も行ってまいりますので、それに基づいて対応していただきたいと思っておりますし、またそうしたことのなかで、多々ご心配はあろうかというふうに思いますが、必要以上のストックをお買いになるという事の結果として、東北の被災地で困っておられるみなさんの支援に大きな影響をおよぼすことになりますので、ぜひ多くの国民の皆さんのご理解をお願いしたいと思っております。

名乗らず(上記質問と同一人物)
枝野さんは買いおきしてますか?

枝野
私自身自宅に帰っておりません。

毎日新聞 亀山(?)
総理の発信ということで関連の質問なんですけども、総理は民主党代表経験者と会見されてました。鳩山さんはともかくとして、小沢さんと前原さんに関しては野党時代の党首であって、国家のマネジメントを担当した人物ではありません。その野党党首経験者と会談するよりも、むしろ自民党の総理経験者や阪神大震災時の総理だった村山富一さんとかと会談するほうがまだまだ意味があると思うのですが。単なるセレモニー、パフォーマンスと取られるという側面もあると思うのですが、いかがご覧になりますか。

枝野
まさに様々な知見、経験をお持ちの方のご意見、ご助言というのは、この間もなかなか時間も取れませんので直接ではない場面も含めて、私のところに多々いただいておりますし、総理のもとにも当然行っているというふうに思っております。そうしたことの重要性と、それからもうひとつ、ここは政治がですね、与野党で、党内で、まさに国会をあげて、あるいは政治をあげてですね、この自体に取り組まないといけないということのなかで、野党の皆さんとも、そしてもちろん党内の然るべき経験を積んでこられた方ともですね、しっかりと直接コミュニケーションを取って、そして意思一致をしながら前に進んでいくということは重要であるというふうに私は思っております。そうした、まさに一致してこの自体に当たるんだということを確認しながら、なおかつそうしたみなさまの知見についてもお聞かせていただく事の重要性と。過去の行政経験、トップリーダーの経験があられる、そうした皆さんの経験をお借りをするというということはどちらも重要な事ではないかとというふうに思います。

毎日新聞 亀山(?)
そうすると今後総理経験者と会談する予定というのは入っているんでしょうか?

枝野
現時点で具体的なものがあるわけではありません。しかしながら全てのものが同時並行でできるわけではありません。まさに原子力発電所の状況は時々刻々変化しているわけでありますし、それから被災者支援も時々刻々状許由が悪くなる、それを食い止めるために日々時々刻々対応しなくてはならないという状況の中にあります。そうした中でできるところから様々な皆さんとお会いをすると言うようなことをまさに総理が、総理自身がリーダーシップを取って直接やらなければならない、大きな2つの課題の指揮に支障を及ぼさない範囲で、出来ることからやっていると、こういうことだとご理解ください。

共同通信 オカイ(?)
いま野党と与党との連携についておはなしがあったと思いますが、先ほど質問があった谷垣総裁への入閣の打診について、総理から聞かれていないということですけども、この震災に国を上げて取り組むという観点から、政権の幅を拡げるという意味で、例えば自民党でなくても、野党との連立について、実用性(?)という観点からお考えをお聞かせください。

枝野
私はまさにそうした人事とかそういったことについては、まさに総理の専権事項でありますし、総理のご判断に委ねている立場で、私自身は総理のもとで具体的に各省庁の皆さん、それは政務三役そして事務方を含めてですね、そうした皆さんの仕事の全体調整をして、しっかりと現場の事態に対応するということについて、官房長官として総理のもとでお支えをしている立場なので、今全力100%mの力を注いでおります。今のようなことは当然総理が、内閣総理大臣としてご検討されるべきことだと思いますが、それについては総理におまかせをしているというか、そこについて私自身は直接関与をせずに、全面的に現場対応の官房長官としての役割に今は徹しているところであります。

テレビ朝日 小林
食品のほうれん草とか牛乳の関連なのですけども、水の方の汚染状況とか調査状況とか、そのデータで特異なものがあれば教えてください。

枝野
これについては厚生労働省の方で完結する法体系になっているという報告を聞いております。厚生労働省で必要なモニターをされて、必要な対応が必要であれば対応されるという風に思っておりますが、そうしたことがあった場合には報告はして欲しいと厚生労働省の方には言っております。

TBS オザワ(?)
避難所についてなのですが、上下水道や暖房が不十分な中で今後ノロウイルスなどの感染症が拡大する可能性も考えられ、専門家も指摘しています。それに関しての政府の認識について、そういうことがおきたときに、例えばヘリでの隔離など、そういう方法が考えられているのかお伺いしたい。

枝野
まさに今の避難所の皆さんにおかけをしているご苦労の状況を考えたときにですね、様々なご病気についての可能性については当然考慮のなかに入っております。そうしたことも考慮をしながら、一昨日ですか、立ち上げました被災者生活支援のですね、特別本部の方で、具体的に可能な最善の対応策をとるべく作業を進めていただいているという状況です。