義援金を払う前に注意・確認してください。(税務上の扱いなど) | 図形で儲けを増やす名古屋の税理士

義援金を払う前に注意・確認してください。(税務上の扱いなど)

今回の東北大地震で被災された方に対し、何とか義援金で協力したいとお考えの方が多いようです。


私も同じように考えています。


この数日、お客様より義援金について質問がきています。


・ 義援金は経費になるのでしょうか?


・ どこを通して寄付するのがいいでしょうか。


・ 領収証は必要ですか?

・ 金額の基準はありますか?

といった質問です。



まず、税金上の扱いの前に、その義援金が確実に被災者に届くのかを確認していただきたいです。



インターネットですでに様々な義援金の募集がされています。


ボタンをクリックするだけで簡単にクレジットカードからの引落とし手続きが完了するようなものもあります。


どうもこの騒ぎに便乗しているのではないか疑わしいものもあります。


せっかくの義援金ですから、慌てずしっかりした機関を通して行っていただきたいと思います。




そして同時に支払った義援金について税金上の優遇が受けられるとうれしいですね。


そこで、義援金の税金上の扱いについて説明します。



義援金は、税法で「寄付金」というものに該当します。
 
「寄付金」の税務上の取扱いは、会社と個人では異なります。



【会社から支払う場合】

会社が支払った寄付金の取扱いは以下になります。

(1) 国、地方公共団体(都道府県、市区町村)への寄付金】

  → 全額が経費(損金)になります。


(2) 指定寄附金として財務大臣が指定したもの


最終的には地方公共団体へいきますので、全額経費となる「地方公共団体への寄付金」として扱われるということです。

ということは結果的に 会社が支払った義援金は、その全額が経費となることが多いというです。

  → 全額が経費(損金)になります。

(3) 公益性が高い団体(特定公益増進法人)への寄付金

  → 全額が経費になることもあれば、一部だけが経費になることもあります。

(4) その他のの寄付金

  → 資本金と所得(税務上の利益)から計算した一定限度以内のみ経費になります。

 

今回の地震のような場合には、次の寄附金の特例があります。



 災害救助法の規定に基づいて都道府県知事が指定した区域の被災者のための義援金等の募集を行う募金団体(日本赤十字社、新聞・放送等の報道機関等)に対して支払った義援金等


→その義援金等が最終的に義援金配分委員会等に対して、きょ出されることが募金趣意書等において明らかにされているものであるときは、「国又は地方公共団体に対する寄付金」に該当するものとされ、全額経費(損金)となります。




簡単に説明すると、大手新聞社やテレビ局が募っている義援金の多くは


   新聞社など → 日本赤十字社 → 地方公共団体(都道府県、市区町村)


という流れになっています。


また、上限もありません。



ただし、経費になるには、税金上の優遇措置に該当する旨の証明書の取得・保存が必要です。



募金される前に、その義援金がどのようなルートで被災者に届き、証明書の交付が受けられるかどうかを事前に確認してください。


街頭での募金は通常証明書は発行されませんし、本当に被災者に届くのか疑問があります。(もちろん、ちゃんと届くものが多いと思いますが)


インターネットでの募金も、ご注意ください。

証明書の交付が受けられないものは、「その他の寄付
金」に該当し、経費扱いにならないことがあります。




【個人から義援金を支払う場合】


会社と同じく、新聞やテレビを通じての募金は、最終的には「地方公共団体への寄付金」となるものが多いと思います。


会社は全額経費になりますが、個人の場合は、まず義援金の額から2,000円を引いた金額が対象になります。

さらに 「所得」の40%が上限です。上限がある点も会社とは異なります。


(「所得」とは、「収入-必要経費」のことです。給与所得の場合には、「給与収入-給与所得控除」となります。 → 給与所得控除額の計算



ですから、少なくとも2,000円は経費(所得控除)となりません。


また、個人が税金上の優遇を受けるには、確定申告をして、かつ、証明書を申告書に添付することが条件となります。


年末調整では適用されませんのでご注意ください。




【日本赤十字社が今回の被災地に対する義援金の募集をはじめました。】3/14


赤十字社なら確実に被災地へ届くはずですから義援金の支払い先としてはいいのではないでしょうか。


 →東北関東大震災義援金を受け付けます  (日本赤十字社)



◆郵便局窓口で準備されている専用の振替用紙で払込む方法が一番です。(振込手数料免除)

※郵便窓口で受取った半券(受領証)は、免税証明としてご利用できますので、大切に保管してください。



◆銀行振込で支払う場合には事前登録をしてください。


 →事前登録  (日本赤十字社)


1ヶ月ほどで受領書が送付されてきます。






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私もこの方法で寄付しました。


※通信欄に名前、住所、電話番号を正確に記載してください。